FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
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序章 出会い
第12話 記憶の傷跡
前書き
ヘイヘイヘイ!紺碧の海だよっ!
今回はちょっとシリアス・・・かな?
そして、アテラス(本名じゃないけど)目線で書きたいと思います。
それでは、第12話・・・スタート!
ここはとある森の奥深く。俺はこの森を“安らぎの森”と呼んでいる。その名のとおり、ここに来ると不思議と心が安らぐんだ。何でかは、俺にも分からない。で、俺がどうしてここにいるのかと言うと・・・
ア?「でぇりゃアアァァアッ!」
一言で言えば修行だ。
意外かも知れないけど、俺は手品師でもあり、魔道士でもある。5年程前からマジックに熱中しすぎて魔力が衰えちゃったんだ。今年からは手品師を辞めて、魔道士として過ごす事にしたんだ。つまり、この間のTrick Wanderlandでの公演が最後の舞台だったという訳だ。客も大勢来てくれてよかったよ。
ア?「やアアアアアアッ!」
だが、肝心の魔力は全く上がらず、10分程度で魔力が限界になってしまう。俺は呼吸を整える為、地面に仰向けになり空を見上げた。
鳥のさえずりが聞こえる。風が吹き、額に滲んだ汗を乾かしていく。
ア?「ハァ・・ハァ、こ、このままじゃ・・・ハァ・・ハァ、ぜ、全然・・ダメ、だ・・・ハァ、ハァ・・・ハァ・・・・」
その時、俺はある事を思いだした。
Trick Wanderlandでの公演が終わってすぐに、7~8人ほどの観客と、なぜか背中に羽の生えた猫2匹がやって来た。その何人かが腕や肩、手の甲などにマークのようなものがついていた。俺の記憶が正しければ、間違いない。あれはマグノリアにある唯一の魔道士ギルド、妖精の尻尾のギルドマークだっ!
妖精の尻尾は噂に名高く、数々の依頼をこなしているギルドだが、数々の問題を引き起こしているギルドでもあり、評議委員も頭を抱えているお騒がせギルドだ。
でも、ギルドに加入している魔道士は皆、お互いを家族のように慕っていて、楽しく仲良く過ごしている。
ア?「家族・・・か。」
その時だった。
ズギッ!
ア?「うぐっ!・・・あぁ・・ぅぁぁ・・・・ぐわあああぁぁあああぁあああああっ!」
突然、右腕に強烈な痛みが襲ってきた。・・ま、また・・・かよ・・・!
その時、俺の脳裏に幼い頃の記憶が鮮明に蘇った。
小さな木の家に住む、楽しそうに笑う幼い頃の俺と父さんと母さんの姿―――――。
ドアを蹴破り、剣や銃、槍や斧を持ち、家の中に入って来た大勢の人間の姿―――――。
父さんと母さんに襲い掛かる大勢の人間の姿―――――。
必死に抵抗する父さんと母さんの姿―――――。
部屋の隅で怯え、震え、泣きじゃくる幼い頃の俺の姿―――――。
部屋中に飛び散る鮮血―――――。
床に倒れ込む父さんと母さんの姿―――――。
幼い頃の俺を殺そうとする大勢の人間の姿―――――。
死に物狂いで走り続ける幼い頃の俺の姿―――――。
1人の男が放った黒光りする銃弾―――――。
放たれた銃弾が、幼い頃の俺の右腕を掠り、辺りに鮮血が飛び散る―――――。
ア?「あぁ・・!ぁぁあ・・・!」
体全身が激しく震えだす。胸が苦しくなり、吐き気が襲う。めまいが襲い、視界が揺らぐ。麻痺し、手や足の感覚を失う。ドクンッドクンッドクンッと、心臓の脈打つ音が速くなる。
俺は仰向けからうつ伏せになり、地面に生えていた草を掴む。
ア?「・・ぅ・・・ぅぁああ・・・!ぅ、ぅぎ・・・・!ぐああぁあああぁぁぁああああああああああああっ!」
“安らぎの森”に、俺の悲痛な叫び声が響き渡った。
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ア?「ハァ・・・ハァ・・ハァ・・・・ハァ・・ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・ハァ・・ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・ハァ・・・・ハァ・・・ハァ・・ハァ・・・・・」
やっと痛みが収まった時には、冷えて乾いたはずの汗が再び溢れ出し、俺は汗でびしょびしょだった。俺は呼吸を整える為にまた地面に仰向けになった。
この痛みの原因は、俺が幼い頃に負った火傷の跡だ。俺はこの火傷の跡を“記憶の傷跡”と呼んでいる。この傷跡のせいで、俺は14年間苦しんできたんだ。なぜかは・・・言えないな。
そういえば、妖精の尻尾の魔道士は皆、俺みたいな・・・いや、俺以上に、悲しくて、辛い過去を背負って生きている人がいるんだよな。だったら、俺の事、信じてくれるのかな?
ア?「ハァ、ハァ、ハァ・・妖精の・・・尻尾・・・か。・・・よしっ!」
俺は起き上がるのと同時に決心がついた。
妖精の尻尾に入る事をっ!
アイツ等なら、信じる事が出来るはずだ。いや、絶対に信じれるっ!こんな感情を持ったのは、シラカバの街の人達以来だ。
それに、Trick Wanderlandの時に出会った緋色の髪に、なぜか鎧を身に着けた俺と同い年くらいの彼女に、俺は一目惚れをしてしまった。し、しかも、初恋だ・・・/////////////////こ、これが、恋ってものなのか・・・//////////////////
確か、妖精の尻尾のギルドがあるマグノリアは・・・この森を抜ければすぐだ。近くて助かる。
ア?「よしっ!行くか。」
俺は荷物をまとめてマグノリアにある唯一の魔道士ギルド、妖精の尻尾を目指して歩き出した。
この道が、俺の新たな道の最初の1歩だという事に、俺はまだ、気づいていなかった。
後書き
第12話終了だよ!
ここでアテラス(本名じゃないけど)の説明をします。
彼は14年前に両親を闇ギルドに殺されたんです!彼の目の前で・・・ですが、これには深い訳があるんです。彼があまり人に接しないのは過去に関係があるんです。右腕の傷跡はこの時にできたものです。先のはねた黒髪に、鮮血のような赤い吊り目が特徴の青年です。
次回は彼が妖精の尻尾にやって来る!
お楽しみに~!
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