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ヘタリア大帝国

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TURN71 ベルリンへその三

「ソビエトは満州から主力を向けてくるでしょう」
「そうですね、それは間違いないですね」
「まずはアステカ帝国との戦いを終わらせます」
 こちらはというと。
「短期決戦にしましょう」
「即座に終わらせそして」
「エイリス、ソビエトに向かいます」
「そうあるべきですね」
「中南米は伊勢志摩と縁が深いのですが」 
 ここでこう言った秋山だった。
「少し外交で考えるべきでしょうか」
「スペインさんをこちらに引き込むのですか?」
「そうすべきでしょうか」
 日本に対して考える顔で言う。
「ここは」
「それからですか」
「スペインさんは中南米にも詳しいですから」
 その相手をこちらに来てもらい、というのだ。
「少し外相とお話してみましょうか」
「ですがそれですと伊勢志摩方面からもエイリスの攻撃を受けますが」
 つまりエイリスとの戦いで似正面作戦になるというのだ。
「ソビエトもありますから」
「はい、そこが問題ですね」
「どうすべきかですね」
「エイリスとの二正面作戦はあってはなりません」
 秋山もこう言い切る。
「決して」
「そのことをどうするかですが」
「一度御前会議で話してみましょう」
「今度の御前会議で、ですね」
「はい、それからです」
「アステカ帝国との戦いも外交が重要ですね」
「そうなりますね。確かに」
「では」
「はい」
 また言い合う二人だった。
「まずはアステカとの戦いを進めましょう」
「わかりました」
 秋山はドクツはもう救えないと見てこれからの戦略を考えていた。このこと自体は正しかった。だがそれに従えない者もいた。
 エルミーもまたドクツの現状を聞いていた。それでだった。
 ある日己の部下達に対してこんなことを命じた。
「ファルケーゼを出港させられますか」
「はい、何時でも出港できます」
 士官の一人がこう答える。
「ですがそれが何か」
「いえ」
 エルミーは己の言葉を引っ込めてこう士官に返した。
「何も」
「そうですか」
「気にしないで下さい」
 暗く沈んだ顔で返すだけだった。そのうえで港を去った。
 レーティアのことが気になって仕方がなかtった、彼女がこのままではどうなるかはエルミーもわかっていた。それ故にだった。
(お助けに行きたい・・・・・・)
 潜水艦でベルリンまで行きそのうえでだった。だが。 
 それはとても不可能だった、だがそれでもだった。
 エルミーはレーティアのことがどうしても気になっていた、その彼女に。
 東郷が来た、そして彼女にこう声をかけたのだった。
「行くか」
「あの、まさか長官は」
「ああ、気付いているさ」
 微笑んでエルミーに対して言うのだった。
「総統を助けに行きたいんだな」
「そうです。ですが」
 太平洋からベルリンはあまりにも遠い、しかもエイリス領を通っていかなければならない。距離もかなりのものでしかもベルリンに着くことも難しい。
 だが東郷は笑顔で言ったのである。 
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