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武で語るがよい!

作者:Mr,M
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お昼休みのひと時

『皆~おはよう!』 『あ、先生~! おはようございます!』

   『おはよ~、ね、ね! 昨日のドラマでさ……』  『おっはよ~ん!』

学校に近づくにつれ、ポツポツと聞こえてくる『おはよう』という朝の挨拶の声を、BGMとして聞きながら登校するいつもと変らない今日……

「お! 誠じゃん!」

「ん?」

下駄箱で靴を履き替え、教室に向かおうと移動しようとしたその時、後ろから声が掛けられる。後ろをふと振り向けば、そこには破天荒男こと藤田が居た。

「おぉ、藤田か、おはよう」

「おう、おはッス!」

お前……『おはッス!』って……それは前世の平日朝7時位の番組に出てくる
番長キャラがやる挨拶だぞ…(因みに、この世界には『お○スタ』は存在しない)。

「……今日は変った挨拶だな、いつもは普通に『おはよう』か『オッス!』なのに』

「この挨拶か? いやな、いつまでも『おはよう』と『オッス!』の二つを使うのは
まどっろこしいからよ! 合体させてみたぜ! どうだ? カッコイイだろ?」

カッコイイかって言われても返答に困る……。
正直どうでもいいというのが本音なんだが…。

「ま、まぁ、個性があっていいんじゃないか?」

「そうか、そうか! カッコイイか! おっし、今日から挨拶はコレに決まりだな!」

藤田は”うんうん”と頷きながら『ガハハ!!』と笑っている……。
『いや……俺別にカッコイイなんて言ってないんだけど……』と思いつつも口にはしない
言ったところで、って感じだからな…。

それに今は心配事というか不安事が在ってそれどころではない……そう昨日の事だ。
俺は昨日、高町さんの無断外出の件で恭也さんに対し、高町さんとの関係の事について
『友達ですよ』とか『男友達が居る事を家族に知られたら……』などなど色々嘘の事を言ってしまったのだ。

『もし、俺が昨日言っていたことを恭也さん経由で高町さんに報告してたら……』と不安でしかたない……。というのも、高町さんが俺の事を嫌っているという状態が悪化しかねないからだ。もし、悪化すれば原作の手伝い以前に学校生活に支障が出る。

まだ本人の思考を読んでないから、本当に嫌っているかどうかは分からないが……。
まぁ、取り合えず一番知られたくないのは携帯番号の件だな、うん。
知られたら『何で知ってるの?』→『……ストーカー?』に発展しかねん……
そんなレッテルを貼られれば俺のスクールライフは即終了のお知らせである。

「おい誠、教室着いたぜ!」

「ん? おぉ、サンキュー」

思考の渦に入っていた為、教室をスルーしそうになったが藤田の声で我に返った。

「へへ! いいって事よ!」(がらがら)

そう言いながら教室のドアを開ける藤田、がらがらという効果音が教室に響く……。
音に反応して何人かの生徒が俺達を見て、『おはよう』という挨拶をしてくるので
俺は『おはよう』と、藤田は『おはッス!』と挨拶を返していく……
藤田の挨拶に『何だそりゃ?』と反応し、盛り上がるクラスの人達。

そんな中、ふと目線を窓際のバニングスさんの所に移す……
そこにはいつもと変ず、楽しげに会話している高町さん達3人組みの姿が在った。
『まぁ、あんまり見てるとバニングスさん辺りに何か言われそうだな……』と思い至り
視線を戻そうとする……。だがその刹那、高町さんと視線が合う……それはもう、ばっちりと。
高町さんは視線が合うと、両手を胸の辺りで組みながら目を左右に動かし、キョドっている。かなり聞こえ辛いが『あ、あぁ、えっと……』という声が聞こえてきた。

今の高町さんの反応を見る限りでは、テンパってるという印象を受ける……
このテンパリは嫌いな人間と目が合ったからなのか?
それとも、昨日の事についてどう説明すればいいか悩んでいるのか?
はたまた、昨日お世話になった事を感謝したいが、嫌いな人間にその気持ちをどう伝えるべきか、分からなくて焦っているからなのか?

一つ言えるのは『……うわ、コイツと目合ったし…』的な感じには成っていないっぽい。
ということは関係が悪化する、という事態の回避には成功しているようである。
まぁ、色々思考を巡らせているが…取り合えず会釈ぐらいはしとくか……
(挨拶は距離が離れている事と嫌われている事を考慮して、やめたのである。)

「(ぺこり)」

本当に些細な……僅か15度首を傾げるだけの行動……。
だがそんな俺の行動に高町さんは何が嬉しいのか、ぱぁ~っと笑顔になった。

……え? 何で笑顔になるんだ? ……まぁ、いいっか…。
いつまでも立っている状態ではアレなので、俺は自分の席に着く。

「……? どうしたのよ、なのは?」

「? 後ろの方見てるようだけど……」

「わ、わわわ!? な、何でもないの! 気にしないで!」

そう言って高町さんは両腕をぶんぶんと上下に振り
それに反応するかのようにピコピコとツインテールも反応している。

「? まぁ、いいわ……それよりも、そろそろ先生が来るから席に戻りましょ?」

「そ、そうなの! 早く席に戻らないと先生が着ちゃうの!」

高町さんはなにやら慌てているが……先生が来る事がそこまで焦るほどだろうか?
というか貴女の席ってバニングスさんの隣だよね?


「そうだね……。じゃあ、また後でね」

「ええ」

「うん!」

そう言って、少し離れた自席に戻っていく月村さん……。
俺は席に着いてからは、とくにコレと言ってやる事が無いので”ぼ~っと”黒板の方を見ている。

クラス内
   黒板
 * * * * * * * 
 * * * * * * * 
 ア 高 * * * * * 
 * * 月 * * * *  
 * * * * 俺 * *  


そんな上の空状態の俺を見ている視線を感じたので、そちらに目線をちらりと移動させる
……どうやら正体は高町さんだったようだ。

そんな高町さんの視線の先を、対角線上に居る月村さんが気にし始め、高町さんの視線の先を追う……行き着いた先は当然の如く俺。そして、俺もチラ見している状態……。

今度は月村さんと目線が合う。

「…え?」

という驚きの声と顔をする月村さん……。
いや、そんな声と表情されたら俺の方が『え?』という状態なのだが…。

―――がらがら……

「皆さ~ん、おはようございま~す」

この目線が合った状態……どうすればいいのだ? と考えていると教室のドアを開けて、挨拶をする先生の声が聞こえてきた。自然と視線を先生の方へ向け、月村さんを視界から外す。

…「「「「「おはようございます!」」」」」… 「おはッス!」

一人だけ違う挨拶をしているが気にしたら負けだろう…。
そんな事を考えながら俺は、朝の連絡事項をぼ~っと上の空で聞き流すのだった……

             :
             :
             :
             :


いつもと変らず、記憶に残っている公式を習う算数の時間
習った歴史、そしてもう覚えている漢字や英語の授業を終え、今はお昼時……。
いつもの様に教室で長野や藤田、伊月と俺の4人でささっとお昼を済ませる
そうする事で、昼休みに遊べる時間が多くなるからだ。

『今日は俺が遊びを決める番か……じゃあ…鬼ごっこでもするか』

と伊月の提案で今日の昼休みは鬼ごっこで過ごす事に…。
伊月曰く『最近、バスケでの機動力が落ちたから、基礎トレも兼ねてる』だそうだ
なので伊月の鬼スタートという事で始まった……。

開始早々、伊月は藤田の方へ向かって走って行き、暇になったので俺は取り合えず屋上を目指す事にした。というのも、いくら授業を聞き流してるとはいえ、ただ机に座って時間の経過を待つのは、中々にしんどかったのだ。

さらに休み時間になれば、高町さんから視線をぶつけられる回数が多かった
恐らく話を聞きに行きたかったのだろうが…生憎こちらは藤田達と会話していたのだ。

高町さんの行動を見て『嫌われてないのか?』と思い始め、勇気を出して俺からアプローチを掛けようと思ったのだが、高町さんもバニングスさん達と会話をしていたので、遠慮しておいた。
(『嫌われてないぽい……なら見聞色の覇気使わなくてもいいのでは?』と考え始めたので、高町さんに対して見聞色の覇気は、まだ使ってない状況です)

許してもらったとはいえ、流石に昨日の今日でバニングスさんの居るグループに入り込もうとは思えなかったのだ。
そんな煮え切らない状況に、少なからずストレスを抱いてしまい精神的にも疲れたのだ。

―――ガチャリ……

と屋上のドアを開ける。
屋上は日の光と風通しがよく、しかも海鳴市の海が一望できる場所となっている
当然そんな良い場所には人が集まる、今はお弁当を食べている生徒が多く見受けられる。

「お、あそこのベンチ空いてるな……」

と珍しく空いているベンチへ歩み寄り、横になる……。

「(……あぁ、やべ……麗かな陽気に誘われる……)」

魏の軍師様の如く、俺は目を閉じ、睡眠モードへと移行する。

       :
       :
       :


「ね、ねぇ……神田君、起きてる?」

しかし、寝る一歩手前のとこで体を揺さぶられ、声を掛けられる……。
『だれやねん……』と大阪弁になって内心愚痴る俺。
だが驚くべき事に、目を開けるとそこには俺を見下ろす高町さんの姿があった……。

「た、たかまちさん!?」

いきなりの登場に焦りが隠せず、声と共に跳ね起きる
『何で居るの!?』という疑問が浮かぶ……。
だが俺の声が少々大きかったのだろう、屋上に居る生徒達の視線が俺と高町さんに一斉に向けらる。好奇の目にさらされた俺と高町さんは気恥ずかしさから、お互いに顔を下に向ける。……ごめん高町さん……今回は俺の失態だわ。

「なのは~!」

「なのはちゃん!」

屋上の奥の方に在るベンチから二人の女子生徒が、騒ぎを聞き駆け寄ってくる
その二人は当然の如くバニングスさんと月村さんだ…。
どうやら彼女達はここでお弁当を食べていたようだ…なら単純に俺が気が付かっただけか。

「(あ、高町さん)」

「ふぇ!? ……(ど、どうしたの?)」

バニングスさんがこちらに向かって来ているので、聞こえないように小声で高町さんに用件を伝えようとする。……流石に昨日事をバニングスさん達に聞かれたら厄介だからだ。

「(昨日の件について話したい事が在るんだ……。
スクライアも一緒に交えて話そうと思うから、放課後空けてもらってもいい?)」

「(う、うん! 大丈夫なの!)」

高町さんは嬉しそうな、それでいて安心したような表情を溢す……
『いや、何が嬉しいのさ?』と疑問を再度抱いた時である。

「ア、アリサちゃん、なのはちゃん神田君と何か話してるみたいだよ?」

「はぁ~!? 何でなのはと神田が……? と、取り合えず…行くわよ、すずか!」

「うん」

そう言ってこちらを目指してくる二人……その距離はもう10メートルぐらいだ。
それを見た高町さんは、俺とバニングスさん達を交互に見ておろおろとしている……。

「ア、アリサちゃん、すずかちゃん……」

そんな高町さんの言葉と共に、二人は到着した。

「どうしたのよ、なのは? お弁当食べてたら急に『ちょっと、ごめん』とか言って
離れたかと思えば……ハァ~、何でコイツのとこに……」

そう言って俺を見て『ハァ~』とため息を吐くバニングスさん……
てか、人の顔見てため息って……ひどくね?

「え、えと……ちょっとお話してただけなの」

「お話? なのはってコイツと会話する仲だっけ?」

バニングスさんは俺に視線を固定し、疑わしいという視線を向けてくる。

「ア、アリサちゃん!? 神田君はク、クラスメイトなんだし…話す事ぐらい普通だよ!」

「? ……どうしたのよ、なのは? そんなに慌てて?」

「にゃ、にゃんでもないよ!」

バニングスさんの言うとおり、高町さんは慌てている……。
まぁ、何でそんなに慌てているのかは知らないが…。

「うーん、なのはちゃんは兎も角として……神田君はここで何してたの?」

唐突にバニングスさんの後ろ側に居る、月村さんから声が掛けられる。

「ん? あぁ、授業聞いてて疲れたんで睡眠をしてた」

そんな俺の一言と同時に、3人娘は顔を見合わせる
バニングスさんは呆れ顔で……
月村さんと高町さんは苦笑いで……。

「……アンタ…今日も先生の話聞いてなかったでしょ? それなのに何で疲れるのよ?」

「あ、あはは……」

「にゃ、にゃはは……」

バニングスさんは呆れ顔のまま、質問してくる
ここまでの行動と言動を見るに、どうやら昨日の事はもう済んだ事になってるようだ。

「うーん……知っている事の説明をまたされると肉体的に疲れる…から?」

「『から?』じゃないでしょ! ただ授業を受けるのがめんどくさいだけでしょうがッ!」

俺の回答にすかさずツッコミを入れるバニングスさん……。
だが残念……本当にそうなのだから仕方がない。…まぁ、めんどくさいってのも有るが……。

「ん~そうだなぁ……じゃあ、バニングスさんに質問するよ?」

「な、何よ?」

「例えば、今のバニングスさんが1年生のクラスに行って、授業を受けたとするよ?
算数の授業内容でいえば、足し算やら引き算……よくて割り算ぐらいかな? 
そのレベルの授業を1授業分……つまり50分間受けるんだ……耐えれる?」

俺の質問にバニングスさんは『はぁ?』っていう表情を浮かべる……。
だが直に自分が1年のクラスに行く想像をしている……まぁ、初めて直に顔を顰めたが…。

「……無理…というか、受けたくないわね……。
そんな暇な授業を受ける位だったら、学校を休んで自宅で自学した方がマシよ」

「まぁ、そうだろうね……。
で、俺今その状況にいるわけよ……少なくとも全科目、中3レベルはあるし」

俺の一言でこの空間の時間という概念が停止する…(高町さん達が固まっているだけだが)。
まぁ本来なら高校生3レベルと言いたい所だが、控えておこう……
というのもこの学校のレベルで考えると、俺の知識は中3ぐらいが妥当になる。
小3で百分率が出るってどうなの? 俺の記憶では小5で習う内容なのだが……。

「はぁ!?」

「えぇぇ!!」

「うそ~!!」

固まっていた時間が動き出す……。
ちなみにバニングスさん、月村さん、高町さんの順だ。
彼女達の声にまたもや屋上に居る人達の視線を一斉に受けるが、これも二回目……免疫はできているので、気にしない事にする。

「何でアンタがそんな知識持ってんのよ! 私達まだ小学3年生でしょがッ!」

「いや、そう言われてもなぁ……強いて言えば…努力の成果?」

転生の副産物である『記憶の引継ぎが有る御かげ』と言ってしまえばそうなのだが。
でも考えてみて欲しい……俺が前世で勉強してきた総勉強時間は約5000時間以上……
(まぁ、この中には小~高の授業時間も含まれて入るが……)
その全てをちゃんと努力して消費してきたのだ。
なので、今の俺の知識は努力の賜物という事が言える……はず。

「努力?」

「アンタが?」

月村さんは首を傾げ、『努力?』と疑問系で……
バニングスさんはそれに続くように言葉を発する。……中々にひどいな、お前ら。

「ほえ~神田君って努力家だったんだ……凄いね!」

そういってバニングスさん達とは正反対の対応をする高町さん……。
その満面の笑みに『味方は居たのか……』と感動し、涙を流しそうになる。
あれだな、『高町さんは俺を嫌っている』説は一回白紙に戻そう、うん。
きっと恭也さんの勘違いだったのだろう。

「あ、ありがと……」

「にゃはは……お礼言われるほどの事じゃないよ」

うん、この謙虚さと気遣いを他の二人も見習ってもらいたいものだ。
そんな事を考えていると月村さんが俺と高町さんを交互に見てくる……なんぞ?

「ねぇ……。朝から気になってたんだけど……二人って昨日何かあったの?」

「にゃあ!?」

「ッ」

月村さんの一言に思わず”ビク”と体を反応させる俺と高町さん。
月村さんはそんな俺達を見て『やっぱり……』と声を出す。

「ん? どういう事よ、すずか?」

「今日、なのはちゃんと神田君がやけにコミニュケーション取ってると思うんだ……
休み時間になってもお互い、視線を送ってる感じがしたし……どう思う、アリサちゃん?」

「う~ん、言われてみればそうよね……。
お昼食べている時もなのはから、神田へ会いに行ってたし……
昨日まで『会話すらしない』って感じの関係だったのに……おかしわね?」

「あうあう……」

月村さんに指摘され、バニングスさんも疑いの目でこちらを見てくる。

「アンタ達! 昨日なにがあったのか白状しなさい!
特になのはは私達と別れた後が怪しいわ! それまでずっと私達と一緒だたもの!」

腰に左手を置き、右手の人差し指を”ビシッ”と指してくるバニングスさん
因みに、向けられている人差し指の対象は高町さんである。

「ふぇ!? えっと、その……あの…」

「は・や・く・い・い・な・さ・い!」

「ぶぇ!? うぃだぃよ!? あヴぃざちゃ~ん!」

バニングスさんの標的となった高町さんは、頬を左右に大きく広げられている
伸縮がいいのか? その頬は伸び縮みが変幻自在となっている……代償として高町さんが涙目になっているが……。

「待て待て、バニングスさん……説明するから高町さんを放してやってくれ」

「アンタが?……まぁ、アンタでもいっか…」

そう言って高町さんを解放するバニングスさん……。
高町さんは頬に手を当てながら『うぅ……酷い目に遭ったの』と言って俺の後ろに非難してくる。月村さん辺りの後ろに行かないのは、この中に味方が俺だけだからだろう。

「(で、でも神田君……あの、その……アリサちゃん達は一般人で…)」

「(ん? あぁ、問題無い……その辺の配慮はするから)」

「アンタ達、こそこそと話すんじゃないわよ! というより神田! 早く説明しなさいよ」

「あぁ、了解……」

まぁ、あれだな……場数の御かげで動じなくなった俺。

「いやね、昨日実は高町さんのお父さんと知り合ったんだよ
それで、俺が高町さんの同級生だって判ると家に来てくれという展開になったんだ。
で! その時に高町さんと話す機会があって、お話しして今の関係になったという訳
……そうだよね、高町さん?」

「ふぇ!? う、うん!
その時、神田君と仲良くなったんだよ、アリサちゃん?」

こんな所だろうか? 流石に高町家の剣士3人を相手に会話した経験があるのだ
この程度の事なら見聞色の覇気を使いまでも無い。……使い過ぎも善くないし。

「待ちなさいよ、アンタとなのはでお話って……何話したら仲良くなるのよ?
はっきり言って、アンタとなのはが会話しても盛り上がるとは思えないんだけど?」

……なんか…恭也さんみたいな聞き方してくるな…この子。
まぁ、言ってることはあってるな。……俺と高町さんじゃあ、会話は盛り上がらないだろうな。所詮男の子と女の子だし……価値観が違うのだ。

「あ~あぁ、いやな……。
高町さん達がフェレットを病院に連れて行ったとか、家族の事とか話してたんだ」

「そ、そうそう!
お父さんがサッカーが好きとか、お母さんが料理得意とか色々と話してたの!」

俺の嘘に便乗してくる高町さん……。
援護射撃してくれるのは有り難いのだが……俺みたいに嘘吐きに染まるなよ?

キ~ン~コ~ン~カ~ン~コ~ン♪

そんな事を考えている間に、お昼休み終了を告げる放送が聞こえてくる
その放送に”はっ!”となって反応する3人娘……

「ああぁ!! お昼休みが終っちゃたじゃない!?」

「にゃあぁ!? 私、ご飯少ししか食べてないの!!」

「な、なのはちゃん! それは私達も同じだよぅ……」

急いで元居たベンチに帰る3人……。
だが先ほどの放送を聴き、屋上に居た生徒は皆出口へと向かっていく…。
自分達とは間逆の方から来る生徒を避けながら進む彼女らは中々に勇敢である。

「……俺も教室に行こっと」

俺は生徒達の流れに乗り、出口へと向かうのだった。





 
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