【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
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役者は踊る
幕間2 「少女は謎の存在の夢を見るか?」
前書き
今回は短いです。
前回のあらすじ:病弱少年、ほっぺを弄ばれる
ぼんやり虚空を眺める。
ここは何処だろう、と考えて周囲を見回し、自分が一糸纏わぬ姿で虚空に浮かんでいることに気付き、ぼんやりと「ああこれは夢だったのか」と納得する。
自分で自分の夢を「これは夢か」と自覚するというのは何とも変な気分だな、と感じる。流石にここが天国という事は無いだろう。何せあまりにも何もなさすぎるし、自分は死んだ覚えはないし。
それにしても殺風景な空間だ。私は何故こんな夢を見ているんだろうか。夢とは自分の無意識の願望とか寝る前に見たものとかそういうことに関係するものを見るらしいが、私は生憎全裸で空中浮遊したいと望んだことは一回もない。
・・・何もない。静かすぎるほどに静かで、何も感じないほど空虚だ。だが、気が付くとその空間に微かな音が響き始めていた。これは、誰かが・・・何か言ってる?よく耳を澄まし、その声を聞き取ろうとする。
――汝・・・・・・を有・・・・・・・・・応・・・
・・・断続的にしか聞き取れない。人と話すときはもう少しはきはきと喋って欲しい所である。何所から聞こえているかは知らないが。
――・・・目覚・・・・・・的殺の彼方・・・・・・・・・神が・・・証と・・・
的殺・・・的殺・・・確か、詳しくは覚えていないが風水だか呪術だかですごく縁起の悪い方角だったか?あやふやで合っているか怪しいがそんなニュアンスだったと思う。的殺の彼方とは随分と幸先が悪そうな印象を受ける。それにしても神がどうかしたのだろうか。
――・・・・・・使命・・・・・・輪転・・・本来ならば・・・・・・新生の・・・・・・・・・一体と・・・・・・故に汝は・・・・・・
この辺りは最早何が言いたいかさっぱりわからない。私がどうかしたのだろうか?というか、声の主はそろそろ前に現れてほしいものである。具体的には人の顔見て話せや、という思いがないでもない。
やがてその声はハッキリと聞き取れるようになる。
―――汝、人界の守護を望むや?
『・・・・・・はぁ?』
思わず声が出た。この声の主は何を言っているんだろうか。人界の守護?邪気眼でも発症したのか、それともただの電波か?
―――汝、大禍を退け人界を守護する覚悟有りや?
『・・・意味わかんないんだけど?もうちょっと詳しく教えてくれないと何が何だか―――』
~とある航空機の中~
「――――――ふごっ」
急激に頭部を浮遊感が襲い、乙女らしからぬ声を出しながら目が覚めてしまった。外を見ると既に日が登り切っており、飛行機がそろそろ日本に着くことが解る。
「ここ何日かドタバタしてたから居眠りしちゃったかしら・・・」
既に冷めきったお茶を一気に飲み干す。はて、何か変な夢を見ていた気がするが・・・詳しく思い出せない。何か、とても重要だった様な気も・・・
「ま、いっか。一夏も残間兄弟も元気にしてるかしらねー・・・ふふっ、あいつらの驚く顔が目に浮かぶわ!」
日本にいたころの親友たちの顔を思い出し、思わず顔がほころぶ。身体検査だ何だで入学式に間に合わないという失態を犯したが、まぁ何とかなるだろう。
久々の日本への帰郷へ期待に胸を膨らませながら、凰鈴音は飛行機の外を見つめた。
後書き
あからさま過ぎる伏線。この小説、いったいどこへ向かってるんだろう・・・
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