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妖精の十字架

作者:雨の日
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~It works together④~

「今のところ目立った問題はない。ただ・・・」

「ただ?」

俺は一歩詰め寄り頼み込んだ

「ヤムルという男の情報をくれないか?」

「それは・・・」

まぁ、ふつうは無理だろう。なんせ、信用がモットーのオークションだ
しかし

「こちらがその資料です・・・」

目は合わせずに紙を差し出してきた

「!?良いのか?」

「私は何も知りません。ただここに紙があるだけです」

俺は苦笑いを浮かべて紙を受け取り、ミラと一緒に見る

『ヤムル・ラート。資産入手ルートは不明。背後になんらかのギルドが控えている模様』

簡単な情報しかなかったが、これだけでも大きな収穫だ。得に、資産ルート。これが不明ってことはかなり匂う

「ありがとう。後は俺らの仕事だな」

「お願いしますね」

俺とミラは再び甲板へと向かった




ナイフがちらつく

「なぁ、あの二人組は何もんだ?」

「た、ただの貴族様です!」

胸倉をつかんで持ち上げる

「トボケんな?どこの令嬢だ!アァ!?」

こ、個人情報です!とだけ言うと、胸倉をつかんでいた手が離される

「ごほっごほっ!」

「まぁいいや。話を変えよう」

「・・・?」

「宝物庫はどこにある?」

月に照らされたナイフが光を反射してヤムルの顔を怪しく照らした






『みなさま!これよりオークション第二弾とまいりましょう!』

司会がマイクをとる

「・・・ミラ」

「ん!?・・・んっっと。もう~?」

嫌そうな顔をするなよ・・・

「ミラ、仕事優先だ」

「ちぇ~」

しぶしぶ席に着いた
俺はいったん周りを見渡した。しかし、ヤムルの護衛が見当たらない。本来、護衛はどんな理由があろうとも護衛担当から離れることはない。ましてや、ヤムルほどの貴族から離れるなど、ありえない

「・・・ミラ、ヤムルを見張れ」

「うん・・・」

ミラも気がついていたようだ
俺は一般客。ミラはヤムル。と持ち場が決まったところでオークションが始まった

『では最初の商品―――』

しばらく商品が続いたがヤムルは何もいわず、ただただ座っていた
不審に思ったその時―

「!?」

船底から魔力が感じられた

「ミラ!?」

「えぇ!感じたわ!行きましょう!」

俺とミラが立ち上がろうとしたその時、体がいきなり重くなった

「~~ッ!」

重力系の魔法。とっさにそう判断した
なんとか動くヤムルの方を見るとさっきまでいなかった護衛の魔導士がいた
なぜ俺らに魔法を掛けたのか。俺らが魔導士だということは絶対にばれないし、だとしたらほかに思い当たる節がない

『では続いての商品!』

「6000万」

司会者が言い切る前にヤムルが声をあげた
俺は声もでない状態

『ほ、ほかにおりませんか!?』

居るはずもない。そしてヤムルが落札となる
そのとたんに俺とミラにかけられていた魔法が解除された

「・・・俺らの邪魔ってわけか」

「そこまでしてほしかったのね」

一呼吸おいて、ミラとアイコンタクトして、それらしい立ち振る舞いで船室に向かい、船底での騒動にそなえ着替えをとりにいくことに

船室をあけはなすと、ケビンが口から血を流して倒れていた

「大丈夫ですか!?」

ミラが駆け寄る。俺は近くにだれもいないことを確認してから扉を閉めた

「う・・・。お二人とも、船底にお急ぎください・・・闇ギルドが、、ヤムルの・・・」

そこまで言って気を失った

「ミラ、急いで着替えるぞ」

「えぇ!」

俺は黒い長ズボンに足を通して、黒い七分丈の服を着る。俺の普段の戦闘ぎ、黒一式の格好だ

「・・・行くぞ」

ミラは普段着ている服装に着替え終えていた

「えぇ!」







つか、船底に行くの難しすぎるだろ・・・
俺が感じざるを得なかったことだ
今俺らがいるのは鉄の扉の前。どうやらぶち壊すわけにもいかないようで、パズルを解かなければいけないようだ

「えぇっと・・・すまん、俺これむりだ、ミラ頼めるか?」

「はいはーい!なになに?」

『吹奏楽・道路・借金にはあって机・ペン・家にはないもの』

そうかかれた札が一枚と、パスワードを入力するためにボードがあった

「あ!わかった!」

そう言ってミラはすらすらと問題を解いていく。なぜこんなパスなのか理解に苦しむが、今はおとなしくしたがおう
そして、次々とミラが問題を答えていった



「っと、ようやく到着か・・・」

「遅かったじゃないか?」

背後、いや、上から声が聞こえた

「・・・誰だ」

ふっっと笑って深くかぶったカウボーイハッとを持ち上げて、男が顔を表す

「私は狩人の巣の一員。盗み専門のボロ以後お見知りおきを。ちなみにここの部屋にあった財宝は全て私がいただいた。異空間に」

「よくしゃべるな・・・。名乗られたのならば俺も名乗るとしよう俺はクルス。妖精の尻尾だ」

「知っているさ。隣にいるのはミラジェーンかな?」

ボロが話している間に右手に魔力を集めた

「ふんっ!」

収束した魔法を一直線に打ち出す

「おぉっと。危ないじゃないか・・・」

「はぁッ!」

大きく跳びあがり、背後をとる。そして、背中に拳を叩き込む

「ぐぅッ!!」

地面にまっすぐ堕ちるボロ。しかし、次の瞬間

「時間だ」

「!?ミラ!急いで上に―――」

気づいたときにはもう遅かった。突然上から大量の魔力を感じた。と同時に悲鳴が

「クルス!」

「わかってる!急いで上に行け!こいつは俺がやる!」

ミラは力強くうなずき走り出した

「・・・おやおや、いいのかな?狩人の巣全員相手に女性一人で」

「なに言ってやがる。お前を一瞬で葬ればすむ話だ」

ふふふと不敵な笑みが聞こえてくる
そう、聞こえてきたのだ

「残念だなぁ。私はもうここいはいない。思念体さ」

その言葉と同時に、床にいつの間にか書かれた魔法陣が光りだした

『さぁ、生きて上にこれるかな?』

そう言って消えていった

「・・・舐めてくれるな」

目の前には大量の魔物が現れた
一体一体の魔力がs級物だ。そいつが、ざっと20。・・・・・余裕だな 
 

 
後書き
途中出てきた問題、わかるかな?

次回はようやく戦闘です! 
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