RPG WORLD ―ろーぷれ・わーるど― ~復讐の少年~
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一章 出会い
休息 前
「さ、こちらです。ソラさん」
オランドゥさんに連れられて数分歩いた先にあったのは、神殿だった。
...まさかの神殿暮らしですか...。
「あ、いえ、これは確かにファドラの神殿ですが、暮らしてはないですよ?この神殿を抜けた先に私ども神官職のものが寝起きしている家があるのです」
「あ...そうですか。わかりました」
どうやら口に出てたみたいだ。
うぁー、もう恥ずかしっ!
「では、行きましょうか」
笑顔で、オランドゥさんが言う。
うう...その笑顔でちょっと恥ずかしい...。
まぁ、いつまでも気にしちゃいられないし。波音だって助けなきゃいけないんだ。
そう思いながら深呼吸し、歩き出す。
にしても、やっぱり神殿って大きいなぁ...。
あー、携帯もしくはカメラ欲しかったな...。
この光景を写真に収めたかった。
...。でも、やっぱりこの世界が夢であって欲しかったな...。
あんなことになるなんて...。
「アレが私どもの家になります」
「え?あ、はい」
考え事しているうちに着いたみたいだ。
うおぉ...。この家ちょっとうらやましい...。
花が咲いている明るい庭に、結構大きな木の家。軽井沢とかにありそうなログハウスのような雰囲気だ。
「さ、こちらへどうぞ。だいぶFOODメーターも減っていらっしゃるようですし、お茶や何か出します」
「あ、ありがとうございます」
ちょっと恥ずかしいが、かなり減っているのも事実なのでここは素直にその厚意を受け取ろう。
オランドゥさんが僕を手招きし、戸口に立った。
「レヴィア、開けてくれ。お客様だ」
「はーい」
と、ドアを開けて黒い長髪のきれいな女性が出てきた。
「長女のレヴィアです」
「こんにちは」
オランドゥさんの紹介とともに、お辞儀をして挨拶してくれるレヴィアさん。
「えっと、ソラって言います」
こっちも自己紹介しながらお辞儀する。
「レヴィア、お茶を入れてお客様にお出ししてくれ」
「はい」
そう返事してレヴィアさんは家の中に戻って行った。
「さ、どうぞ中へ」
「あ、はい。じゃあ、お邪魔しますっ」
他人の家に入る経験は全くないので緊張しながら入る。
にしても、ここらにある人が隠れられるようなところは全部回ったけど、それでも見つからないなんて...どこに行ったんだ?あのダイスとかいうやつは。
―☆―☆―☆―
「これをどうぞ」
「あ、ありがとうございます」
客間に案内してもらい、座った瞬間にレヴィアさんがお盆の上に、お茶の入ったコップを乗せて、入ってきた。
ていうか、速すぎませんか?
だって、あのお茶湯気立ってるもん。大体、オランドゥさんが言ってから2分と経ってないもの。
...あ、そっか。温めるなら、ファイアーボールとかそういう炎の低級魔法とか使えばすぐなんだ。
とりあえず飲んでみる。
はっきり言って熱すぎないか怖かったけど、ちょうどいい温かさで、おいしかった。
...これ、ハーブティーかな?
なんかミントに似たいいにおいするし。
「では、改めてお礼を言います。娘を救っていただき、本当にありがとうございました」
お茶を味わっていると、オランドゥさんが急に畏まり、言ってきた。
「いえ、別にそんな大したことはしてませんよ。当然のことをしたまでです」
実はちょっと言ってみたかったセリフNo.5に入る。
まぁ、でも、嘘でもない。
だって、大地でもそうしただろうし。
「そして、イシュラ。山へ入るな、とは言わん。ウサギ狩りやシカ狩りもとめん。けれど、モンスターは本当に恐ろしい生き物だ。それはお前も今日、身にしみてわかっただろう?大切な娘を失いたくはないんだ。それだけはわかってくれ」
オランドゥさんが諭すようにイシュラに言う。
...いい親だな。うちの親とは違って。
後書き
中途半端ですが許してください!
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