妖精の十字架
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~オニバス駅~
ここはマグノリアの駅。今日はギルドでは無く、駅に直接向かった。昨日エルザに頼まれた鉄の森血祭り作戦のためだ
俺が駅に着くと右手の甲にフェアリーテイルの紋章を入れた金髪少女が立っていた。少し買い物ついでだから俺はずいぶん早い時間に家を出たはずなんだがな・・・
近づいて声をかけた
「・・・君、新人だよな?名前は?」
手を軽く振ってフレンドリーに話しかける。少女はかしこまってお辞儀し、答えた
「あ、私、昨日入ったばかりのルーシィって言います!ミラさんにナツとグレイの仲を取り持つようにって言われて・・・じゃまでしたか?」
「いや、そんなことはない。精霊魔導士だろ?なかなか頼りにしてるよ」
優しく微笑む。ルーシィは少し頬を赤らめたがすぐに顔を振って何か雑念を追い払った
「ありがとうございます!えっと、クルスサン?」
「クルスでいい」
「はい!・・・あの、クルスってミラさんと?」
ミラ?なぜミラの名前が出てくるんだ?
「?話が読めない」
すると、ルーシィが少しため息をついた。しかしすぐに調子を取り戻したのでスルーしておいた
「・・・ルーシィはいつからここに?」
「えぇっとぉ30分前位ですね」
今は待ち合わせの40分前。ってことはかなり長い間待っていたようだ
俺はその理由を聴いてみた
「だって、s級魔導士お二人を待たせるわけには・・・」
その律儀なところは好感がもてるな。でもいくらなんでも早すぎだろ・・・
「そっか、でも、エルザは怖いくらいに時間ぴったりくるから待ち損だぞ?」
「えぇ!?そんなぁ」
あぁ、凹んじゃった。しゃぁね、何かおごってやるか
「俺、カフェ行きたいんだが、来るか?奢るぞ?」
「そんな!?悪いですよ!」
「きにすんな。新人歓迎会だと思って、さ」
それなら・・・といって着いてきた。が途中「ミラさん、御苦労様です・・・」とかいう声が聞こえてきた。だからなんでミラ?
「んーと、ミルクラテ一つ。ルーシィは?」
「私もそれで」
「んじゃもう一個追加で」
「かしこまりました」
店員は軽く頭を下げて下がる。
その後渡されたラテを二つ持って席に向かった
「さてと、今日は危険があるかも知れないが、大丈夫か?」
「え!?き、危険?」
よく付いてこられたな・・・
ま、俺とエルザが居れば問題ないだろう
「そんなことはいいか。それよりルーシィは何体の精霊と契約してんだ?」
精霊の数と質で魔導師としての力量が分かる。まさか黄道持ちか?
「えぇっと、6体位?」
なんで疑問形なのかは分からないが、探られたくないんだろう
しょうがない、何か雑談でもして時間をつぶそう
俺らはその後ラテを飲みつつ雑談で時間をつぶし、集合時間になった
「ア?・・・はぁ、またあいつらか・・・」
駅のホームではすでにけんかが始まっていた。もちろん首謀者はあの二人
「なんで、テメェがいるんだか理解できねぇ!」
「そりゃこっちのセリフだァ!助けなら俺と兄ちゃんで十分だっての!」
周りに被害が出そうだな・・・さて、どうしたもんか?
とかなんとか考えているとルーシィが名案を思い付いた
「あ!エルザさん!」
「「あぁ!?」」
とたんにふたりがハッピーになった!?やるなルーシィ
「ってウソじゃねぇか!」
グレイがなぜか半裸で叫ぶ
ナツも(半裸じゃないが)叫ぶ
以外と仲がよさそうな雰囲気なのになぁ
「使えるわね、これ」
「名案だ。俺も使うことにしよう」
「あい。おもしろい光景だね」
最後の声はハッピー。まぁ、青いしゃべる猫だ(飛ぶぞ?)
と、その時ちょうどエルザが現れた。・・・相変わらず荷物多いな
「すまん待たせたか?」
「いや、気にするほどじゃない」
ルーシィからしてみればかなり長い時間待っているのだが、カフェに行ったんだ。別に待ち損じゃないだろう
「そうか。では今日はみなよろしく頼む。・・・む?君は」
「ルーシィです!今日はよろしくおねがいします!」
さすが新人。古株に取り入ろうとするねぇ
プルルルルルルルルル…
おっと、列車が出るな。さっさと乗らないと
「ちょっと待てエルザ!!」
乗ろうとするエルザをナツが引き止めた
やけに気合い入った顔だが何だろう?
「帰ったら俺と勝負しろぉ!!」
おぉー命知らず!
ま、今のナツなら5分は保てるな。5分だけ
流石にまだ勝てるわけはないな。せめてs級にならなきゃな
「いいだろう、私も自信はないが受けて立とう」
「おおっし!!燃えてきたぁ!!」
実際に燃えてるぞ・・・
しかし、そんなナツも列車に乗ると同時に酔ってダウンしやがった
滅竜魔導師は乗り物に弱い。俺も例外じゃないが、列車によって生まれる衝撃を食べることで全く揺れを感じないため酔わない。その証拠に俺が持っているコップの中身は全く揺れていない
「そういえば、エルザさんと、、クルスはどんな魔法を?」
「エルザでいい」
「エルザの魔法はキレイだよ!赤い血がぴゅーって」
ハッピー、それはキレイとは言わん。むしろ汚い
「いや、私はグレイの魔法の方がきれいだと思うぞ」
目で合図を送られたグレイは息を少しはいて両手を合わせた。すると、手に冷気が集まり、次の瞬間氷のフェアリーテイルマークが現れた
やっぱりキレイだと思う
「氷かぁ。だからあんたたちって仲ワルイの?」
そうなのか?
「うるせ」
そうみたいだ
「で、クルスはどんな魔法何ですか?」
「俺か?俺は「無属性」だから目には見えん」
そういって指先に魔力を集める。見えないわけではないがうっすらと黒い。ほどしか目視できない
「・・・本当だ。でもすごい魔力」
おぉ。初見で魔力の質を見抜くとは中々いい教育を受けたな
俺の魔法はかなり純粋で、無駄がない。そのため、直に魔力をぶつければ、一般の人ならノックダウンだ
「ま、戦いはおいおいな。で、エルザ。今回の件詳しく聞かせてくれ」
「む、そうだな・・・あれは」
エルザによると、酒場で「ララバイ」という奇妙な笛の話を聞いたという。後になって気がついたのだがエリゴールという死神の名をもつ男を思い出し、鉄の森に乗り込むことにしたのだ
・・・列車がとまり、全員が下りる。が
「・・・ナツは?」
「あ・・・」
やべ。忘れてた
後書き
えぇ、完全に会話回でしたね(汗
ちなみに、ヒロインはルーシィではありませぬ
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