ハイスクールD×D 新訳 更新停止
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第1章
旧校舎のディアボロス
第12話 イッセーとシスター
前書き
ようやく、アニメ第一期のオカ研メンバー最後(まだ入部してないけど)が登場します。
「そう、堕天使と遭遇してしまったのね……」
「……はい」
「困ったはね。堕天使にイッセーが生きてる事を知られてしまったわね」
「……すみません……」
「まあ、事故だから仕方ないわね。今日はもう上がって良いわよ」
「あ、はい。おつかれさまです」
イッセーはそのまま帰っていった。
「千秋も上がっていいわよ」
「あ、はい」
イッセーを心配そうに見ていた千秋に部長が気をきかせた。
千秋がいれば大丈夫だろう。堕天使は千秋の実力を見た訳だし、それに話を聞く限り、千秋は本気を出してないしな。
それよりも気になるのは堕天使達がこの町になんの理由があって滞在しているかだ。イッセーを殺す事以外に何かありそうだな。
「明日夏、どうかしたの?」
「あ、いえ、なんでもありません」
とりあえずこの事は保留だな。俺の考え過ぎかもしれないし。
ー○●○ー
翌日、表向きの部活動が終わり、俺は家路についていた
明日夏と千秋は用事があるとどこかへ行ってしまった。
「はわう!?」
ボスン。
「ん?」
振り向くと、シスターが転んでいた。
「あ、あのぅ、大丈夫っスか?」
俺は手を差し伸べる。
「あうぅ。なんで転んでしまうんでしょうか?ああ、すみません」
シスターが俺の手を掴んだので、手を引いて起き上がらせる。
フワッ。
風でシスターのヴェールが飛んでしまう。
「っ!?」
俺はシスターの素顔に見惚れてしまう。
「あ、あのう。どうかしたんですか?」
「あっ!?ご、ごめん。え、えっとぉ。あっ!」
俺は動揺しながらも、とりあえず、飛ばされたヴェールを拾ってあげる。
「りょ、旅行?」
俺はヴェールを渡しながら訊く。
「いえ、違うんです。実はこの町の教会に赴任することになりまして」
「教会って、町外れの?」
「知ってらしゃるんですか!」
「ああ」
この辺で教会って言ったら、町外れにあるやつしかない。でも、あの教会って今使われていたっけ?
とりあえず、俺はシスターを教会に案内してあげる事にした。
「うわぁぁぁぁん……!」
教会に向かっている途中、公園で子供の泣き声が聞こえてきた。どうやら、転んでケガをしたみたいだ。傍には子供の母親がいた。
すると、シスターが子供の傍に近寄る。
「大丈夫?男の子ならこのぐらいのケガで泣いてはダメですよ」
そう言うと、シスターはケガをした所に手を翳す。
シスターの手のひらから淡い緑色の光が発せられる。そして、子供のケガがみるみるうちに消え去っていった!
それから、あの光を見てから左腕が疼く。
もしかして、あれも神器なのか?
そんな事を考えていたら、シスターが戻って来た。
「すみません。つい」
「ああ、別に良いけど。……その力は……?」
「はい。治癒の力です。神様からいただいた素敵なものなんですよ」
微笑む彼女だけど、どこか寂しげだった。
それからしばらく歩いていると、古ぼけた教会が見えてきた。
「あ、あそこです!よかったぁ!」
シスターが安堵の息を吐く。
ぞくり。ぞくぞく。
体中を嫌な汗と悪寒が走っている。俺が悪魔だからだろう。
早々に立ち去ろう!
「じゃあ、俺はこれで」
「待ってください!お礼がしたいので中でお茶でも…」
「いや、俺急いでいるから!?」
悪魔の俺が教会でお茶は駄目だろう。
「……そうですか……」
彼女はとても残念そうにしている。
「あ、俺、兵藤一誠。イッセーって呼んでくれ。君は?」
「私はアーシア・アルジェントと言います。アーシアと呼んでください」
「じゃあ、アーシア。また会えたら」
「はい!イッセーさん、必ずまたお会いしましょう!」
そこで俺達は別れた。
ー○●○ー
「二度と教会に近づいちゃ駄目よ」
イッセーが部長に怒られていた。理由は教会に近付いたからだ。
近づいた理由は道に迷っていたシスター送っていたからだそうだ。
「教会の関係者にも関わっては駄目よ。特に『悪魔祓い』とは」
「は、はい」
「部長。そろそろ、その辺にしといたらどうですか?」
俺は部長にそう告げる。
「そうね。とにかく、今後は気を付けてちょうだい」
「……はい」
とりあえず、説教は終わった様だ。
「部長」
「何かしら、朱乃?」
「討伐の依頼が大公から届きました」
後書き
アーシア登場です。
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