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不思議なスライム

作者:yusaaoi
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スライムの敵

「キュ、キュー。」

スラ子は涙目だった。
何故か人間の方も涙目だが・・・。
ここ、ウェナ諸島のコルット地方。
スライムの他に、数種類の魔物が生息している。
魔物同士の争いは、ほぼ無い。
だからこそ、絶対的な敵が決まっていた。
人間だ。
彼らは、経験値・金・ドロップ品を求めて魔物達を狩る。
魔物達も様々な理由から、彼らを襲う。
どっちもどっちである。
もっとも大人しい魔物達からすれば、いい迷惑だった。
何もしてないのに、ただ奪われるだけ。
スラ子も襲われた経験がある。
運良く逃げれたものの、その時の恐怖は忘れられない。
というわけで、プルプルと震えていた。

「うぅ、怖がられてる・・・。」

人間はガクッと両手両膝を地面につき、orz状態だ。
どうやら襲う気はないらしい。
それに気がついたスラ子は、じーっと様子を窺う。
人間は紫色の髪と瞳の少女。
残念な事に、髪型はツインテール。
ポニーテールじゃない!
・・・コホン(咳払い)。
私の趣味はさておき。
少女の装備は一般人と違う。
麻の帽子、麻布の服、麻布の短パン、麻の手袋、麻の靴。
手には、ローリエの小枝と皮の盾。
新米の僧侶っぽい。
スラ子を襲わず、少女は何をしようとしたのか?

「嫌われた。始めて小人さんに会ったのに。もう駄目。」

「キュー?」

よく分からないが、精神にダメージを受けているようだ。
チャンスだと、スラ子は思った。
今の内に逃げ「まだよ!」・・・れなかった。
ガバッと勢い良く立ち上がる少女。

「キュ!?」

一歩、また一歩、スラ子に近づく。
そして・・・・・・・・・・・・・・・・・土下座した。





「小人さん、お願いです。その枝を譲って下さい。」




 
 

 
後書き
作者の勝手な書き方ですが、人間という言葉の意味を一括りにしています。
人間、もしくは人種とは・・・
オーガ、ウェディ、エルフ、プクリポ、ドワーフ、人間の6種族のこと。
また、魔物の場合。
様々な種類が存在しますが(怪人系とか動物系とか)・・・
魔物、もしくは魔の者と呼びます。
どうか生温かい目で見逃して下さい。 
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