転生とらぶる
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機動戦士ガンダムSEED
0239話
終戦協定を決める為の会議。……いや、どちらかと言えば交渉の場か。ともかく、それが行われる会議室の中へと入ると既に部屋の中にいた人物達の視線が俺達へと集中する。
プラント側からは、ギルバート・デュランダルと書記他数名。地球連合側からは、連合の中の最大勢力である大西洋連邦大統領であるジョゼフ・コープランドの信任が厚いらしい政治家と書記他数名。
まず立ち上がったのは、大西洋連邦の代表だった。
「ウズミ代表、お久しぶりです。そちらの方々は初めまして。私は今回の交渉で連合の代表を務めるグレイ・マスタングと申します。今回の終戦協定に関する交渉の全権を大西洋連邦の大統領であるジョゼフ・コープランドから任されています」
……連合からの代表というので高圧的な態度の人物が出てくるかと思っていたが、予想外に温和な人物だ。いや、そもそも大西洋連邦の大統領であるジョゼフ・コープランドは穏健派だったのを考えるとそう不思議でもない、のか?
「マスタングさん、お久しぶりです。今回の会議ではよろしくお願いします」
「シャドウミラーを率いているアクセル・アルマーだ」
ウズミに続き、俺もグレイと握手をする。
パッと見は40代程の温和な白人の中年男性といった印象だな。だが、その目は歴戦の政治家らしく深い色を宿しているように感じられる。
「おお、貴方があの戦争を戦い抜いてオーブへと勝利をもたらした奇跡の部隊、異世界からの来訪者、シャドウミラー隊の隊長ですか。まさかこの交渉の席で会えるとは思ってもいませんでした。一度じっくりと話してみたいと思っていたのですよ」
「グレイ代表、そのような話は本題の会議を終わらせてからにして貰えると助かるのだが」
ウズミの忠告とも取れるその発言に、軽く頭を下げるグレイ。
「いや、すいませんね。しかし異世界からの来訪者となるとまるでSFですからね。私は若い頃からその手の話が好きで、よく映画や小説なんかに熱中したものです」
MSなんかの人型兵器が存在している時点でこの世界も十分SF染みていると思うが。
そんな俺達のやり取りを眺めていたデュランダルだったが、話が一段落ついたと思ったのかこちらへと歩み寄ってくる。
「プラントの代理人を任されましたギルバート・デュランダルと申します。ウズミ代表、お初にお目に掛かります。アクセルさんはお久しぶりですね」
グレイと同じく、ウズミ、俺の順番で握手をしてくるデュランダル。
そんなデュランダルに対して、グレイが話し掛けた。
「ほう、デュランダル殿はアクセル殿と面識が?」
「ええ。ヤキン・ドゥーエの戦いの後に一度面会の機会がありました。……アクセルさん、この場にはいませんが、レイもオーブに来ています。あの時の答えを出したようです」
あの時の答え……クルーゼが死ぬ間際に頼んできたテロメアの治療に関する件か。
さて、どういう答えを出したのやら。
そんな風に雑談をする俺達だったが、それもやがて一段落してそれぞれの席へと着く。
終戦協定を決める為の会議という事でオーブ側も配慮したのだろう。円卓とでも言うべき丸いテーブルが用意されており、ウズミ、グレイ、デュランダルがそれぞれの席に着く。ちなみに俺はあくまでも抑止力、いわゆるオブザーバー的存在なので円卓ではなく少し離れた所にある椅子へコーネリアと共に座る。
全員が座ったのを確認するとウズミが口を開く。
「さて、まずはこの会議に参加してくれた事に対して礼を言わせて貰いましょう。不幸な行き違いから始まった戦争だったが、その戦争を主導してきたお互いの勢力におけるタカ派と呼ばれる存在をそこにいるアクセル君率いるシャドウミラーが対処してくれたおかげでこれ以上の戦争を続ける必要も無くなった。よってその為の終戦条約について話し合う為に集まってもらった訳だ。連合・プラント共にこちらからの草案については既に送らせて貰っていると思うので話し合いを始めたいと思う」
「ウズミ代表、その草案について質問したい事があるのだが」
「何かね? グレイ代表」
「そちらからの要望である賠償金についてだが、具体的にはどのような技術を希望しているのかをお聞きしても?」
と、そこからは政治家同士の話し合いとなり、シャドウミラー隊という戦闘集団である俺はただその話し合いの行方を黙って見守るだけだった。
たまにシャドウミラーとしての意見を聞かれる事もあったが、それとてそう頻繁に聞かれた訳では無い。
そんな会話が続く事数時間。それぞれが自国の利益を最大限にするべく粘り強く交渉を続け、ようやく話も纏まりかけていた。
基本的には俺が出した草案に沿った内容だが、幾つか変更点もある。
まず、賠償金に関してはオーブは何も受け取らず、代わりに連合を構成している各国やプラントに対して貿易における関税優遇措置を今後20年に渡り受けられるという事になった。シャドウミラーは資金ではなく技術と資源を貰うという結果になっている。取りあえずデュランダルからNジャマーに関しては実物と設計データの両方を譲渡する確約を取る事が出来た。
プラントと地球連合の国境線については、後日改めて話し合うという結果で落ち着いた。プラントとしては現在の広大な占領地全てを自分達だけで治めるには人数が足りない為に連合軍側に譲歩した形だ。とは言っても、プラントとしても宇宙への道であるマスドライバーのある地域は渡したくないだろうし、逆に連合としてはビクトリア基地だけではいざという時に不安だろう。後日行われるその辺の話し合いはかなりタフな交渉になるだろう事は簡単に予想出来る。まぁ、その辺は俺達が関わらずにオーブ任せになるのだろうが。
ミラージュコロイドはともかく、Nジャマーキャンセラーに関してはさすがに連合・プラント共に譲る気が無かったらしく、かなり強烈なやり取りをしていた。結果的にはウズミがグレイとデュランダルの要求を呑む形となり、このSEED世界では全ての勢力がNジャマーキャンセラーの軍事利用を禁止する事になった。……いや、どのみちシャドウミラーの機体は核融合ジェネレーターやプラズマジェネレーターがメインだから構わないんだけどな。オーブにしてもシーリオンの解析や研究を続けていけばそのうち核分裂から核融合へ技術的に進化していくだろうし。
もっともウズミの事だ。もし実用化してもMSの動力源ではなく、電力不足の解決手段として発表するだろう。……少なくても、一般的には。
俺の出した草案と変わった所はこのくらいだな。MS等の保有数、アズラエルとパトリック・ザラの裁判、プラント理事国家のプラントに対する関税優遇措置の撤廃、査察の無条件受け入れ、連合・プラントのミラージュコロイドの軍事的利用の禁止、条約監視団常駐基地の提供、月の中立化、といった内容は殆ど俺の草案がそのまま受け入れられた形となる。
「この条約の締結については、シャドウミラー側からの希望でユニウスセブン跡地で行われる事とする。アクセル君」
ウズミに呼ばれ、座っていた椅子から立ち上がる。
「今回の戦争の原因は色々とあるが、最大の理由はやはりブルーコスモスがユニウスセブンに核を撃ち込んだ事だ。ユニウスセブンによって起こった戦争だけに、ユニウスセブンで終戦条約の締結を行いたい。また、この条約に関しては以降ユニウス条約と呼称する」
俺の言葉に頷く3人の政治家達。ユニウス条約の名前に関しては、特に変更する必要性も感じなかったので、原作のまま使わせて貰う事にした。
「では、これにて終戦協定に向けた会議を終了とする。長時間の会議で疲れただろうが、実りある時間だった。夕方からは小規模ながらパーティを予定しているので存分に楽しんでいって欲しい」
ウズミのその言葉で終戦協定の会議が終了する。
「お疲れ様だな」
会議室から出た俺へとコーネリアが労ってくる。ブリタニアの皇女としてこういう会議に出る機会が多かったであろうコーネリアだからこそこうして平然としているのだろうが、この手の会議に出るのが初めてだった俺にとっては精神的な疲労を感じている。これなら連合軍やザフト相手に一人で無双していた方がまだ楽だったな。
「アクセルさん」
そんな俺達へと声を掛けてきたのは、会議場からこちらを追うようにして出て来たデュランダルだった。
「どうした? ユニウス条約の件に関してならもう一杯一杯だぞ」
「いえ、そうではなくて。この後に行われるパーティには出席するんですか?」
「まぁ、シャドウミラーとしては参加しない訳にはいかないだろうな」
「それは良かった。そのパーティにはレイも参加する予定ですので」
「なるほど、会議前に言ってた以前の話の返事か?」
「そうなります。本人も悩みながら決めた事ですので、きちんと話を聞いてやって下さい」
デュランダルのこの様子からして、どうやらプラントからシャドウミラーへと移って来るのを承知したとみて良さそうだな。ただ、そうなるとレイには悪いが暫くの間は俺達の情報を漏洩しないように監視する必要があるか。
「分かった。パーティで会うのを楽しみにしていると伝えてくれ」
「はい。では、また後程パーティで」
頭を軽く下げ、その場を去っていくデュランダル。その後ろ姿を見ながらコーネリアがポツリと呟く。
「なかなかやり手のようだな」
「ああ。本来の歴史ではこのユニウス条約がザフト不利な内容だった為、議長を辞職したアイリーンの後を継いでプラント最高評議会の議長に就任する人物だ」
「ほう。だが、それはアクセルの知っている歴史なのだろう?」
「そうなるな。そっちではかなりザフト側に不利な条約になっていたからな」
実際、この世界のユニウス条約はプラントが有利な内容となっている。そして条約の調印場所もユニウスセブン跡地と、原作通りの流れとなっているのだ。これでアイリーンが原作のように議長を辞職したとすれば、それはプラント内での問題くらいしか考えられない。
「まぁ、仮定の話をしてもしょうがない。パーティまで多少の時間があるが早めに準備するとしよう。ほら、行くぞ。折角のパーティなんだ。アクセルにもそれなりにめかしこんでもらわないとな」
「……めかしこむ、ねぇ。俺としては堅苦しいのはそんなに好きじゃないんだがな。コーネリアの艶姿は楽しみだが」
「フフッ、嬉しい事を言ってくれる。だが、そんな艶姿の私を放っておく訳にもいかないだろう? いい女にはエスコート役の男が必要だしな」
笑顔でそう告げたコーネリアが、俺の腕を引っ張ってドレスを置いてある部屋へと向かう。……当然、俺とコーネリアでは男と女という事で部屋は別々だが。
何故俺達シャドウミラーがパーティドレスなんて場違いな物を持っているかというと、以前のメギロートとM1アストレイの模擬戦でユウナ・ロマ・セイランと賭けを行った時に買っておいたそうだ。……ちなみに、その時に買い漁った洋服やらなにやらの山は、ホワイトスターにある俺達の家の一室を占拠していたりする。いわゆるドレッシングルームと言われるような部屋だな。
レモンや俺に関しては、戦闘続きでそんな買い物をする暇も無いままにアインスト空間から次元の狭間に呑み込まれてホワイトスターに。コーネリアはブラックリベリオン後のドサクサで姿を眩ましている。そしてマリューはアラスカのサイクロプスによる自爆をアークエンジェルで逃げ切った。こうして考えると俺を含めて全員が殆ど着の身着のままな状態で、日常的に着るような服ならともかくドレスやらなにやらは一切無かった。それが、かなり広い部屋を丸々一室ドレッシングルームとして使わなければならない量の服やら化粧品やら装飾品やらをセイラン家の金で買いまくったのだから、どれ程の出費だったかを考えるとご愁傷様という言葉しか出てこない。
もっとも、レモン達3人に好色な目を向けた天罰と考えればまだまだ甘いと言わざるを得ないのだが。
そして当然そのドレッシングルームには俺の為のスーツやらタキシードやらその他諸々もある訳で……
「アクセルのスーツに関しては、私が選んで持ってきたのだから感謝するように」
そう言って笑うコーネリアと共に、パーティの準備を整えるべく急ぐ事にした。
実際、コーネリアの着飾った姿は眼福以外の何ものでもないだろうしな。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:615
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
???
???
???
撃墜数:374
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