ヘタリア大帝国
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TURN74 合流する者達その六
「飄々としている感じがね」
「あの統領、それは違うのでは」
ユーリはムッチリーニのその気楽なところを注意する、軟禁jされていても変わらなかったし今もそうであった。
「確かにお顔立ちはいいですが」
「ユーリちゃんもわかってるじゃない」
「ですが統領は少し」
「駄目?何かが」
「何かがではなくもう少し統領としての自覚を」
「自覚しているつもりだけれど」
「少し緊張感を持たれて」
ムッチリーニになくユーリにあるものだ、それで言うのだった。
「さもなければ日本にいても同じですよ」
「同じって?」
「負け続けます」
そうなるというのだ。
「それで笑いものになりますので」
「私笑われてたの?」
「イタリンも祖国殿もです」
イタリアもだった。
「有り得ないまでの弱さだと」
「皆頑張ってるのに酷いわ、そんなこと言うなんて」
「勝てば言われないです」
「勝つってエイリスとかソビエトによね」
「その通りです」
「そんなの絶対負けるわよ」
戦う前からこう言う始末だった。
「エイリス軍j強過ぎるから」
「確かにモンゴメリー提督は名将でありエイリス軍は精鋭ですが」
「だから勝てないわよ」
「ドクツも日本も互角以上に戦ってきています」
「どうしてそんなことできるのよ」
「勝てるだけのものが備わっているからです」
日本は太平洋、インド洋からエイリス軍を追い出してさえいる、それがそのままエイリスにかなりのダメージを与えている。
「だからです」
「ううん、皆凄いのね」
「彼等が凄いのではなく我々が弱過ぎるのです」
これが現実だった。
「太平洋に行っても笑いものにならないようにしましょう」
「ううん、わかったわ」
「では留守番の間軍事の本を読んで下さい」
「祖国ちゃん達と一緒にお料理したら駄目?」
暢気な顔で暢気な声での問いだった。
「そうしたら」
「そして歌ってですね」
「そうしたら駄目なの?」
「ではお料理の後で、ですよ」
ユーリは呆れながらもムッチリーニに譲歩した。
「宜しいですね」
「わかったわ、それじゃあね」
「とにかくロンメル元帥に来て頂くと」
ユーリもこのことには期待していた。
「太平洋はさらに強大になりますね」
「今でどれ位なの?」
「エイリスを軽く凌駕しています」
イタリンを散々に破ったそのエイリスをだというのだ。
「まさに日の出の勢いです」
「そんなに凄いのね」
「日本、ガメリカ、中帝国に加えて」
それにだった。
「インドや東南アジア、オセアニアも加わりましたので」
「星域でいうと四十位?」
「達していますね、ですから」
「ううん、欧州全部を合わせたより強いかな」
「おそらくは」
「そうよね、強いよね」
「人材も揃っています、かなりの勢力です」
ユーリは冷静に分析していた、それが今の太平洋であり新生枢軸なのだ。
「そこに私達も入るのです」
「邪魔にならない様にしないとね」
「その通りです。では宜しいですね」
「うん、私も頑張るから」
両手を拳にするがそれでも表情はおっとりとしている。
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