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森羅と創世のエターナル真祖

作者:メア
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お赤飯








シオン





 今吉宗に呼ばれ紗代と共に江戸城に来ている。それにしても、依頼していたこともあるけど城によばれるとは…………本来ならこないんだが。

「上様のおな〜り〜」

やっと来たか。皆平伏してるが俺と紗代は当然しない。

「無礼であるぞ!」

「黙れ」

「ひぃっ!?」

ちょっと殺気をこめると押し黙った。

「よい」

「しかし…………」

「よいといっている」

「はっ」

不満はありそうだけど…………やっと本題か。

「城までご足労願って悪かったな。頼みたい事とそちらの依頼のほうで、城に呼ぶのが都合がよかったのだ」

というと、判明したのか。

「まずは、紗代殿」

「はい」

「そなたの父親が判明した」

「えっ…………」

ま、驚くよね…………頼んでた件はこれです。

「調べた結果、お主は天皇家の血を引いていることが分かった」

へぇ、思ったよりすごいのがきたね。第六天魔王とかもおもしろそうだったけど。

「それって…………。」

「父のことを聞くか?」

「いえ、必要ありません。どのような父とて関係ありません。私はシオン様の物ですから」

せっかく調べてもたらったけどいらなかったか?

「そうか、ならいい。紗代殿とも関係ある事なんだが…………シオン殿と紗代殿に頼みたいことというのは、京都、江戸近辺など日本中で暴れている妖怪などを倒して欲しい」

またとんでもないこといってきたな。

「それと、私の関係というのは?」

「ああ、天皇家からも救援要請がきていてな。そこで相談した結果、幕府、天皇家両方の連名で全権を預けることになったのだが…………」

ああ、そういうことか。

「どうせ、血筋や権力がある奴にしか与えられんとかそんなくだらない物のだな? そして、紗代は天皇家の血を引いてるから面目は立つと…………やっぱり、くだらんな」

「ああ、その通りだ。なににおいても優先される力を与えるわけだからわからんでもないが、時と場合を考えろとは思うな」

「…………どうしましょう?」

たしかに、悩みどころだけど…………しょうじきめんどう。

「旅の代金や色々融通もきく、そして君たちの目的の保護のほうも有効だ」

「紗代はどうする?」

「私は…………やりましょう。人々と妖怪達も守りたいですから…………シオン様達に敵対しない限りはですけど…………」

微妙に黒いな。

「ありがとう。これが印籠と書状だ」

印籠には天皇家の家紋と徳川の家紋が彫られている。

「そして、シオン殿にも協力願いたいよろしいか?」

「ふん。紗代がいくんだ。俺も行くに決まってるだろ」

そうなることわかってるくせに。

「では、よろしくお願いする。あれを持ってきてくれ」

運ばれてきたのは黄金色のお菓子。いいのか上様?

「これが支度金だ。旅の資金などはこれを使ってくれ」

「了解。ありがたくいただこうか」

ちなみに千両箱です。

「いいのでしょうか…………」

「いいんじゃない?」

「ああ。問題無い」

「では、小次郎達はどうしましょうか…………」

「しばらく江戸を拠点にやってくぞ。文句ないよな?」

「ああ、京都もしばらくはもつはずだ。江戸からも増援をおくるのでな。むしろ江戸の方が防備が緩くなるので頼む」

「ああ」

旅の準備してくか…………その前に派手に金稼ぎだ。








 印籠貰ってから早一年がたった…………え?
平気なのかって?
平気だろ、多分。やったことは江戸近辺や北海道あたりの妖怪を退治したり保護したりしていた。紗代は剣術大会に優勝したぞ。後ひとこというならこの時代の人間はすげえという事だ。普通に上位の連中は縮地や瞬動、虚空瞬動なんか使いやがる。現代人は退化してくんだな。

 店の方だが繁盛しまくってる。奉公人を雇いいれたり教育したり大忙しだ。お蔭で店舗も増えまくっている。店の名前は万屋神鳴(武器からなにからなにまで扱ってます。)。そう、紗代の苗字にした。この一年で結構有名になったね。紗代が姫巫女で通ってるし、妖怪達は大概、紗代に鵺達つけたらおわっちゃうから安心だ。別荘に保護した妖怪達の住処も作ったから文句は出ていない。鴉天狗とかも連れてきたから諜報活動をお願いしている。

 江戸から京都へは吉宗経由で武器を売ったりした。対魔の刀とか薙刀などをね。これが結構収益が高い…………武器商人ってやっぱもうかるんだな〜と思った。あと、泥棒や強盗などは我が家の罠で撃退されて行くし安心だ。江戸の治安もいいしね。
 そして、二日ほど前から大量に金つかってます。ええ、江戸の土地買い占めているよ…………ふふふ、東京になるんだから儲けは間違い無しとなる。今住んでる人達にはそのまま貸してるよ?
賃金はかなり安く。倉にはまだ山と積まれた千両箱がございますとさ。

「邪魔するぞ」

吉宗さんが尋ねてきた…………今は徳田新之助か。

「こっちこっち」

今現在、店の奥で作った酒を試し飲み中だ。

「昼間から酒か?」

「試し飲みだよ…………飲んでみてよ」

「ああ。これは…………旨いな」

「どれが旨いか評価つけて言ってね」

「わかった…………ところでだが、いつ京都に立つ?」

要件はそれしかないよな。いや、普通に菓子を食いに来たのかもしれんが。

「武器を送ってるけどまずいの?」

「ああ。だんだん危なくなってきてるらしい。そろそろ寄越してくれって天皇家が言って来た。金も随分溜まったんだろ? 近頃はばら撒いてるらしいがな」

「ああ、土地を買ってるな。お蔭で賑わってるじゃないか」

「それはありがたい。新種の苗なども提供してくれたからな。安定して作物ができている」

苗とか生活必需品を品種改良して売ってあげた。

「まあ、小次郎とかもだいぶ強くなってるしそろそろいいかとは思ってる」

「そうか…………できるかぎり、早く頼む」

「ああ」

どんどん酒がなくなってくな。

「おい、私も混ぜろ」

やってきたエヴァにも酒を上げて話しの続きをする。

「なるほど。たしかに、各店舗も売り上げが順調に伸びているし問題ないだろ」

エヴァも賛成みたい。それから二時間ほど立つと紗代が帰ってきた。紗代は今妖怪退治・保護以外は江戸に神鳴流の道場を作ってそこで、親を亡くした子供たちを引き取って神鳴流を教えている。まあ、素質ある子達だけだけど、それ以外は普通の孤児院に入ってもらってる。ちなにみどちらもこの店の出資だ。ようは、裏道場(?)を神社に建ててそこでやってるしね。そっちに炎王鬼さんや小次郎、雪奈も移っている。あとは神鳴流をある程度覚えた天狗さんも稽古してくれてる。基本小次郎だけどな。

「ただいまです…………」

「ん? どうした餓鬼どもに問題でもあったか?」

「顔が赤いが…………」

「つらいなら寝とけよ?」

「いえ、子供達はいつもどおり元気です。その…………シオン様…………」

紗代が顔を真っ赤にして、俺の袖をちょこんと掴んできた。

「なんだ?」

どうしたんだ?

「…………えっと…………赤ちゃんができました…………」

「「なに!」」

ガシャーン!!!

「おめでとう」

うわ、店から鵺たちもきたな。

「「本当ですか!」」

「う…………嘘じゃないんだな?」

エヴァが震えていて、鵺達も紗代につめよっている。

「はっ、はい…………間違い、ありません…………なんども確認しましたし、ウンディーネがそういってましたから…………」

ウンディーネがそういうなら確実かな。体調管理頼んでるし…………にしても、ほんとに父親になるわけか…………よくできたな。

「なら確実だな…………」

「「おめでとう紗代様」」

「そうだな、おめでとう。いいか、ちゃんと生めよ? 私達の子でもあるんだしな」

お〜エヴァがちゃんと年上みたいだ。

「はい。末永くエヴァさんや加奈さん、咲さんにお願いしなくてはいけませんけど」

「どういうことだ? 人間の寿命なんて…………」

「問題というか分かりませんが…………調べた結果、この子は龍神の血と真祖の血が交じり合ってすごいことになってるそうです」

“おにぃさま、ちゃんと責任とらないといけませんね”

そうだな…………どうするか…………でも、どうなるんだ?
龍神と真祖の血族って。

“わかりません”

だよな。

「そういうことなら引き受けるぞ」

「「はい、おまかせください」」

「しかし、そうなると旅にでれないな…………どうすっかな…………」

お腹に子供がいる紗代を連れてくわけには…………

「大丈夫です! ついて行きます!」

「いや、しかしだな…………」

「そうだ、身体は労わらねば…………」

「「うんうん」」

皆から心配されてる。

「普通よりは大丈夫なんじゃないのか?」

確かに新之助のいうとおりだけど一年ですむとはおもえないんだよな。

「それにですね! この子すっごい成長が遅いそうなのです。ウンディーネいわく出産は3、4年は掛かるっていってました。その間、私の力も上がるらしいです…………この子の力を使えるみたいです」

「ん〜ならいいか」

「「「「いいんですか!」」」」

みごとにはもったな。意味は三人と一人で違うけど。

「まあ、守れば良いし。絶対無茶するなよ?」

「はい!」

「んじゃ、そういうことでいいな?」

「ああ、わかった。たしかにお前の血に龍神の血だ…………よく観察してみたらかなりの力もってるようだしな。むしろ、力を使ってやって負荷をかけるのはいいかもしれんな」

「「そういうことならかまいません。私達が手だしさせなければいいだけですから」」

胎児のころから英才教育って…………すごそうだな〜

「では、祝いをしなくてはいけないな」

「確かに新之助の言うとおりだぞ」

店の人たちもこっち見てるな。あれだけ騒いだからな。よし。

「よし、今から倉にあるだけの食材で料理作れ。無くなるまで無料でかまわん」

「「はい!」」

この後、晩まで騒ぎ続けた。その晩エヴァや加奈と咲に激しく求められたけど…………なんとか気絶させるまでやって寝れました…………三人同時はきついぞ。

“………………………………”

なんだレン?

“…………じごうじとく…………”

う、いいかえせないな。

“…………うらやましい…………”

なんて?

“なんでもない…………おやすみなさい…………”

ああ、お休み。

俺も寝るか。それにしても、順番きめるか。双子は一緒だろうが…………





 
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