インフィニット・ストラトス~黒き守護者~
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彼は天災だが、彼女と違って少し異常な一般人である
前書き
さっさとアップすることにしました。
「止めろよ祐人! どうしてこんなことを―――!?」
祐人はディアンルグを展開して白式の前に瞬間移動。同時に一撃喰らわせてすべてのエネルギーを消費させる。
「一夏!?」
「止まれ」
「なっ!?」
セバスのフォローが入り、紅椿が停止した。
「なん・・・・・・で・・・・・・」
束は目の前で自分が造ったISが停止したことに驚き、信じられないという目で祐人を見ていた。
「お前の時代はもう終わったんだ、篠ノ之束」
これは祐人の自惚れでもない。事実だった。
「消えろ」
祐人が手をかざすと同時に、その場は黒い光に包まれた。
■■■
―――祐人side
織斑一夏、篠ノ之箒、篠ノ之束。
三人を倒し、篠ノ之束には少しばかり細工をしてそこから移動しようとすると、
「・・・・・・祐人」
声を掛けられ、俺は振り向かずにその相手が誰かを察知した。
「楯無か」
「・・・どうしてこんなことをしたの?」
どこか悲しそうに、俺を見る楯無。
「邪魔だったからな」
「そ、それだけでそんなことを―――」
「いや、こいつは―――俺の居場所を奪った」
そう言うと、楯無は俺に抱きついた。
「だったら、帰ってきてよ。更識家に」
「・・・・・・・・・ごめん。俺はお前らを巻き込みたくない」
そう言って俺は楯無から離れる。
「後は頼んだ、楯無」
「え? どうする気よ?」
「俺は―――アイツらを取り戻す」
亡国企業にいる三人。それを取り戻す。
「ダメよ。アイツらは―――」
「・・・・・・悪いな」
―――ドスッ
俺は楯無を気絶させた。
「ごめんな。だけど俺は―――三人を取り戻したいんだ」
ディアンルグを展開して、俺はそこから飛んだ。
■■■
―――楯無side
あの出来事から一年と少しが経過した。
結局、彼の姿はあれから見ない。―――いや、ただしくは死んだと言った方が正しいんだろう。
「おはよー、たっちゃん!」
今日は私たちの卒業式。そして今日を以て私はIS学園生でなくなり、更識家の当主として裏の仕事に専念することになるのだろう。
ところで、
「ずっちん。私の下着写真を撮るのは止めてくれない?」
「何を言っているのよ。だってたっちゃんのパンツ写真は高いのよ」
「だからと言って人のパンツの写真を撮らないでくれるかしら?」
「いいじゃん。このレースの下着なんてどうする気よ」
「あ、それは忘れ物よ」
「・・・・・・チッ」
「ちょっと待ちなさい。いい加減にしないと卒業式にはその綺麗な顔が八つ裂きになった状態で出ることになるわよ」
それを聞いたずっちん―――黛薫子が後ろに下がった。
まぁそれは置いておこうかしら。今はそっちはさほど重要じゃないから。
私は残っている荷物を片付けながら再び過去を思い出す。やっぱりここ一年で変わったのは篠ノ之束―――じゃなくて、篠ノ之先生だろう。
篠ノ之先生は祐人に喧嘩を売り、そして簪ちゃんを巻き込んだ。その前に一年生の専用機持ちであるクロエ・クロニクルちゃんに私のミステリアス・レイディにVTシステムを仕込ませていたのだから、例えどれぐらいの身体能力を持っていようといまいと祐人の敵じゃない。そして先生は人外レベルだったのが、私と簪ちゃんを相手に勝てなくなり、技術能力も落ちたと言っていた。少なくとも、前みたいに自分だけでISを作製するのが困難な状態だ。
自業自得とはいえ、この状態で前みたいに逃亡させるというのは可哀想だと私が提案し、前のことを覚えているようだから整備科の教師と一組の副担任を兼任させることにした。
先生は自分がしたことを悔やんで、今では普通の人間と変わらない人生を送っている。
だがそれでも、狙われていることには変わりないのだから私もしばらくIS学園を中心に活動することになるんだろうけど。
そしてもう一つ、亡国企業が崩壊したこと。それは祐人の妹を名乗る三人が現れて証言してくれた。そして現在は結華ちゃんが生徒会長となって頑張ってくれている。夜祥ちゃんは現在は一年生の専用機持ちとしてクロエちゃんといい勝負をしているらしい。この前は一夏君を圧倒していたっけ?
「何してるの、たっちゃん」
「あ、うん」
腕時計で時間を確認すると、既に食堂に行く予定だった時間を過ぎていた。
荷物を持って私は食堂に向かった。
■■■
卒業式も終わり、私は織斑先生の所に移動していた。
「どうした更識。もう卒業生は玄関に向かう時間だろう。早く向かったらどうだ」
「・・・・・・先生、祐人の部屋は・・・・・・?」
「ああ。一年経って戻ってこないから既に死亡しているものと考えているだろう。上層部が荷物を回収しようとし始めてな」
「!?」
それを聞いた私はすぐにそこから離れようとするが、織斑先生に捕まってしまった。
「落ち着け。というかお前もか。お前の妹と布仏にも同じ事を言ったらやはり同じ行動を取ったぞ」
「まぁ、どっちも祐人が大好きですからね」
それを聞いた私は納得してしまった。
先生は祐人の荷物を押収させないように手配することを約束してくれた。それを聞いた私はすぐにみんながいる玄関に向かった。
向かったのはいい。
「隠れていないでさっさと出てきたらどう?」
「さすがは更識家の当主といったところかしら」
そう言って姿を現したのはスコール・ミューゼルだった。
「まさか、まだ亡国企業が存在していたとはね」
「違うわよ。亡国企業は滅んだわ。あの子たちの裏切りによってね」
それは祐人の義妹たちだろう。
「だから、あなたには人質になってもらうのよ。彼に対してのね」
「―――まぁ、俺にばれている時点で人質になるも何もないんだけどな」
私たちは同じタイミングで声がした方に向く。そこには―――
―――誰もいなかった
「え?」
「チッ」
スコールは舌打ちして私の後ろに回り込んだ。私はそれを避けようとする、伸ばした長い髪を引っ張られて引き寄せられる。
「さて、このまま彼女に銃口を当てた状態で引き金を引いたらどうなるでしょう」
「お前の足に飛ぶだけだ。というか、俺は今お前の後ろにいるんだがな」
「え?」
スコールは私を突き飛ばしてそこから飛ぶ。だが、
「あんっ」
「キモッ」
祐人が姿を現してスコールを蹴り飛ばすと、スコールは喘ぎ声を漏らした。
「って、何で祐人が!?」
「唯一逃げたスコールを追っていたんだよ。するとどういう結論に至ったか、お前を誘拐することにしたらしく、案の定IS学園を張っていたらマジで来たってわけだ」
「・・・・・・まさか先読みされていたとはね」
「そりゃあ、俺は常識ある天災ですから」
そう言って祐人は銃を展開し、スコールが持っていた銃を弾き飛ばす。
「これで終幕だ」
―――ドォンッ
スコールは弾き飛ばされ、そのまま起き上がらなくなる。
「・・・・・・ゆう・・・と・・・?」
「ああ。ただいま、楯無」
そう言って彼は、私にキスをした。
後書き
以上を持ってインフィニット・ストラトス~黒き守護者~を終わります。
ハーメルンの方で同名義で同名オリ主と一夏主人公の無双&アンチ物を書いていますので、できればでいいので読んでくれるとありがたいです。
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