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ブリティッシュ=バンド

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第六章

「その下手な作詞を書いた自分自身を恥ずかしくも思わせてやるさ」
「言ってくれるな、おい」
「言うさ、悔しかったな」
 それならというのだ。
「俺以上の歌詞書いてみろよ」
「ああ、そうやってやるからな」
 ブライアンは対抗心をむき出しにしてクラークに返した。
「見ていろよ」
「ああ、ぶつかってやるさ」
 二人はまさに激突していた、そしてマックローンとローズもだ。
 互いに譲らない、それぞれの歌詞と楽譜を見せると今度はだった。
 四人共、今度は歌詞も作曲もどっちもぶつかった、そのうえで言い合うのだった。
「おい、そんな歌詞でいいと思ってるのか」
「何だ、その曲は」
「御前そんな歌詞で今までやってこれたのか」
「その曲何だ」
 クラークもマックローンもブライアンもローズもだ、他の三人に言う。 
 そしてジュースを飲みながらさら激突していく。
「御前の歌詞はそこは駄目だ」
「その曲はここをこうしろ」
「こんな歌詞がバラードに合うか」
「この曲はロックだろ」
 お互いにずけずけと言い合い衝突もし合ってだった。
 朝まで言い合いペンまで動かして歌詞も楽譜も書いていく、そうして朝になった時に。
 マックローンは血走った目でだ、こう三人に言った。
「おい、朝だぜ」
「ああ、そうだな」
「朝だな」
「あっという間だな」
 三人もこうマックローンに返す、見れば四人共目は血走っているがそれでも気力は衰えていない、無論体力もだ。
 それでだ、こう言うのだ。まずはマックローンだった。
「今からバイト行って来るからな」
「ああ、俺もだ」
「俺もだよ」
「俺も今日はな」
 他の三人もだった、この日は朝からバイトだった。
 しかしそれでもだ、四人共こう言う。
「バイトから帰ってからな」
「また話すからな」
「御前等の歌詞も曲もどれも駄目だ、変えさせてやる」
「それはこっちの台詞だ」
 四人共お互いを睨んでそのうえで言い捨ててだった。
 仕事に出た、そして帰ってからもだった。
 とにかく音楽について言い合い、作詞と作曲をしていった、それぞれの音楽をぶつけ合ってそうして作詞も作曲もしていった。
 それで出来た音楽を社長に見せる、すると社長はこう四人に言った。
「どの歌詞も曲もいいな」
「ああ、そう言うんだな」
「おっさんも」
「どうしたんだ、こんないいのばかり持って来てな」
 社長は自身のソファーと向かい合って座る四人に笑顔で告げた。
「これまでは何かそれぞれの個性だけだったがな」
「こいつ等が色々口出ししてきたんだよ」
 マックローンが忌々しげな顔で左右の三人を見回して社長に答えた。
「本当にな」
「それでこの歌詞と曲か」
「ああ、そうだよ」
「俺もだ」
「俺もな」
「俺もそうだったよ」
 ローズ、ブライアン、クラークも社長にそうだと言う。
「全く、こいつらあれこれと言ってきてな」
「俺の何処が悪い、そこが駄目だと言ってな」
「それでずっと喧嘩し合ってだったんだよ」
「それでこういったのが出て来たのか、そうか」
 社長は四人の互いに睨み合っての言葉に顔を崩して笑った、そして言うのだ。 
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