SDガンダムGジェネレーション・オーバーワールド 明日無き未来へ
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第2-1 アーモリーワンへ
サイド7を出発してから3日が経った。後、半日もしないうちにアーモリーワンに到着するであろう時、和也は格納庫に来ていた。和也は、軍人としての生活が長くキャリーベースでの生活に始めは慣れなかった。キャリーベースの面々は私設武装組織であるが殆どが一般市民だったのもありアットホームな所であった。
それでも訓練はきちんと行われており、先程まで美穂達とシュミレーターで訓練してきていた。訓練が終わり和也は、格納庫に足を運んできていた。和也の前には先日の戦闘で盧獲していたジンが立っていた。盧獲当初は頭部が破壊されていたが今では、頭部も直されており何時でも使えそうな状態に見えた。
「和也さん。お疲れ様です。」
そこへ、肇が近付いてきた。どうやら、ジンの調整をしていたようだった。
「お疲れ様。ジンは、何時でも使えるのか?」
「はい。各部の修理も終わってますから、次の戦闘があったら直ぐにでも使えます。」
「しかし、この部隊のMSは中古の機体や盧獲したMSが殆どなんだな。」
和也は、格納庫に置いてあるMSを見渡しながら言った。出発した後、聞いた事であったが私設武装組織で支援してくれる組織も無いため自分達でやりくりしていかなくてはいけなかったのであった。
「まあ、各機関全てが私達の味方では無いですから。殆どが、軍の知り合いやジャンク屋の知り合いが居たりしてたのでそれ経由で支援してもらってる状態です。」
「まあ、もし軍に話しをしたところで大体の所は自分達の力で解決しようとするだろうしな。他の組織同士での連携ほど難しい事はないな。」
「ですね。」
肇は、MS達を見渡した後小さな溜め息を吐いた。
「どうした?何か厳しい事でもあるのか?」
「ええ。和也さんのリゼル。そして、このジンが加入したお陰で戦力は少し上昇しました。ですが、やはりもっと強力なMSが欲しい所ですね。ここにあるのは量産型の機体が殆どです。この現象を解決するためにはガンダム並みの機体がないと・・・」
「ガンダム・・・か。所で、ガンダムってさそんなに凄い機体なのか?」
「え?知らないんですか?」
肇は、和也の言葉に驚いた。様々な世界のらが集まってる部隊であったが全員の世界には必ずガンダムが存在していたのだから。それに、和也の乗るリゼルは・・・
「ああ。俺の世界では、ガンダムって言う名は無かった。」
「ええ!?でも、リゼルはガンダムの派生機体ですよ!!」
「そうなのか?」
「は、はい。元々、Zガンダムって言う機体のコンセプトを量産した機体のような機体です。リゼルの武装は、Zガンダムの武装と殆ど同じですから。」
肇は、簡単にではあったが自分の機体の事を説明してくれた。和也は、その説明をきちんと聞いていた。
「でも、不思議ですね。リゼルはあるのにZガンダムおろかガンダムが無いなんて。」
「まあ、俺達にMSが配備されるようになったのはごく最近の事だったんだ。」
和也は、自分達の世界の話しをし始めた。和也の世界では、元々宇宙に出る手段は持ってはいたがシャトルでしか出る事が出来ず、更に訓練された一部の人間しか宇宙に進出する事が出来なかったのであった。
「だけど、30年位前かな?ある科学者がMSや宇宙でも航行できる戦艦の設計図を提供してきたんだ。それのお陰で世界は一気に変わっていったさ。様々な企業がMSや艦隊を作っていった。そして、世界は全ての人達が手を取り合い協力しあうために地球統合軍を設立して他の武装組織は解散させた。まあ、全員がそれに賛成する訳じゃないからデモ活動やレジスタンスがあったりしたけど世界は概ね平和だったさ。」
「そうだったんですか。」
「あまり、話してたら整備の邪魔だね。そろそろ、俺は失敬するよ。」
「そんなこと無かったのですけど、お話しありがとうございました。」
肇に挨拶をしてから和也はその場を離れていった。和也を見送った肇のそばにテンプルがやって来た。
「何か気になりますね。」
「テンプル!聞いていたのですか?」
「はい。失礼だと思いましたが聞かせてもらいました。しかし、彼の世界は不思議な部分がありますね。」
「不思議な部分?」
テンプルは、先程の話しで不思議に思ったこと。それは、MSの設計図についてであった。
「確かに、技術が達せればMSを作る事が出きるでしょう。しかし、彼の機体は紛れもないリゼル。武装や形式番号が宇宙世紀と完全に一致する事。しかし、リゼルの元となるガンダムが存在してないこと。謎のある世界であることは間違いないです。」
「でも、偶然同じになったかもしれないですよ。」
「・・・本当にそうでしょうか。これは、少し調べるべきかも知れないですね。」
「和也さん!」
通路を歩いているとそこへ美穂と出会った。美穂は、和也を見つけると近付いてきた。
「美穂。どうしたんだ?」
「えっと、もう少ししたらアーモリーワンに着くじゃないですか。それで、和也さんに着いたら買い物に付き合ってほしいんです。」
美穂が和也を名前で呼ぶようになったのは和也自身が隊長と呼ばれるのが慣れないらしく戦闘や任務以外では名前で呼ぶように頼んだのであった。
和也は、美穂のお願いに何となく予想がついていた。
「もしかして、美穂の買い物の荷物持ちか?」
「ち、違います!でも、全部違うのではなくて皆の生活用品とかの買い物に付き合ってほしいんです!」
美穂は、顔を紅くしながら説明していた。そんな慌てた彼女を見て和也は思わず笑ってしまった。
「ははっ!」
「も、もう!和也さん酷いです!!」
「ごめんごめん。女の子からの買い物のお誘いは大抵荷物持ちだったからついそう思ったんだよ。」
「それって彼女さんですか?」
「違うよ。彼女はいないよ。妹がよく買い物に付き合わされてたんだ。」
和也は、笑いながら妹の事を説明した。和也はよく妹の買い物の荷物持ちをさせられていたそうであった。
「妹も君達と同じ位の歳だから会って話したら気が合うと思うよ。」
「いつか、会ってみたいです。」
すると、もうすぐでアーモリーワンに到着するとアナウンスされた。
「もう少しで到着しますね。」
「じゃあ、一旦部屋に戻るからそのあと待ち合わせしてから行こうか。」
「はい!」
2人は、一旦別れてそれぞれの部屋に向かった。和也は訓練の汗を流すためにシャワーを浴びていた。
シャワーを浴びながら和也は妹の事を思い出していた。
「(お兄ちゃん!早く早く!)」
「(もう!お兄ちゃんの意地悪。)」
「(約束だよ。絶対に見に来てね。)」
その後、シャワーを浴び終えると着替えをして待ち合わせ場所へと向かった。
美穂は、約束の時間より早く待ち合わせ場所に着いていた。待ち合わせと言っても食堂であり周りには食事を取っている人もいれば雑談をしている人もいた。
「少し気合い入れすぎてるかな?」
美穂は、部屋で改めて着替えをしていた。服はピンクを協調したワンピースを着ていた。
「(で、でも、物資の買い出しだけだから。)」
すると、そこへ楓がやって来た。楓は、美穂を見つけると微笑みながら近付いてきた。
「美穂ちゃん。どうしたの?確か、買い出しの担当だった筈よね?」
「は、はい。和也さんと一緒に・・・」
楓は、戦闘中やミーティング以外ではメンバーの事を呼び捨てにする事はない。
和也の名前を聞いて美穂の服装を見ると楓は何かを察した。
「成る程、和也さんとデートなのね。」
「ち、違います!!べ、別にそんなのでは・・・」
美穂は、顔を真っ赤にしながら顔をブンブンと横に振っていた。楓は、そんな美穂を微笑みながら見つめていた。
「そう言っておきながらそんなに気合いの入った服装を見れば誰だってデートだって思うわよ。」
「さ、流石に買い出しでも適当な格好で行けるわけないじゃないですか。」
そして、楓は美穂の服装をじっと見つめていた一言言った。
「コーディネーターのコーディネイトはコーディネイト(こーでないと)♪」
「・・・」
美穂は、楓のおやじギャグで一気に冷静になれた。
「あはは・・・(これが無ければ良い人なんだけどな)」
「それじゃあ、頑張ってね♪」
そう言って楓は立ち去って行く。
楓は、帰り道和也と出会った。
「あら。和也さん。これからデートですか?」
「艦長。何言ってるんだ。俺は、これから美穂と物資の買い出しで俺はその荷物持ちだよ。」
「あら。若い男女が2人っきりで買い物なんて、デート以外に何て言えばいいんです?」
「買い出し。」
和也は、楓が冗談を言ってきたと思っているが楓は少し呆れたような顔をしていた。
「まあ、少し寄り道してもいいですからゆっくりしていって下さい。」
「まあ、時間があれば。」
和也は、楓に頑張れと言われながら送り出された。和也は、よく分からないまま美穂の元へと向かっていった。
「以外と和也さんって鈍感なのね。鈍感してるぜ。フフッ。」
楓は、和也を見送った後一言呟いて上機嫌になってその場を去っていった。
「ごめん。遅れた。」
「い、いえ。全然待ってないです。」
和也は、食堂に着くと先に着いている美穂を見つけると少し急いで近付いた。和也が謝罪すると美穂は立ち上がり待ってないと言い街へ向かおうと言い和也は、それに付いていった。
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