【完結】剣製の魔法少女戦記
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第五章 StrikerS編
第百十六話 『集まる仲間』
前書き
今回からStrikerS編に入ります。
原作再現が目立つだろうと思いますがよろしくお願いします。
Side 八神はやて
私が部隊を作るという夢を志して、それからもう四年の月日が経ち様々な後ろ盾、協力もあり、私はついに古代遺失物管理部『機動六課』を立ち上げる事ができた。
シャマルと隊舎を見ながら、
「なんやこーして隊舎を見ていると、いよいよやなぁって気になるんね」
「そうですね。はやてちゃん…いえ、八神部隊長♪」
「あはは♪」
部隊長って言われるのに慣れていないから、つい背中がムズ痒くなってきてまうやん。
「でも、驚きました。隊舎の食堂のコックさんに士郎さんとキャスターの二人をねじ込んでしまうなんて…戦うコックさんですか?」
そう、士郎とキャスターの二人を入れるのにはとても苦労した。
この日のために士郎には調理師の免許を取らせたのだからよかった。
もう機動六課の料理長の腕に抜擢されとるしな。
「そうなるな。でもやっぱりここでも士郎は魔導師ランクを2ランク下げなあかんかったから苦労したわ」
「士郎さんはSランクですからAAランクにですか」
「そうや。コックさんだからといって武装隊から出向扱いやから厳しかったわ」
「アインスも連れてこれたらよかったんですけどね…」
「それはしゃーないよ。ツルギ君も子育てもしないといけないから、学校に通うようになるまではアインスは自宅で待機やね」
「他に“スターズ”の隊長のなのはちゃん、副隊長のヴィータちゃん。
次に“ライトニング”の隊長のフェイトちゃん、副隊長のシグナム。
そして“セイバーズ”の隊長のシホちゃん、副隊長のフィアットちゃん。
全員がランクを下げられることになるんですね」
そう、シホちゃん、なのはちゃん、フェイトちゃんが分隊長の部隊を三つも作った。
これを作るにあたってランク振り分けも苦労した記憶がある。
「そや。幸いまだ魔術の方がリミッターがかけられるほど神秘の力が理解されていないんよ。
それで、十全に使えるからシホちゃんと士郎と、後、ユニゾンデバイスのアルトリアさんがうちらの中で今のところ最大の戦力やね」
「サーヴァントの皆さんは…?」
「あんな反則の塊連中にリミッターをかけられると思うか…?」
「思いません…」
「だからな? シホちゃん以上の戦力には違いないわ。私も期待してるんよ。いざって時の貴重な令呪もまだみんな数は残しているしな」
そうなのである。
聖杯大戦でまずシホちゃんとフェイトちゃんと私の三人は使う機会がなかったのか最後の切り札の令呪はいまだ三画とも残ってしまっている。
なのはちゃんと士郎も一画だけの使用なので後、最低でも一回は余裕で使用できる。
機動六課に出向できなくて悔しがっていたアリサちゃんとすずかちゃんも一回だけの使用なので、なのはちゃん達と条件は一緒だ。
「…というかな。教導隊のシホちゃん、なのはちゃん、フィアットちゃんのメンバーを三人も引っ張ってくるのが一番苦労したかもな~」
「そうですねぇ…」
それで私とシャマルはため息をつく。
「でももうそれも解決して済んだ事や。だから後は余計な揉め事さえない限りレリック事件をこのメンバーで追える事になるな」
「戦力としては十分ですよね」
「そうや」
「まぁ、リミッターの話はこれくらいにしておきまして…いい隊舎の場所が見つかってよかったですね」
「そうやな。交通の便がちょう良くないけどヘリの出入りはしやすいし機動六課にはちょうどええ隊舎や」
「なんとなく海鳴市と雰囲気も似てますしね」
「あはは。そういえばそうやな」
「隊長室はまだ机とか届いてないんですよね?」
「リイン用のデスクでええのがなくってな。今はエイミィさんに探してもらってるんよ」
「そうですか。リインちゃんも常時フルサイズでいられたら良かったんですけどね…」
「ま、それはまだ今後の成長具合やな」
これからが楽しみなことが多いな。頑張らな。
◆◇―――――――――◇◆
…機動六課駐機場ではシグナムとヴァイスが話し合っていた。
「ヘリの実機はまだ来ていないんだな」
「今日の夕方には到着っス。届くのは武装隊用の最新型! 前から乗ってみたかったん機体なんでこれがもー楽しみで!」
「隊員達の運搬がおまえとヘリの主な任務だ。お前の腕からすれば物足りなくはあるかもしれんが…」
「いや、なに。ヘリパイロットとしちゃ操縦桿を握れるだけでも幸せでしてね。めいいっぱいやらせてもらうっスよ!」
ヴァイスがいい笑みを浮かべてそう言った。
そうしていると前方の方から一人の女性が走ってくる。
「シグナム副隊長~! ヴァイス陸曹~ッ! アルト・クラエッタ二等陸士、ただいま到着です!」
「ああ、早かったな」
「なんだおめー半年ばかり見ねーうちに背ぇ伸びたか?」
「えへへ、3センチほど」
アルトは元気に答える。
「ヘリはまだ来ていないんですか? あの、JF704式が配備されるって聞いて急いで来たんですよ!」
「まだまだ夕方だ」
「相変わらずだな、アルト。通信士研修は滞りなく済んだのか?」
「はいっ! シグナム副隊長!」
シグナム、ヴァイス、アルトは以前まで同じ部隊で働いていたので顔見知りなのである。
気も知れた友人のようだ。
「ついでにいくつか資格も取ってきました!」
そう言ってアルトは管理局の資格が書かれているIDカードを取り出した。
それをヴァイスは見て、
「うぉ! 生意気な資格が並んでる! アルトのくせに!」
「えへへー…。いつかヘリパイロットのAも取りますよ」
「人員配置の都合で整備員や通信スタッフは新人が多い。お前ももう新人気分ではいられないぞ? しっかり頼むぞ。先輩としてな」
「はいっ!」
と、そこに新たに女性がやってきて、敬礼をしながら、
「こんにちは。失礼します! アルト・クラエッタ二等陸士はこちらに―――…」
「あ…! ルキノさん! おつかれです!」
「どうもお疲れ様です!」
シグナムとヴァイスが誰だという顔をしているのでそれをすぐに察したのかアルトが、
「あ、紹介しますね。通信士研修で一緒だったルキノさんです」
「本日より機動六課『ロングアーチ』スタッフとして情報処理を担当させていただきます。ルキノ・リリエ二等陸士です!」
「前所属は次元航行部隊で艦船アースラの事務員だそうで」
「ほう…アースラか。アースラには昔には幾度か大変なお世話になった。艦長のクロノ提督はご健勝か?」
「はい! 今はアースラを降りてXV級新造艦の艦長をされています」
「そうか。お前達の上司については聞いているか?」
「はい……通信主任のシャリオ・フィニーノ一等陸士と…」
「指揮官補佐のグリフィス・ロウラン准陸尉ですね」
アルトとルキノはそう答える。
「おう。そのお若い准陸尉殿とメカヲタ眼鏡の一等陸士がお前らの直接の上司だ。まぁロングアーチのトップは八神部隊長だがな」
「「はいっ!」」
「二人は今後コンビで通信管制や事務作業をしてもらうことになる。
シャリオが戻るまで二人で隊舎の中でも見回っているといい」
「「はい!」」
それで二人は出て行くがアルトがヴァイスに振り返り、
「ヴァイス陸曹。ヘリが到着しましたら…」
「あー通信で呼んでやるよ」
それで今度こそ二人は出ていった。
そんな姿を見てヴァイスは、
「大丈夫なんすかねぇ? あんなガキどもで」
「入隊したてのお前を見て私はまったく同じ感想を持ったものだよ。なぁ八年目?」
「いや、シグナム姐さん。それは言わねー約束で…。ところでセイバーズの隊長ですけど…」
「シュバインオーグの事か? どうしたんだ?」
「いや、俺は尊敬しているんスよ。シホさんのこと。“魔弾の射手”という異名がつけられているくらいっスから射撃の腕はかなりありますし。
それに以前ラグナを立てこもり事件で助けてもらいましたしね」
「ああ。私もデバイスは弓形態があるがシュバインオーグには到底及ばないな」
「早く会いたいッスね。久しぶりに弓の腕を見させてもらいたいんですよ。彼女の腕は神クラスですから」
「そうだな。出向してくればいつでも会えるから今のうちに仲良くしておくのも一つの手だな」
「うっす! それにシホさんは管理局人気ランキングでなのはさんと同等ですから一緒に働ける整備員達は楽しみにしているんすよ?」
「…そ、そうか。シュバインオーグがな。本人が聞いたら微妙な顔をするだろうが…」
シホの真実を知っているシグナムは思わずシホに同情をした。
やはりシホは魅了の効果を持っているのだな。と、思ってもいた。
一方、シグナム達と別れたアルトとルキノは隊舎の中を歩きながら、
「隊舎内広いですね」
「ちょっと古い建物らしいですけどね。…ん? ルキノさん。どうかした?」
二人の視線の先では小さい人形のような子が浮いていたのだった。
二人は思わず、
「「か、かわいい…」」
と、呟いていた。
「なに、あの子! 誰かの使い魔とか!?」
「そうかも! あんなちっちゃい子は初めて見るけど!」
それで二人で色々言い合っているとその少女が話しかけてきて、
「あーお疲れ様です。クラエッタ二等陸士とリリエ二等陸士ですね」
「はいっ…」
「え、あ…」
「二人のお話はシグナムやフェイトさんから伺っているですよ。
はじめまして。機動六課機動六課部隊長補佐及びロングアーチスタッフ。リインフォースⅡ空曹長です!」
それで二人は上司だということを悟り、
「「し…失礼しました!」」
「あーいいですよ。そんなに固くならなくて。私のほうが年下ではありますしロングアーチスタッフ同士仲良くやれたらうれしいです」
二人して、
「「あ、ありがとうございます…」」
「はいです」
「『アルト』の事はシグナムによく聞いてたですが私のことは聞いてなかったです?」
「あの、ご家族に『リイン』という小さな末っ子がいるとは伺っていたんですが、まさか、その…こんなに小さいとは……」
「あははーシグナムらしい説明不足さです。あ、それと私以外にもセイバーズのシホさん…シュバインオーグ教導官にも補佐でアルトリア空曹長がいますから後で会っておいたほうがいいです」
「リイン空曹長以外にもこんなに小さい人が!」
「早く会いたい! それにシホさんってあの教導隊の“魔弾の射手”の人ですよね!」
「わー! 憧れですねー!」
◆◇―――――――――◇◆
管理局市民窓口センターでは三人の男女の子達がIDカードの更新を行っていた。
「エリオ・モンディアルさん」
「はい!」
「ラン・ブルックランズさんにレン・ブルックランズさん」
「「はい!」」
三人は呼ばれて窓口まで向かっていき、
「三人ともIDカードの更新ですよね。
エリオ・モンディアルさんの更新事項は武装局員資格と魔導師ランク陸戦B。役職は陸士研修生改め三等陸士。
同じくラン・ブルックランズさんとレン・ブルックランズさんは同じく武装局員資格と魔導師ランク陸戦B。二人共役職は陸士研修生改め三等陸士。
お間違いないですか?」
「はい!」
「大丈夫です!」
「だ、大丈夫です」
エリオ、ラン、レンの順に答える。
ランはともかくレンはやはり少し気弱なイメージがある。
「ではこちら正規の管理局員としての新しいIDカードです」
「「「はい。ありがとうございます!」」」
それで三人はカードを受け取ると、
「でもランさんとレンさんと一緒に卒業できてよかったです」
「うん!」
「う、うん…シホさんの役に立ちたいから…でもやっぱり部隊に入るのは緊張するね」
「レン、何を言っているのよ。シホさんの役に立ちたいから管理局に入ったんでしょう? 一緒に住むようになったことだしもう遠慮はしないでって言われているじゃない?」
「…そ、そうだけど、ラン姉さんはもっと遠慮を覚えたほうがいいよ?」
「あんたはもっと強気になりなさい」
ランとレンが二人で言い合う。
それをどう止めたらいいかとエリオが迷っているとシャーリーがそこにやってきた。
「エリオ。ランにレンも!」
「あ、シャーリーさん!」
「三人とも更新は終わった?」
「「「はい」」」
「ふっふっふっ…それじゃまずはエリオの方からフェイトさんからお祝いメッセージだよ」
画面が出現し、そこにはフェイトとランサー、アルフ、アリシアが映っていた。
『エリオ。正規採用おめでとう』
「フェイトさん!」
『あたしとアリシアとランサーもいるぞ!』
「アルフ! アリシアさん! ランサーさん! あれ? でもフェイトさんとランサーさんはお仕事じゃ? アリシアさんも魔術事件対策課で、それにアルフも…」
『今は食事休憩中』
『俺もマスターの使い魔だから休憩中だ』
『あたしはちょっとおつかいがあってな』
『私はエリオの祝福のためならいつでも駆けつけるよ!』
四人が一斉に話をしてくる。
『エリオのことだから大丈夫だと思ってはいたけど試験も研修も無事に終わってよかった』
『頑張ったなー』
『ねー♪』
『おう! 頑張ったなエリオ』
「ありがとうございます!」
『出会った頃はあんなちっちゃかったエリオがもう正規の管理局員なんて…私はなんだか感慨深いやら寂しいやらだよ』
「すみません、フェイトさん…」
『なんで謝るの? いいんだよ。エリオが選んだ夢なんだから』
「はい…」
『元気出せ少年!』
「は、はい、アリシアさん!」
『私との約束もエリオはちゃんと守ってくれるもんね』
「友達や仲間を大切にすること。戦うことや魔法の力の怖さと危険を忘れないこと。どんな場所からも絶対元気で帰ってくること! ですよね!」
『そうだよ。六課では同じ分隊だから来月から私や新しい仲間達と一緒に頑張ろうね!』
『俺が槍使いの心得をじっくりと教えてやるぜ!』
「はいっ!」
『それと、ランとレンもこれからもエリオと仲良くしてやってね。同じフォワードの仲間なんだから』
「わかりました!」
「は、はい…!」
フェイトに話を振られてランとレンは返事をする。
『うん。それじゃシャーリーはこの後は?』
「三人とは訓練校に挨拶に行くので付き合ってそれから六課の隊舎に行きます。それとランとレンは挨拶後に一回シホさんの自宅に帰るそうです」
『そっか』
「フェイトさんとなのはさん、シホさん達のお部屋とかデバイスルームの最終チェックとか色々とやることが山積みでー♪」
『ありがとう、よろしくね。それじゃエリオ。本当におめでとう』
「ありがとうございます!」
『あたしとアリシアで今度お祝いしてやっからなー』
『楽しみにしていてねー』
「あはは…ありがとアルフ、アリシアさん」
『エリオ、また六課でな!』
「うん、ランサーさん!」
それでフェイト達との通信が切れる。
◆◇―――――――――◇◆
通信を切った後、フェイト達四人は、
「でも、フェイトもすっかり保護者だよねー」
「うん。育てるのも楽しいし…」
「でもエリオはフェイトと同じで…」
「…うん、そうだね。でもいいんだ。そんな事は関係なく私はエリオが大好きなんだから」
「立派な女に育ったな、マスター。今なら付き合ってもいいぜ?」
「も、もう…ランサー、からかわないでください!」
「俺はこれでも真剣だぜ…?」
「えっ…?」
なにやらいい雰囲気になるがそこでアルフが横槍を入れてくる。
「おっとランサー。あたしの目が黒いうちはフェイトとの交際は許さないよ?」
「番犬が…やるか?」
「いいぞ!」
「ちょ、ちょっとアルフもランサーもやめて…アリシアも笑っていないで止めて…」
「あはは。いいじゃない、フェイト。本気でやるわけじゃないんだから!」
「そうだよ。戯れじゃないか、フェイト」
「ふっ…そうだな。それよりエリオの坊主はまだ六課には合流ってわけじゃないんだよな?」
「うん。まだ出向研修の日程が残っているんだって。
…うーん、でも今の日程だとエリオとキャロの初顔合わせに私は立ち会えそうにないのが残念だな…」
「そーか。キャロも保護隊から陸士研修の日程があるもんね。まぁあの二人ならきっと仲良くなれるよ」
「そうだな。同じ年齢なんだし色々と二人で支えあえると思うぜ?」
「ランサーの言い分に賛成だね。…あーあ、でも私も六課に出向したかったなぁ…」
「アリシアは魔術事件対策課のエースなんだから頑張らないとなー」
「そうだね。シホの出向中はレリック事件捜査でなかなか顔出しができないと思うし…それに、隻眼の男の捜査もしないといけないしね。
アリサが絶対に捕まえると言って気炎を上げているよ」
「魔術事件を引き起こす人が話す共通の人物だよね。
分かっているのは右目が隻眼だけという事しか分かっていない謎の魔術師…」
「俺もそっちが気になるが、シホの嬢ちゃんと前にあった時に聞いたがどうにもきな臭く嫌な予感がするらしい。
どんな魔術が使えるのかも教える魔術はバラバラで分かっていないからな…」
「不安だなー…」
「ま、今から焦っても捕まえられるわけじゃねーし、キャロの話だったんだからそれで楽しもうぜ?」
「そうだね」
「うん!」
「おう!」
四人が今話題にしているキャロはというと、
◆◇―――――――――◇◆
Side キャロ・ル・ルシエ
私、キャロ・ル・ルシエは使い魔の飛竜フリードと一緒に保護隊のミラさんとタントさんとお別れをしていた。
「じゃあキャロ。忘れ物はないね?」
「はい。本当にお世話になりました」
「あー、いざ行っちゃうとなると寂しいもんだね」
「ミラさん…」
「キャロにはずっといてほしかったよー…」
ミラさんがそんな事を言い出す。
そう言われちゃうと私もまた涙が出てきてしまう。
「おいおい。キャロの保護者の方がいる部隊に行けるんだし…こんな山奥から都会の陸士隊に栄転でもある。華々しい門出じゃないか」
「タントさん…」
そう、フェイトさんの役に立てる仕事ができるんだ。
「あの…私、保護隊でお世話になってお仕事させてもらって、本当に楽しくて…」
「あたしも楽しかったよ。キャロはまだまだちっちゃいけどさ。
一人前の魔導師になれるようにいつか大好きなフェイトさんのこと助けてあげられるようにって…。
いつも一生懸命頑張ってたこと、あたしやタントはちゃんと知ってる…。キャロはもう保護隊員として一人前だからさ。
陸士も魔導師もきっとしっかりとやってけるよ。頑張っておいで!」
「ありがとうございます。頑張ります…ッ!」
「じゃあ行っといでキャロ。気が向いたらいつでも帰っておいで。もちろん仕事は手伝わせるけどね」
「ありがとうございます。行ってきますっ!」
それでミラさんとタントさんの二人と別れて私はフリードと一緒に旅立ちました。
フェイトさんが待っている。だから私は頑張れるんだ。
◆◇―――――――――◇◆
陸士386部隊隊舎でなのはとヴィータが災害担当部・配置課の応接室で担当の人と話し合っていた。
「ナカジマ二等陸士とランスター二等陸士はどうですか?」
「ええ。二人共うちの突入隊のフォワードです。新人ながらいい動きをしていますよ。
二年間で実績もしっかりと積んでいますし、いずれそれぞれの希望転属先に推薦してやらんととは思っていましたが本局から直々のお声がかりとはうちとしても誇らしいですなぁ…」
それから色々と話は交わされていき、
「…まぁ、航空教官のヴィータ三尉や戦技教導隊の高町一尉がご覧になれば穴だらけだとは思いますが…」
「いえ、いい動きをしていると思います。将来有望ですね」
「そうですか?」
「はい。二人には時期を追って接触したいと思います」
「あの二人はまだまだ伸びますからよろしくお願いします」
「はい。任せてください」
それでなのは達の話は終わった。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・S・高町
家に帰るとすでにランとレンが帰っていた。
「あ、おかえりなさい。シホさん!」
「お、おかえりなさい。シホさん…」
「うん。ただいま二人共」
アルトリアもアンリミテッド・エアの中から出てきて、
「ただいま帰りました」
「奏者とアルトリアよ、今帰ったか」
「ネロもただいま」
「うむ、ところでもう食事は作ってあるぞ。余が直々に調理したのだから感謝しながら食うがよい」
「また大きい物言いですね、ネロ…」
そうだね。ネロももうすっかり家で料理をする側になっちゃったから私が料理をする機会が減ったのよね。
初めて食したときはあまりの味にきりもみ回転をした苦い覚えがあるけどね。成長するものね。
ま、私が作った時はみんな美味しそうに食べてくれるけどね。
「それより、二人共。陸士研修生から三等陸士に上がって魔導師ランクもBに上がったそうね。遅ればせながらおめでとう」
「はい!」
「が、頑張りました…!」
「それにしてもランとレンは生まれてくる性別を間違えたのでないか? まるでレンは女子のように気弱だな」
ネロがそんな事をいいだす。
それに対してランが、
「レンはいつまでも泣き虫ですから…」
「ランも少しお淑やかになった方がいいですね」
「いいんです。私はこれでもう進んでいきますからー」
あらら。ランが不貞腐れちゃった。
「それじゃ二人共。他の四人のフォワードメンバーに遅れを取らないように私が直々に教える魔術の授業、そして六課では魔導の勉強を頑張るのよ」
「はい!」
「が、頑張ります…!」
うん。いい返事。これなら大丈夫かしらね。
◆◇―――――――――◇◆
Side 八神はやて
まだ隊舎暮らしではないので家に帰るとヴィータ達が私を迎えてくれた。
「はやて、お帰り!」
「おかえりなさい、我が主」
「うん、ただいま!……………みんな、あと少しで機動六課が完全起動する。だから最後まで付き合ってな!」
「問題ないです。我らはどこまでも主はやての下についていきますから…」
「うん。ありがとな!」
想いを馳せながらも私はまた幸せを噛み締めていた。
後書き
士郎を戦うコック長にしました。
サーヴァント勢もネロ、ランサー、オリヴィエ、キャス狐と半分はいることだしこの機動六課は隙がないぞ!
そして“セイバーズ分隊”というスターズ、ライトニング、ロングアーチに続く四つ目のオリジナル分隊を作りました。
当然といえば当然ですがエリオは槍使いとして、そしていい兄貴分としてもランサーに憧れの念を抱いています。
キャロは原作とそんなに変化はありません。唯一いじらなかったキャラです。
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