魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵
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後日談
番外編~授業参観日
前書き
AUO「ははははは!!遂にこの我の出番が来たようだな!!」
エリザベート「何言ってるのゴージャス?ここはアイドルの私の出番でしょう?」
カルナ「お前たちは何を言ってるのだ……」
白野(男)「君らの出番はここで終わり、だって」
AUO「何を言うか雑種!!この我を差し置いて誰が主役をやるというのか!」
カルナ「そもそも主役が居ないのであればこの小説は成り立っていないはずだぞ、英雄王」
白野(男)「ごもっともです。それでは番外編『授業参観日』始まります」
エリザベート「私の出番は!?」
side ヴィヴィオ
こんにちは。衛宮ヴィヴィオです。
今私は凄くテンションが低いです。
何故かって?それは……
(ヴィヴィオ、頑張ってね!ママ達はここで見てるから!)
(あー、うん。頑張るよ)
今日が授業参観日であること。私に向かって手を振る母……『エース・オブ・エース』衛宮なのはは有名人である、と言うこと。それだけならば良かったのだが、更に質が悪いのは………
「あー」
弟の優と父親の衛宮士郎も来ている。それ自体はいいのだが、まだ赤ちゃんの優はともかくパパがはしゃぐママを咎めていない。本来ママのストッパー役のパパなのだが、本人はと言うと……
「衛宮さんの奥様はとてもお綺麗ですね」
「いや、まぁ……ええ」
他の子のお母さんたちにそう言われて頬を掻いている。そして、その顔がもの凄く面白い事になっているのです。
ママの事を褒められてにやけるのを必死に隠そうとしている顔、と言えばお分かりいただけるでしょうか。そしてそんな状況でもアイコンタクトで二人だけの空間を作るのを忘れない。
そんな両親を見て、ニヤニヤするクラスメイト。
(衛宮さんのお父さんとお母さんって面白いね)
と言われる始末。
第一何で娘の学校でいちゃついてるんですか両親?
マジで何しに来たの?シャッハ呼ぶぞゴルァヽ(`Д´#)ノ
……いかんいかん、思考が可笑しくなっていたようだ。
落ち着こう、私。深呼吸するんだ。はい、吸ってー、吐いてー、吸ってー。
「では……衛宮さん、この問題を解いて下さい」
「ひゃい!?」
あ、ありのままに今起きたことを話すよ!
深呼吸して落ち着こうとしていたらいきなり先生に指名された。
おかげで変な声が出て皆に笑われてしまったのである。
「え、えーと…」
与えられた数式は何とか解けたが、こんな疲れた授業はもう嫌だ。
と言うわけで、10分休みにママ達の所に行くことにした。
……その行動は無駄であることを、今の私は知らない。
side なのは
「ママ!」
最初の授業が終わると、ヴィヴィオがこちらにやってきた。
その顔はいかにも怒ってます、と言う感じだ。
「ど、どうしたの?」
「どうしたのじゃないよ!あんなk「びええええん!!」……」
ヴィヴィオの大声で寝ていた優が起きて泣き出してしまった。
「お姉ちゃんが大きい声出したからびっくりしちゃったねー。よしよし、大丈夫だよ~」
「……もういいや」
優をあやしているとヴィヴィオは溜め息をついて教室に戻って行った。
まったく、困った娘だな~。
「あー」
「ん?」
教室に戻ろうとした私は、優が胸の辺りを触りながらつぶらな瞳で見つめて来ているのを見て、要求していることに当たりをつけ、別の場所に向かって行った。
「お腹減ったんだね。ちょっとだけ待ってね」
「あうー」
…………………………………………………………………
お腹が膨れておねむの優を抱いて校舎を歩いていると、意外な人物に出会った。
「あ、セイン」
「なのはさん!ちぃーっす」
セインは私が抱いている優を見つめて聞いてきた。
「かわいいなー。赤ちゃんって。抱いてみても良いですか?」
起こさないようにそーっとね、と言おうとしたその時だった。
「セイン!」
「うげ!?」
シスターシャッハがずかずかと大股でこちらにやってきた。
「あなたと言う人は!仕事をサボってこんなとk「びえええええん!!」」
シスターの大声で目を覚ました優は再び泣き出してしまう。
「うわー、シャッハ。泣かしたー。こんなかわいい子供を泣かすとかないわー」
「ぐうぅ…」
「いーけないんだーいけないんだー。カーリムに言いつけよー」
そんなことを言っているセインだが、大本の原因が自分にあることはわかっているのだろうか?
「だけどセインもお仕事サボってたのは事実だよね?」
「な、なのはさん!?」
「そうです!ですからこれ以上ご迷惑をおかけする前に戻りますよ!」
そう言ったシャッハによってセインは連行されていった。
その後、優がなかなか泣き止まずに午前中の授業はあまり見れなかった、という事が少しだけ残念だった。
side コロナ
お昼休み。私はヴィヴィオの席へと向かう。
「はぁ~」
「ヴィヴィオ、お疲れだね」
「それはね……」
あの後、エース・オブ・エースの娘、という事で休み時間中ずっとみんなから質問攻めをされていたヴィヴィオは授業どころではなかったと思う。
余談だが、士郎さんについては全く聞く子はいなかった。
合宿で言っていた能力の隠匿をしている、と言うのは本当だったのだろう。
「見に来てくれるのは嬉しいけどあんなはしゃがないでほしかったな……」
「確かにね……」
そして机にぐでー、としなだれかかるヴィヴィオ。
「ま、まあ堂々と写真とか取っていないだけいいと思うよ!」
「そうだね……」
実際に撮影をしていて怒られていた親は何人かいた。
……だが、実は士郎さんが最高峰のステルスを仕掛けたサーチャーでバッチリ録画をしていたことを今の私達は知らない。
………………………………………………………………
「あ、お弁当……」
いざお昼ご飯、という時になってヴィヴィオが鞄の中を覗いて漏らした一言は悲壮感に満ちていた。
「ヴィヴィオ、もしかして……」
「うん……忘れて来たみたいだよ」
ショックを受けるヴィヴィオ。しかし神はヴィヴィオを見捨てなかった。
「全く、忘れものは家をでる前に確認しろといつも言っているだろうが」
いつの間にか私達の所にいた士郎さんが持っているのはヴィヴィオのお弁当。
わざわざ持ってきてくれたらしい。
「パパ……」
「私たちが来るから、とはしゃいで忘れ物を確認していなかったな。たまたま私が気づいたからよかったものの……」
その言葉に言葉を詰まらせるヴィヴィオだったが、予想外の方向から助け舟がやってきた。
「そう言うパパも車のキーを家に忘れて取りに戻ったよね」
「なのは!?それは言うなと……」
いつの間にかこの場にいたなのはさんの一言によってお説教タイムは終わりを告げた。
それより、あの士郎さんがそんなうっかりをするなんて珍しい。
「と、とにかくだ!以後気をつけるようにするんだぞ!」
「は~い」
無理やり話題を変えようとした士郎さんはなのはさんとヴィヴィオに生暖かい眼差しを向けられて居心地が悪そうだった。
…………………………………………………………………
午後の授業も終わり、放課後になると、
「ヴィヴィオ~」
なのはさんが教室に来た。
するとクラスの男子がなのはさんの方へと群がる。
「なのはさん!サイン下さい!」
「僕は握手を!」
「この後デートしませんか?」
何というか……パワフルだと思う。
それにしてもエース・オブ・エースは有名なんだな、と改めて実感した。
「は~い、順番で、ね。喧嘩はしないように」
そしてやけに馴れているなのはさん。
その後ろでは優君を抱いた士郎さんがなのはさんを口説き落とそうとする男子を睨んでいる。
………のだが、優君にほっぺたを突かれているのでいまいち怖くない。
寧ろ面白い。
男子が帰るまで私は一人笑いに耐えるために頑張っていた。
side ヴィヴィオ
帰り道。車の後部座席からママと話す。
「今日はヴィヴィオが頑張ってるところが見れて良かったよ」
「私はママたちがはしゃぎ過ぎてて恥ずかしかったよ……」
「にゃはは……ごめんごめん」
前からもむぅ、と言う唸りが聞こえた。
「全く……」
「……そんなにはしゃいでいるように見えたか?」
「「うんうん」」
ママと二人でパパの問いを肯定する。
しかし、はしゃいでいたのはママも一緒なのだが。
「……そう言う子供っぽい一面も魅力的だよ、パパ」
「………そう言うママもな」
しかし、そんなことでさえ惚気に変えてしまう我が両親。
「今日も平和……なのかな?」
私の疑問は誰も解消してくれることはなかったのであった………。
後書き
この番外編は、私がFate/EXTRA CCCをクリアした記念に書いたノリだけで構成されたしょーもない話です。
作者が何かゲームをクリアするとこのような番外編が現れますが、無視するなり、煮るなり、焼くなりとお好きになさって下され^_^;
そして更新遅れた理由はイノセントのマテ子イベントに時間をつぎ込んでたからです。
反省はしている。後悔はしていない。
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