レインボークラウン
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第二十七話
第二十七話 クレープ
春奈と赤音も二人で話をしていた、二人が話していることは何かというと。
赤音は春奈に言われてこう返していた。
「へえ、クレープって元々は小麦粉じゃなかったの」
「そうなの、そのお店ではね」
「蕎麦粉を使うの」
「そう、つまりはね」
春奈はこう赤音に話す。
「元々のクレープは黄色じゃなくてお蕎麦の色なのよ」
「じゃあ味もなの?」
赤音は蕎麦と聞いてこう春奈に述べた。
「お蕎麦みたいな感じなの?」
「それが違うの」
「あっ、違うの」
「ええ、甘いのよ」
蕎麦と違いそうだというのだ。
「クレープと同じでね、普通のと」
「お菓子でいいのよ」
「そうよ、お菓子なのよ」
その蕎麦粉を使ったクレープもお菓子、即ちスイーツだというのだ。赤音はそう聞いてこうも言ったのである。
「そのクレープもね」
「お蕎麦でお菓子なの」
「ちょっと想像つかない?」
「ううん、何かね」
赤音は首を捻りながら春奈に応える。
「違和感あるわね」
「けれど蕎麦粉を使ったお菓子は日本にもあるわよ」
「そうなの」
「蕎麦ぼうろとかね」
これがそうだというのだ。
「そういうのがなのよ」
「蕎麦粉を使ったお菓子なのね」
「他にもあるわよ」
「じゃあ蕎麦粉を使ったクレープもなのね」
「美味しいからね」
「じゃあそのお店に行って食べてみても」
「絶対に美味しいって言ってくれるから、赤音ちゃんも」
春奈は微笑んで赤音に話す。
「それじゃあ一緒にね」
「お蕎麦は好きだし食べてみるわね」
赤音は春奈と一緒に食べに行くことにした、そのクレープを。
それで今度はこんなことを言ったのだった。
「お蕎麦だとざるそばいいわよね」
「赤音ちゃんざるそば好きなの」
「うん、お蕎麦はどれも好きだけれどね」
「私もざるそば好きよ、けれど今はね」
「クレープね」
蕎麦粉のクレープだった、その話をして。
いざそのクレープを食べに出陣となるのだった、赤音はそこで新しいクレープの味を知った。それはかなりいいものだった。
第二十七話 完
2013・4・15
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