自由の灯り
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第十九話
前書き
もう少しヴェントとキャナルの恋愛後にしようと思ったけど話が思いつかなかったです
こうなったらディアカノをのばす予定です
こんな駄作読んでくれてたら本当に嬉しいです
灼熱で全てを溶かすマグマ、立っているだけで汗が溢れる熱気のオルタータ火山。
その入り口では一人の少年と少女がアドリビトムのメンバーを待っていた。
「あ~、暑いですぅ~」
「暑いな・・・・」
暑さのあまりボーッとしながら呟くヴェントにキャナル、ここに到着してから10分程しかたってないのに二人の体は汗だくだった。
キャナルはついに暑さに耐えきれなくなったのか暴れ始めた。
「暑い、暑い!あつい~、アツイー!!ですぅ~~!!あたしは暑いの苦手なんですぅ~!」
「静かにしろ・・騒げば更に暑くなるぞ」
「う~~~~、ヴェント~~可愛い可愛い美少女な彼女が苦しんでるんですぅ~、風の魔術で涼しくするですぅ~」
「俺の魔術はエアコンじゃない、それに切り裂かれるぞ」
暑くても冷静に指摘するヴェントをキャナルは頬を膨らませながら手で顔を扇ぐ。
ヴェントはそんなキャナルを見つめていたらあることに気付き、慌てて眼を反らす。
「ヴェント~?どうしたんですぅ~?」
「い、いや、何でもない」
「??・・・・あ」
不思議に思ったキャナルは一度自分の服を確認してみるとヴェントが眼を反らしたことに気付いた、キャナルの服は汗でベットリと張り付いていて少し服が透けており下着が見えていたからだ。
更にキャナルはスタイルもかなりいいし、胸もよく見れば膨らんでいるので、ヴェントは目のやり場に困ってしまう。
キャナルは慌てて胸の下着を両腕で隠す。
「・・・恥ずかしいですぅ~」
「それは俺もだ、・・・俺の鞄に入ってる半袖を貸すから早く着ろ、暑いのは我慢してくれ」
二人とも顔を赤くしながら俯くと、ヴェントは鞄から服を取りだしキャナルに手渡すと、キャナルは服の上にヴェントから貰った服を着る。
顔を赤くしながらもキャナルはヴェントにお礼の言葉を述べる。
「ヴェント、ありがとうですぅ~」
「き、気にするな、あの状態だと俺の理性も危ないし・・」
「襲うつもりだったんですぅ?けど、結婚したらいつかは・・・」
「おい!そんな話するな!想像しないでくれ!」
必死にキャナルの想像を阻止すると、キャナルがクスクス笑いながら暑いのにも構わずヴェントの手を握ってきた。
一瞬、ヴェントの心臓はドクンと脈打ったがキャナルの微笑みを見ると、無言で手を握り返す。
しばらく互いの温もりを感じていると、キャナルが満面の笑みで話してきた。
「ずっと一緒にいてほしいですぅ、もう一人は嫌ですぅ~、ヴェントはあたしにとってお父さんやお母さんくらい大事な人なんですぅ~」
「・・・約束する、ずっとお前の側に居る、ずっと支えてやる、もう一人にしない。だから、キャナルも約束しろ」
「はいですぅ~」
「・・・あの~、もしかしてあたしたち邪魔?」
後ろから声が聞こえてくると、ヴェントは慌てて後ろを振り向く。
ヴェントとキャナルから少し離れた所には、今日一緒に同行するウィルとルビアが気まずそうにしていた。
ヴェントは全身から汗がどばっと流れて、顔を今日一番に赤くしながら訊ねる。
「・・・どこから聞いてた?」
「えっとほとんど最初くらいかな・・・」
「聞くつもりはなかったんだが、お前たちが俺たちに気付かなかったから・・すまん」
ヴェントは今日の自分を本気で呪った、朝はもう少し経ってから言うはずだったキャナルへの告白をアンジュたちの目の前で言ってしまい、医務室ではディアと全く話ができず、ここではキャナルの下着を見てしまう&ルビアたちに今までの出来事を見られてしまう。
バンエルティア号に帰るころには全メンバーに広まってるだろう、また女性陣に終わることのない質問がくると思うと、背筋に寒気がはしる。
「俺の平和はないのかもな・・」
と、誰にも聞こえない声で呟く。
隣に居たキャナルはあまり恥ずかしく無さそうだ。
「とりあえず!全員揃ったので先にレッツラッゴー!ですぅ♪」
「はぁ・・行くか」
深い溜め息をつきながら、ヴェントはキャナルについていき、ウィル、ルビアもヴェント、キャナルの後を追いかける。
随分歩き続け奥地の間近に迫ると、コンフェイト大森林のように枯れた植物がここでも広がっていた。
一番奥に到着すると、前回のような白い色に変色したのはないが、ここも雑草がほとんど枯れていた。
その中央にはいくつもの虫の死体が転がっていた。
「きゃっ!虫!」
「ゴキブリ!じゃないな・・」
「・・・」
「それは!ここにしか生息しない貴重な生物、『コクヨウ玉虫』だ!」
ウィルが大慌てで『コクヨウ玉虫』に駆け寄ろうとすると、突然辺りにガスのような物が吹き出した。
しかし、そのガスのような物は赤い色でヴェントたちが聞いた赤い煙だと気付く。
突然のことでウィルは足を止めると赤い煙は一体の『コクヨウ玉虫』を囲うように包み込む。
1分程、『コクヨウ玉虫』を包んでいると、突然赤い煙は姿を消し、変わりに先程まで生きているかもわからなかった『コクヨウ玉虫』が少しだけ動き始めた。
「うん?あの赤い煙に包まれた玉虫はまだ生きてるみたいだぞ」
「よし、それならしばらく飼育してみよう」
ウィルは『コクヨウ玉虫』を素手で拾うと、そのまま枯れてない雑草を抜き取り、ヴェントたちの側に戻ってくる。
ルビアはウィルが接近すると、慌てて離れキャナルはさっきからずっと立ったままで一度も動こうとしない。
「キャナル?」
どうしたのかと思い、ヴェントはキャナルに話しかけてみる。
すると錆びたロボットのようにキャナルはヴェントに首を向けると、その目にはいっぱいの涙で溢れていて顔は真っ青になっていた。
「・・あ・・あたし・虫が苦手で・・・見ると、動けなくなるんですぅ・・・」
「え・・・」
その後はヴェントがキャナルを背負ってバンエルティア号に戻ることになった。
「あの場所で生物変化は見られなかったからしばらく飼育したいんだが」
「えぇ、問題ないですけど、キャナルの居るところで虫を出さないでくださいね」
バンエルティア号に到着するとウィルはすぐに研究室に『コクヨウ玉虫』を運んで行き、ルビアは部屋に戻りヴェントはいまだに顔が青くなっているキャナルを背負って部屋に戻った。
(今日は自分の部屋に虫が居るかチェックだな。見つけたら殺すか)
そんなことを考えながらキャナルを部屋に置いていき、喉が渇いたので自分とキャナルの分のジュースを取りに食堂に向かう。
ロックスからオレンジジュースを受け取るとそのまま部屋に向かいホールを通ると見馴れない二人組が居た。
なにやらアンジュと話しているようなので、気になってアンジュたちの方に足を運ぶ。
「あら、あなたはここのギルドの方?私はジュディスそして彼が・・」
「俺はレイヴン、ここにユーリのあんちゃんいるっしょ?俺たちあいつのギルドの仲間なのよ」
「なるほどな、俺はヴェントだ、よろしく」
「今、このギルドのリーダーに働かせてもらおうと思ってるの、彼が王女誘拐の疑いをかけられたせいで私たちのギルドにも疑いがかけられてしまって、ガルバンゾを出ることにしたんだけどいく宛がなかったの。けど噂で彼たちがここで働いてるって聞いたからここに来たのよ」
ジュディスの説明が終わると、アンジュは笑顔で二人を歓迎しメンバー登録をした。
登録が終わると、ヴェントは部屋に戻ることにした。
部屋に戻るとキャナルがヴェントの布団でゴロゴロしていた。
「おい、ジュース持ってきたけど飲むか?」
「飲むですぅ~♪」
「つーか、回復早いな」
キャナルは上機嫌でオレンジジュースを受け取り飲み始め、ヴェントも椅子に腰を下ろしてからジュースを飲み始めた。
オレンジジュースが無くなると、キャナルはお風呂に入るといい部屋を出ていった。
取り残されたヴェントはしばらく天井に顔を向けていた。
「はぁ~、今日で新しいメンバーかなり増えたな・・・あいつも生きてたらきっと仲良くなれたんだろうな・・・そういえばあの時は依頼を受けてたんだよな、依頼人は・・・駄目だショックが強すぎたから思い出せん、まあいいか・・あの依頼人は今どうしてるんだろうな、研究をしてるとか言ってたから研究してるのかもな」
ヴェントはそこまで考えると、自分もお風呂に入ろうと思い部屋を出ていった。
続く
後書き
書き終わりました
次回はどうしよう?
今回は設定で出さなかったキャナルの嫌いなものが結構出ました。
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