ハイスクールD×D混沌竜のドラゴンスレイヤー来る!!
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第4話 はぐれ悪魔の討伐とジオの力
前書き
ジオの実力をリアスたちに見せ付けます。
あれから数日経ち、俺とイッセーは部活動、悪魔の仕事を懸命にやっていた。チラシ配りから始まり、それが終わって契約を取りに行くようになった。イッセーの契約相手が変な人ばかりと聞いたので俺はイッセーに同情した。
放課後
「二度と教会に近づいたらダメよ!」
ある日俺は買い食いをして遅れて部室に顔を出すと、何故か部長がいつになく険しい表情でイッセーを怒ってた。
「祐斗、なんで部長イッセーに怒ってんだ?イッセーがなんかしたか」
俺は、近くにいた祐斗に聞いてみた。
「どうやら、兵藤君、道に迷ったシスターを教会近くまで案内したらしいんだ。それで、部長は怒ってるみたいなんだ。」
「へぇ~、それが何か問題でもあるの?ただの人助けじゃん」
その声が聞こえたのか、部長はこっちを見て俺をキッと睨んだ。
「いい、ジオ、イッセー、よく聴きなさい。協会は私たち悪魔にとって敵地。踏み込めばそれだけで神側と悪魔側の間で問題になるわ。今回はあちらもシスターを送ってあげたあなたの厚意を素直に受け止めてくれたみたいだけど、天使たちはいつも監視しているわ。いつ、光の槍が飛んでくる かわからなかったのよ?」
(光の槍か・・・この前の堕天使の奴のはまあまあだったけど、天使の方如何なんだろう?)
ジオはアホなことを考えていた。
「協会の関係者には、近づいてはダメよ。特に『悪魔祓い』は我々の仇敵。神の祝福を受けた彼らの力は私たちを滅ぼせるほどよ。なかには、神器持ちもいるの。もうそれは死と隣合わせと同義なの」
部長の目から凄まじいまでの眼力を感じる。真剣だなこれは。
「人間としての悪魔への転生で免れるかもしれない。けれど、悪魔祓いを受けた悪魔は無に帰されるの。無。何もなく、何も感じず、何も出来ない。それがどれだけのことかあなたは達はわかる?」
リアスは言いたい事を言ったのか少し息を整えた。
「ごめんなさい。熱くなりすぎたわ、とにかく、今後は気をつけてちょうだい....どうしてもの時は、ジオに頼みなさい」
部長のセリフに俺は納得した。たしかにこの部で人間は俺だけだからな。
人間を悪魔に転生するための駒、悪魔の駒、部長の持つ残りの駒で俺は悪魔になるはずだった。しかし、残りの駒で悪魔に転生できなかった。部長も想定外だったためか驚いていた。
その後部長から転生はしばらくできないと宣告された。すごくおちこんだが皆に励まされた。部長は実家に連絡してなんとかしてもらうといい俺に言った。
「ジオ、残りの駒ではあなたを悪魔にすることができなかったけれど、それはあなたの潜在能力がそれだけ高い証拠なの。それは凄いことよ。自分に自信を持ちなさい」
そんなわけで俺だけ今だ人間なのだ。
「あらあら、お説教はすみましたか?」
朱乃先輩が入ってきた。
「朱乃、どうかしたの?」
「討伐の依頼が大公から届きました。」
はぐれ悪魔とは・・・爵位持ちの悪魔に下僕としてもらった者が主を裏切り単独行動するいわば野良犬。
はぐれ悪魔は見つけ次第消滅するのが悪魔のルールだそうだ。
これは、他の勢力でも危険視されていて、天使や堕天使側もはぐれ悪魔がいたらみつけしだい殺すよう命じられてるらしい。
部員一同でとある廃墟にきた。討伐する対象は毎晩ここで人を誘き寄せて人を食べるはぐれ悪魔だ。
「これは・・・」
「・・・血の臭い」
鼻の良い俺と子猫はすぐに臭いに気付いた。子猫は血の臭いで嫌そうな顔をした。
廃墟内に入り悪魔を探し出した。
「イッセー、ジオ、いい機会だから悪魔の戦いをしっかり見ておきなさい。ついでに下僕の特性を説明してあげるわ。」
「「特性?」」
「悪魔、堕天使、天使の三つ巴の関係は前に説明したわね。長い戦いの中でどの勢力も疲弊しやがて戦争は勝者がでないまま終結したの。悪魔も多くの純潔を失い多くの軍団を率いていた爵位を持った大悪魔も部下の大半を失ってしまったの。そこで始まったのが少数精鋭の制度。それが悪魔の駒」
「悪魔の駒それって悪魔に転生できる駒ですよね」
ジオはリアスに聞いた。
「ええそうよ、ボードゲームのチェスは知っているわね。チェスの駒には王、女王、騎士、戦車、僧侶、兵士と六つ駒がありそれぞれ特性が異なるの。これと同じように下僕悪魔にそれぞれ特性を授ける事で少数でもより強大な力を発揮できるようにしたの」
リアスは説明しながらドアを開けて、はぐれ悪魔を探す。
「今では悪魔の駒を使ってその強さを競うレーティングゲームが爵位持ちの間で流行しているわ」
「レーティングゲーム?」
「簡単に言えば下僕を駒にして実際に戦う大掛かりのチェスね。でもこれが地位や爵位に影響される程になっているの。いずれ私達もでることになるから」
リアスは目の前の部屋に立ち止まった。その部屋からは濃い血と腐臭の臭いがした。
リアスは扉を開け中に入った。俺達もそれに続く。
「不味そうな臭いがするぞ?でも美味そうな臭いもするぞ?甘いのかな?苦いのかな?」
暗闇の中声が聞こえた。
「はぐれ悪魔バイザー。あなたを消滅しにきたわ」
リアスが一切臆さず、声高らかに宣言すると。
ケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタケタ・・・・・・。
そして、暗闇の中から上半身裸の女が現れた。しかし、体は宙に浮いている。
ずんっ。
重い足音を響かせ、現れたのは上半身は裸の女で下半身は化け物の異形の化け物。
体長四メートルはある体躯、両手に槍っぽいのを持ち、爪も鋭い。尾は蛇だが、よく見ると独立して動いている。
「主のもとを逃げ、己の欲求を満たすためだけに暴れまわるのは万死に値するわ。グレモリー公爵の名において、あなたを消し飛ばしてあげるわ!」
「こざかしぃぃぃ!小娘ごときがぁぁ!その紅の髪のように、おまえの身を鮮血で染め上げてやるわぁぁぁぁぁ!」
バイザーが突っ込んできた。
「雑魚ほど洒落のきいたセリフを吐くものね。裕斗!」
「はい!」
返事と共に隣にいた祐斗は駈け出した。
「イッセー、ジオ。さっきの話の続きをするわ」
後ろでリアスが説明をしだした。
「裕斗の役割は騎士、特性はスピード。騎士となったものは速度が増すの」
リアスが説明する中、祐斗はさらに速度を増して化け物を撹乱し始めた。化け物は槍を振るうが祐斗に掠りもしない。
「!速え~~」
祐斗は足を一旦止めるといつの間にか両手には西洋剣が握られていた。
「そして、裕斗の最大の武器は捉えきれないスピードと、達人級の剣さばきから繰り出される高速の剣撃」
スッ。
再び祐斗が加速し化け物の両腕を切り裂いた。
ズパン!
「ぎゃぁぁぁぁああああっ!!」
敵の悲鳴が木霊し、両腕から鮮血が飛び散る。
「これが裕斗の力。目では捉えきれない速さと、達人級の剣さばき。ふたつが合わさることで、あの子は最速の騎士となれるの」
悲鳴を上げるバケモノの足元でいつの間にか小猫が立っていた。
「次は小猫。あの子は戦車。戦車の特性は―――――」
「小虫めぇぇぇぇぇっっ!!」
ズズンッ!
バイザーが巨大な足で小猫を踏み潰す。が、完全に踏み潰していない。
「戦車の特性はシンプル。バカげた力。屈強なまでの防御力。無駄よ。あんな悪魔の踏みつけぐらいでは小猫は潰せないわ」
グンッ!
小猫は完全にバケモノの体を見ち上げ退かした。
「・・・ぶっ飛べ」
ズドンッ!
バイザーのどてっぱらに拳を打ちこみ、壁に激突した。
(すげ~怪力、こんど腕相撲でもしてみるか)
「最後に朱乃ね」
「はい、部長。うふふふ、どうしようかしら」
「朱乃は女王。私の次に強い最強の者。兵士、騎手、僧侶、戦車、すべての力を兼ね備えた無敵の副部長よ」
「ぐぅぅぅぅ・・・・」
朱乃を睨みつけるバイザー、朱乃はそれを見て笑みを浮かべた。
「あらあら。まだ元気みたいですね?それなら、これはどうでしょうか?」
そういって朱乃が天に向かって手をかざす。すると――――
カッ!
雷光一閃。天から降り注いだ雷がバケモノに落ちた。
「ガガガガッガガガガッガガガッッ!」
それを受けて、バイザーは激しく感電し。黒焦げになった。
「あらあら。まだ元気そうね?まだまたいけそうですわね」
カッ!
再び雷がバイザーを襲う。
「ギャァァァァァッッ!」
それを受け、また声をあげる。しかし・・・・
「グァァァァアアアアアッ!」
三発目の雷が降り注いだ。
(・・・もしかして朱乃先輩って)
「朱乃は魔力を使った攻撃が得意なの。雷や氷、炎などの自然現象を魔力で起こす力ね。そして何よりも彼女は究極のSなの」
(やっぱりか~~~~!!)
俺は心の中で絶叫した。
隣ではイッセーが怯えていた。しかたない俺も少し引くし。
俺達の様子を見て部長がいった。
「怯える必要はないわ、二人とも。朱乃は味方にはとてもやさしい人だから問題ないわ。あなた達のこともとてもかわいいと言っていたわ。今度甘えておあげなさい。きっとやさしく抱きしめてくれるわよ」
「うふふふふふふ。どこまで私の雷に耐えられるかしらね?ねぇ、バケモノさん。まだ死んではダメよ?トドメは私の主なのですから。オホホホホホッ!」
朱乃は笑みと共に笑いながらバイザーをいたぶっていた。
「もの足りませんがトドメは部長におまかせしますわ」
もはや消し炭といっていいほど黒こげかしたバイザーから朱乃は離れた。その顔はツヤツヤとしていた。
完全に戦意の失ったバイザーにリアスは歩きだし、地面に突っ伏すバイザーに右手をかざした。
「最後に言い残すことはあるかしら?」
リアスが訊くと。
「殺せ」
バイザーの小さく声を発する。
「そう、なら消し飛びなさい!」
冷徹な一声。その低く冷たい声でイッセーは震えあがっていた。
ドンッ!
リアスの掌から大きくどす黒い魔力の塊がバイザーを飲み込み一瞬で消滅した。
イッセーはあまりの事に驚いていたが、俺としては驚くに値しなかった。理由は最初の親たる混沌竜カオスードだ。
(カオスードは軽く放ったブレスで山を五つも消し飛ばしたしな、俺の感覚がおかしいのかな?)
そんな事を考えながら部長とイッセーの会話聞いていた。イッセーの役割は兵士だそうだ。イッセーおちこんでいた。
(イッセーの奴、兵士の特性を知らないのか?―――!)
ジオは朱乃の後の壁から濃い血の臭い察知してとっさに走って朱乃を抱きかかえ跳んだ。
バァッ
「!?きゃっ、ジオ君突然なにを―!!」
ドゴァン!
いきなりのことに朱乃は困惑したが、ジオが跳んだ後すぐに巨大な腕が壁を突き破り打ち壊した。
部長達も突然の事に硬直したがすぐにイッセーを除いてみんな構えた。
「すいません。突然あんなことして」
ジオは朱乃を降ろして謝罪した。
「あらあら、助けていただいたんです、感謝はあっても文句はありませんわ////」
朱乃は若干頬を赤くして礼を言った。
「ちっ、隙を見て一人始末しようとしたが、一人勘がいいのがいたか」
煙が晴れていきその姿があらわになった。さっきのバイザーより小さいか体調三メートルの体躯をしていて、下半身は熊の様に太く毛皮に覆われ爬虫類の様な尻尾を生やしている。そしてひときわ目立つのはその両腕、まるで大木のようなでかさと装甲に覆われていた。
「まさか、もう一体はぐれ悪魔がいたのね。しかも不意を衝いて私の下僕を亡き者にしようなんて万死に値するわ」
リアスははぐれ悪魔に右手を向けた。どす黒い魔力が掌に集まりだした。はぐれ悪魔も身構えた。
しかし、ジオがリアスとはぐれ悪魔の間に入ってきて悪魔の方を向いた。いきなりの事にリアスは動揺した。
「!?ジオ、どういうつもり、邪魔よどきなさい」
「部長、こいつは俺に任せてください。部長達の力を見させてもらいましたから次は俺の番です。その目で見てください。あんたの下僕になる俺の、滅竜魔導師、混沌のドラゴンスレイヤーの力を!!」
「・・・・わかったわ。そこまで言うのならその力を見せてちょうだいジオ。私の下僕になるあなたの力、ドラゴンスレイヤーの力であいつを滅しなさい!」
部長の命令を受け俺ははぐれ悪魔に接近した。
(カオスードやこの間の堕天使以来の戦闘だ腕がなるぜ!)
「それじゃ、始めようか!」
「きさま、ただの人間が調子にのるな~~!!」
はぐれ悪魔はその巨体から考えられないスピードで腕を振り下ろしてきた。
「!速い」
騎士である木場も様相外の速さに驚いていた。
しかし、ジオは避けようとしなかった。
「ジオ、何してるだ避けろ!」
一誠は動かないジオに叫んだ。
「死ね~~~~~!!!」
はぐれ悪魔の腕がぶつかるその瞬間ジオは動いた。
ズガン!
すさまじい轟音が響いた。はぐれ悪魔は仕留めたと想い笑みを浮かべた。だがその予想は外れていた。
「――――っへへ、オマエ結構力あるじゃねえか。」
「なに~~~~~~~!?」
ジオはその大木程の腕を片手で受け止めていた。足元の地面は陥没しているがその両足で起っていた。
その様子に驚いたのははぐれ悪魔だけではなくリアス達も驚いていた。古代の魔法が使えるとはいえジオは唯の人間なのだ、それがまさか悪魔の力と張り合えるとは思っていなかったのだ。
「次は俺の番だ!」
ジオは受け止めていた腕をはじき拳に輝く純黒の波動を纏いはぐれ悪魔の懐に跳び、拳を叩きつけた。
「混沌竜の鉄拳!!」
ドゴン!
「ぐばっ!?」
はぐれ悪魔は拳の威力で吹き飛んだ。すかさずジオは追撃をかけた。
「オラオラオラオラオラオラ!!」
ドドドドドドドドドドゴ!
「ぐはぁ、ぐえ、おぐ、がは、ぐっ、ぬば、あが、っ調子にのるな~~~~~~!!!」
ブオン!
拳のラッシュを浴びながらもはぐれ悪魔は尻尾を操りジオの横腹に叩き込んできた。
「ぐっ!」
「「「「「ジオ/先輩/君/!」」」」」
悪魔は手応えを感じ、笑みを浮かべたが、尻尾を捕まれた。
「~~~いって~~!、やりやがったな、おかえしだ~~~!!」
「ぐぐぐっグオオオオオオオオ~~~~~!!」
ジオは掴んだ悪魔の尻尾を振り回し悪魔を壁や床に叩きつけた。悪魔は苦悶の声をあげた。
そしてそのまま天井に投げ飛ばした。悪魔は天井にぶつかりジオの上に落下して来た。
「混沌竜の咆哮~~~~~~~~~~~~~!!!」
ギュド~~~~~~~~~~ン!
ジオから放たれた純黒の波動は天井を吹き飛ばしはぐれ悪魔を飲み込みこんだ。悪魔は断末魔を叫べぬまま消し飛んだ。
天井がなくなったためそこから夜空が見えた。先ほど放った純黒の波動によって雲も吹き飛び夜空には星空が広がっていた。
上を見ていたジオは皆に振り返り満面の笑み見せた。
後書き
今回は結構速めに書けました。感想よろしくお願いします。
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