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環の理

作者:三島 渓山
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鋼の錬金術師
  中央

 
前書き
また日間で一位とってた……この作品が読まれてる証拠なのか?そしたら感激の極みなのですよ。 

 






 イシュヴァール人、もといイシュヴァールの民はイシュヴァラを絶対唯一の創造神とする東部の一部族だった。

 宗教的価値観の違いから国側とはしばしば衝突を繰り返していたが、13年前軍将校が誤ってイシュヴァールの子供を射殺してしまった事件を機に大規模な内乱へと爆発した。

 暴動は暴動を呼び、いつしか内乱の火は東部全域へと広がった。

 7年にも及ぶ攻防の末、軍上層部から下された作戦は―――国家錬金術師も投入してのイシュヴァール殲滅戦。

 戦場での実用性を試す意味合いもあったのだろう。

 多くの術師が人間兵器として駆り出されたよ。





 ~~~~~~





 「―――私もその一人だ。だからイシュヴァールの生き残りであるあの男の復讐には正当性がある」

 「くだらねえ。関係ない人間も巻き込む復讐に正当性も糞もあるかよ。醜い復讐心を『神の代行人』ってオブラートに包んで崇高ぶってるだけだ」

 「だがな、錬金術を忌み嫌う者がその錬金術をもって復讐しようってんだ。なりふり構わん人間てのは一番厄介で怖ぇぞ」

 「なりふり構ってられないこっちも同じだ。我々もまた死ぬ訳にはいかないからな。次会った時は問答無用で潰す」



 マスタング大佐の真剣な顔初めて見た。普段からそうすればいいのに。



 「さて!辛気臭ぇ話はこれで終わりだ。エルリック兄弟これからどうする?」

 「うん……アルの鎧を直してやりたいんけど俺のこの腕じゃ術を使えないしな……」

 「我輩が直してやろうか?」

 「遠慮します」



 うっ……少佐のマッチョポーズで吐き気が……。



 「アルの鎧と魂の定着方法を知ってんのはオレだけだから……まずはオレの腕を元に戻さないと」

 「だね」

 「錬金術の使えない少年なんて……」

 「ただの口の悪いガキっすね」

 「くそ生意気な豆だ」

 「無能だな無能!」

 「ごめん兄さんフォロー出来ないよ」

 「いじめだーーーーー!!」



 何を言うか。これは愛の鞭だよ(ゲス顔)



 「しょーがない……うちの整備士の所に行ってくるか」

 「整備士……どこにいるんだ?」

 「リゼンブールっていうド田舎」

 「ふーん……」



 イーストシティ出身とは聞いてたけどすっげー東に住んでたんだな。



 「それにしても聞いたぞエドワード・エルリック!」

 「ギニャー!(べきぼきぐき)」

 「母親を生き返らせようとしたその無垢な愛!更に己の命を捨てる覚悟で弟の魂を錬成した凄まじき愛!吾輩感動!!」

 「寄るな」



 母親を錬成しようとしたんだ……その代償が右腕と左足か。



 「という訳でその義肢屋の所まで我輩が護衛を引き受けようではないか!」

 「はぁ!?何寝ぼけた事言ってんだ!護衛なんかいらねーよ!」

 「エドワード君、またいつ傷の男(スカー)が襲って来るかも分からない中をその体で移動しようというのよ。奴に対抗出来るだけの護衛をつけるのは当然でしょ?」

 「それにその身体じゃアルを運んでやる事も出来ないだろ?」

 「だったら別に少佐じゃなくても!」

 「俺ぁ仕事が山積みだからすぐに中央にかえらなきゃならん」

 「私が東方司令部離れる訳には行かないだろう」

 「大佐のお守り大変なのよ」

 「中央に帰って読みたい本があるのよ」

 「あんなヤバイのから守り切れる自信無いし」

 「「「以下同文」」」



 少佐以外予定が詰まってるな、うん!



 「決まりだな!」

 「納得いかねー!ていうか一人変なのがいただろ!」

 「子供は大人の言う事を聞くものだ!」

 「子供扱いするな!!この……アルもなんか言ってやれ!」

 「兄さん!ボクこの鎧の身体になって初めて子供扱いされたよ!」



 そりゃ鎧だもんな……私より身長大きいし。



 「まだ駄々こねると言うのなら命令違反という事で軍法会議にかけるがどうかね?」

 「うおお!汚え!」

 「うむ!そうと決まれば早速荷造りだ!」





 ~~~~~~





 「……少年に挨拶は済ませたか?」

 「大佐はいいんですかい?」

 「そんなに仲良い訳じゃないからねー」



 寧ろデカ女だから嫉妬されてるかも。10cm以上の差があると思うし。



 「さ、中央に帰ろう」

 「タッカーの事は……」

 「マスタング大佐に全部放り投げとけ。サボる奴には罰が必要だろ?」

 「くくく、違いねえ」



 二人で鉄道に乗って帰った。その後、酔っぱらってグレイシアさんの世話になったのは余談である。





 ~~~~~~





 東部から帰って来て数日が経過した。大きな事件はなく、目を引くような事は国立中央図書館第一分館が不審火で燃え尽きたぐらいだったね。いやー借りたい本先に借りといて正解だったよ。これで正々堂々と借りパクが出来るね!



 「大佐ー」

 「何ー?」

 「本なんか読んでないで手伝ってくださいよー」

 「えー?ノルマはとっくに終わってるよ?」

 「周りを見てくださいよ。天井に届きそうな程の書類の数じゃないですか」

 「だったら書類持って来て「やってください大佐殿~(猫撫で声)」って言ったらその半分ぐらい余裕でやってやる」

 「やってください大佐殿~(猫撫で声)」

 「合格!一時間で終わらせてやるよ」

 「やったー大佐大好きー」

 「はいはい」



 ……国立中央図書館第一分館が焼けた事による影響はこの部署にも出てるようだ。軍設立以来で暇な部署ランキングベスト5から外れた事のない部署でもこれだけの忙しさだもんな~。



 「……まあぶっちゃけた所、この部署の人間は碌なのがいないという訳だ」

 「酷い事言うアル。これは訴えるべきアル」

 「ぐーぐー(そうだそうだー)」

 「酷いですー」

 「似非シン人と給料泥棒とブラックホールは黙っとけよ」



 解雇寸前の三人と私のセットで特命部は動いている。何故潰れないのか、何故私がいるのか……私が結婚できない理由の一つはこの部署に務めてるからだと思うんだ。



 「まーたお前らの残業に付き合わなければならんのか……」

 「そんな大佐が好きですー」

 「男からそのセリフが聞きたいよ」



 赤ちゃんからやり直しても、TSしても、恋愛運だけは変わらないのか……!?





 ~~~~~~





 「えっ?第五研究所が崩壊した?」

 「何か爆発音みたいのがー響いたらしいですよー」

 「隣の刑務所の看守達が崩壊するのを見たらしいアルよ」

 「ぐーぐー(へー)」



 そういえばエルリック兄弟が中央(こっち)に来てるってアームストロング少佐に聞いたな……会ってみるか。



 「じゃあ早速……(プルルプルル)」

 『はい』

 「シルバーバーグ大佐だ。アームストロング少佐はいるか?」

 『アームストロング少佐ですか?先程知人のお見舞いに行くと言っていましたが……』

 「それはどこだ?」

 『○○病院です』

 「ありがとう(ガチャ)」



 知人……エルリック兄弟か?入院だとしたら何をやらかしたんだよ……?



 「ちょっと出かけてくるわ」

 「ぐーぐー(行ってらー)」



 今日は書類も少ないし、アイツらでも昼までに終わるだろう……そう思いながら市街を歩く。



 「おーヒューズ中佐?」

 「シルバーバーグ大佐じゃないですか。どこに行く気で?」

 「エルリック兄弟が中央に来てると聞いてな。会いに行こうと思い、場所を知ってそうなアームストロング少佐に聞こうとしたんだが……生憎の留守。仕方なくこちらから出向こうと思った次第だ」

 「はあ……案内しましょうか?」

 「それはありがたい。では、出発だ」



 ヒューズ中佐を仲間に引き連れ、アームストロング少佐の元へ向かった。本当に入院してそうだな。
 
 

 
後書き
モバマス……蘭子Pの方お疲れ様です。じっくりとお休みください。次はナターリア(Pa)だけど……別にいっか(笑)
※作者はPaPです。今日(6月20日)仮免受かりました。 
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