恋姫~如水伝~
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二十五話
前書き
この投稿からしばらく、構想を練り直します。
曹操が劉備を逃がしてから二日後。袁紹、袁術の二名が曹操領に軍を向けた。
曹操も袁家の進軍に対して軍を発し、自身の存亡を賭け戦いに望んだ。
それから半月後
官渡の地に両軍が集結していた。
袁紹・袁術合同陣地
「あの生意気なくるくる小娘。袁家に逆らうとは良い度胸ですわ」
「そうじゃ!大長秋の孫程度が三公を輩出する名家に逆らうとわ。わらわの力を思い知るのじゃ!」
袁紹、袁術は口々に曹操を罵る形で軍議を進めた。
軍議の結果、陣の最前列に外様の孫策らが配置され。進軍した。
対岸に配置された曹操軍本陣
「袁紹、袁術の軍勢の数。およそ十五万こちらに向かって進軍中。先陣は孫策が務めている」
如水の報告に一同はその数の多さに緊張し、気合を入れた。
「先陣の孫家は約二万。袁家も馬鹿にしたものじゃ無いですね、これだけの大任は孫策にしか務まりません」
如水の関心に桂花と華琳が否定した。
「確かにそうだけど、連中そこまで考えて無いわよ」
「そうです。如水殿、袁家の連中を過大評価しすぎです。どうせ自分達が先陣を務める事が嫌なだけです」
「そうですか。では孫家を叩けば崩れると思わないほうが良いですね」
「そうね、向こうの本隊は孫策とこちらを互いに消耗させた後来るわ。その事を頭に入れて置きなさい」
華琳の発言に納得した後、部隊編成を決めた。
「先陣は秋蘭殿が適任かと思います。第二陣に霞殿。次に本隊が配置し、私は遊撃を担当し。春蘭殿が後陣を務めて頂きたい」
「その布陣の理由は?」
「相手の先鋒は猛将孫策です。正直、孫策相手にまともに打ち合えば、こちらの被害は甚大です。しかし、孫策が捨て駒ならこちらは正面から打ちかからず、先鋒と後方を孤立させれば孫策も軍は整えられないでしょう」
如水の説明を聞き秋蘭は納得した
「そうだな。しかし、それなら姉者か霞の方がいいのではないか?」
「いえ、春蘭殿や霞殿ですと、孫策と互角に戦ってしまい、乱戦になります。そうなると袁家の連中は孫策ばかりに良い所を盗られまいと進軍するでしょう」
「それはありえるわね。あの馬鹿二人なら」
華琳や他の者も納得した
「ですので、秋蘭殿には敵をいなし続けて欲しいのです。そうすれば孫策軍も浮き足立ち、後続も火中の栗を拾う気にならないでしょう。孫策軍を足止めし孤立させるそれが第一の作戦です。そして、その後に全力で袋だ抱きにして孫策軍を討つ。その勢いで改めて袁家の陣に斬り込む。その作戦を提示します」
「わかったわ、その案でいきましょう。皆、万全を尽くしなさい」
「はい!」
如水の意見を採用し軍議が決まった曹操軍は配置に付いた
こうして、袁紹、袁術連合対曹操の戦いが切って落とされた。
袁紹、袁術側は十五万、対する曹操側は六万三千。数では袁紹、袁術が優位だが、各陣の連携と士気は曹操に圧倒的優位だった。
決戦直前。華琳自ら先陣に立ち兵を鼓舞した。
「皆!良く聴け。我らは数で劣り敵は此方の三倍近くだ。だが、正義は我らにあり。袁紹、袁術は弱小の劉備を痛めつけるだけの卑怯者。私の鍛えた精鋭の敵では無い。この曹孟徳を信じよ。我に必勝の策あり!!」
「「「「「「おおー!!」」」」」」
「いざ往かん。曹孟徳と覇道を共に進もう」
「「「「「「おおー!!」」」」」」
華琳の演説を聞き三倍近くの敵を前に曹操軍の士気は上がった。
先陣の秋蘭の隊が孫策と激突し、苛烈な戦いが始まった。
秋蘭は猛将孫策相手に一歩も引かず後続の仲間を信じた。
「我らは決して孤軍では無い。落ち着いて後ろを信じ突き進め」
「「「おおー」」」
秋蘭の指揮の下、功を焦らず各隊は孫家の猛攻をいなし奮戦した。
それに対し孫策軍は自軍が孤立し始め浮き足立った。
「まずいわね。味方が続かない。あの馬鹿共、私達を見捨てる気ね」
孫策が慌て始めた時、左右から爆音が響き孫策軍は未知の物に恐怖した。
「おい、なんだ今の音。あんな音聞いた事無いぞ」
「大変だ!曹操軍の投げてきた黒い球が破裂して味方が死んでいったぞ」
「おい、どういう事だ。一体、何が起きている」
如水軍は左右に回り込み鉄玉を投擲していた。その音を合図に第二陣の霞の軍が強襲した。
「いまや。孫策を討ち取るで~」
未知の物体への恐怖と張遼の強襲で孫策軍は持ち堪えれず壊滅した。
袁紹、袁術は孫策軍が壊滅した事で驚き陣形を下げ本陣の守りを強化した。
曹操はそれを好機と見て全軍に突撃の命を下した。
「くそ!!あの馬鹿のせいで私の大事な兵が皆死んじゃった。しかたないっか!…冥琳、蓮華を頼むわ」
孫策は親友の軍師周瑜に妹の事を頼み、最後の攻撃の準備をした。
「おい、何をする気だ雪蓮。急いで逃げるぞ」
「だめよ。袁術に恩は無いけどこのまま逃げれば、死んでいった仲間に申し訳ないわ」
「おい!待て。行くな雪蓮!」
孫策は友の静止を振り切って残った手勢を集め張遼に突撃した
「我が名は孫伯符。命が惜しく無い奴から掛かって来なさい」
「よっしゃ!この張文遠が相手や」
「貴女が張遼ね、仲間の仇討たせて貰うわ」
「そうわいくかい。返り討ちにしたる」
霞と孫策の戦いが始まり。周瑜が残りを撤退させた為。敵の陣形は崩れた。そこに秋蘭と、後から合流した春蘭は袁術軍本隊に挑み。如水と華琳は袁紹の陣に攻撃を仕掛けた。
「如水!鉄玉と火箭の用意は出来てる」
「ああ、鉄玉四百個と火箭四千丁、いつでも使える」
「わかったわ。如水、先陣に行きなさい」
「了解した」
そして、如水軍の真桜は再び部隊に鉄玉の投擲を命じた
袁紹軍は混乱しそこに火箭四千丁が一斉に火を噴いた
「なっなんですの一体」
「わかりません。孫策さんの所でも同じ事があったそうです」
「そんな事、私の知った事じゃありません。早く何とかしなさい」
「でも、どうすれば、もう敵は目の前に来ていますよ」
「ええい、何でもいいから早く何とかしなさい」
袁紹の取り乱しで本陣の指揮は取れなくなり、兵達は恐怖で逃げ始めた。
如水軍は散っていく敗走兵を追撃し、華琳の本隊は混乱する袁紹の本陣に突撃した。
如水が敗走兵を討滅し終えた頃、曹操軍が歓声を挙げた。
「袁紹、そして、顔良、文醜。討ち取った。皆、勝ち鬨を挙げろ」
「「「「「おおっー!」」」」」
そしてその前後に春蘭、秋蘭が袁術を討ち取り、霞が孫策を仕留めたとの方が届いた。
「われらの勝利だ、袁紹、袁術の領地を我が物にせよ」
「「「「「おうっ!」」」」」
その勝利の一月後、華琳は袁紹、袁術の領地を殆ど支配下に置き。如水は隣接する胡の勢力圏に行き、以前の約束した自治を認めと双方の不可侵の同盟を結んだ。
後書き
誤解の無いように言っておきますが、雪蓮は好きです。
ただ、蓮華の方がもっと好きなだけです。
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