転生とらぶる
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
機動戦士ガンダムSEED
0234話
ヤキン・ドゥーエでの戦いを終えてから2日程、俺達はまだプラント周辺へと滞在していた。
もちろんプラントの実質的な全面降伏に関しては既にオーブへと知らせてあるし、連合軍の宇宙戦力の壊滅やアズラエルを確保した件も既に報告済みだ。ウズミを始めとするオーブ政府はこれを武器にして早速連合国を形成している大西洋連邦、ユーラシア連邦、東アジア共和国へとプラントと停戦、あるいは講和をするように外交攻勢を強めているらしい。
ちなみにその報告をした時の通信で聞いたのだが、俺達が宇宙に上がってからも連合軍は何度かオーブにちょっかいを掛けてはエキドナ率いるギャンランドやシーリオンによって莫大な被害を出して撤退していったらしい。正直、連合軍の宇宙戦力に関してはほぼ無力化出来たが、地球にある戦力を理由にしてこちらの話を聞かない可能性もあっただけに嬉しい誤算と言えるだろう。
そんなこんなで、連合軍、プラント、オーブとシャドウミラーの3勢力による戦争は終結へと向けて準備が進められており、既に地上でも戦闘は行われておらず、近いうちにオーブとシャドウミラーの名の下に終戦協定の為の会議を開催するという流れになっていた。
特にプラントはその流れの中でより有利な条件を引き出すべく、ラクスやバルトフェルドを通してこちらから何らかの譲歩や情報を引き出そうと日々コンタクトしてきている。
まぁ、それもしょうがないだろう。ただでさえコーディネーター自体がナチュラルに比べると圧倒的に少数なのだ。そしてコーディネーター全てがプラントに住んでいるという訳でもない。それがアラスカでのサイクロプスによる自爆やヤキン・ドゥーエで俺達と戦って受けた人的被害を考えると、アイリーン・カナーバとしては頭が痛いだろう。それこそ頭が頭痛と言ってしまいたくなるくらいに。
そして、俺がこうしてムウとレモンの3人でプラント行政府の会議室にいるのもその一環な訳だ。
「失礼してもよろしいでしょうか?」
軽いノックの後に、そう声が掛けられる。入って来たのは、現在の最高評議会議長であるアイリーン・カナーバとギルバート・デュランダル。そして、金髪の少年が一人。年齢的には13歳前後だろうか。その顔には当然ながらある人物の面影がある。
「ああ、構わない。それで、その少年が例の?」
アイリーンの問いに頷き、そう尋ねるとその少年――レイ・ザ・バレル――がムウを見て一瞬だけ驚きの表情を浮かべるも、すぐにそれを消し去り頭を下げてくる。
「初めまして、レイ・ザ・バレルといいます」
どうやら間違い無いらしい。
そしてレイに続き、デュランダルも頭を下げてくる。
「彼の保護者をしているギルバート・デュランダルといいます。この度はレイに何か用があると伺ったのですが……」
「ああ。とある人物の遺言をな」
それだけで俺が何を言いたいのか分かったのだろう。デュランダルの眉がピクリと動き、レイの顔が強ばる。そしてアイリーンの方へと視線を向けると、そこには悲しげな顔をしたアイリーンの顔があった。
……待て。悲しげな顔、だと? それではまるで、クルーゼとレイの関係を知っているような反応じゃないか?
チラリとデュランダルへと視線を向けると、俺が何を言いたいのか分かったのだろう。小さく頷いて口を開く。
「カナーバ議長は、クルーゼとレイの関係を既に知っておられます。その、そちらにいるフラガ少佐との関係についても私が知ってる限りは一通り」
「……ムウ?」
「ああ。確かにあの坊主はクルーゼと同じ存在だろう。この部屋に入ってきた時にクルーゼを相手にしている時と同じような感覚があった。お前さんもそうだろう?」
ムウの言葉にレイが頷く。
「はい。あの感覚がラウのものと同じかどうかは分かりませんが、何か感じたのは事実です」
そんな2人の言葉を聞いていたアイリーンが悲しげに口を開く。
「正直、ラウ・ル・クルーゼがクローンだったと聞いて非常に驚きました。私達コーディネーターでさえも人のクローンは禁忌としてその技術を封印しておりますので」
「その禁忌の存在故に、クルーゼはこの世界を滅ぼそうと戦争の裏で暗躍していた訳だ」
「返す言葉もありません」
「……まぁ、いい。その辺は終戦協定の会議で話し合う内容だろうしな。それで今日時間を取って貰った目的だが」
「彼の遺言があるとか」
デュランダルの言葉に頷く。
「ヤキン・ドゥーエでの戦いが終わり、死ぬ間際にプラントにいるもう1人の自分について頼まれてな。俺達シャドウミラーの技術で、テロメアの問題を何とか出来るようなら治療してやって欲しいと」
「出来るんですか!?」
唐突に上がった叫び声は、デュランダルでもなく、アイリーンでもなく、レイのものだった。自分の命が掛かっているのを考えれば当然かもしれないが。
「その辺は詳しく検査してみないと分からない。ただ、そこにいるレモンは俺達シャドウミラーの技術班を率いている人物だが、人造人間を製造する事も可能な技術を持っている。レモン?」
俺の言葉を聞き、驚愕の表情の浮かべている3人の前へとレモンが進み出る。
「シャドウミラーの技術班を率いているレモン・ブロウニングよ。アクセルの言った通りWシリーズという人造人間を造る事は出来るけど、その坊やの問題を解決出来るかどうかは詳しく検査してみないと分からないわ。ただ、私達の持っている技術は、この世界と比べても随分と進んでいるから、少なくてもこのプラントにいるよりは長く生きられると思う」
レモンのその言葉に、レイの顔が明るくなる。……俺の知ってるレイ・ザ・バレルという存在とは随分違うな。原作でのレイはデュランダルに会った時だけ嬉しさを隠しもしなかったんだが……いや、クルーゼがいなくなったからこそデュランダルへの依存度をより高めていったのか?
「最後まで聞いて頂戴。いい? 確かに私達の持っている技術を使えば、貴方のテロメアに関する問題は解決するかもしれない。ただ、そうなると貴方は私達が持っている技術の一端を知る事になってしまう。そうなると、今回の戦争で私達に煮え湯を飲まされた連中が貴方を狙う可能性が非常に高いのよ。そしてまた、私達としてもシャドウミラーの技術を漏らさない為に貴方を放って置く訳にもいかなくなるの」
「それは、つまり?」
レモンの言葉に、アイリーンが先を促す。
「そうね、この場合は直接的に言った方がいいでしょう。もし私達の技術でテロメアの問題が解決した場合は、レイ・ザ・バレルにはプラントではなくシャドウミラーへと所属して貰う事になります。当然、情報の漏洩等があった場合は厳しい処分をされるのを承知した上で、ね」
「……どうしても、ですか?」
「ええ。人造人間に関する技術はシャドウミラーでもトップシークレットなのよ。その一端でも情報が流れる可能性がある以上はそうせざるを得ないわ」
「MS……いえ、PTやADとかいう機体に関してはオープンにされているようですが?」
「機動兵器と人造人間、ハードとソフト。そのどちらが重要かなんて言わなくても分かるでしょう? ……そうね、シャドウミラーで造られている人造人間はザフトの赤服とか言ったかしら? 彼等と同等か、それ以上の能力を持ってるのよ。ここまで言えば分かるでしょう?」
連合にしろ、プラントにしろ、敵国がザフトのエリート並の力を持つ兵士をポンポンと量産するなんて事になったら、悪夢もいい所だろう。
「それに私達の機体をオープンにしているとは言っても、それは特に隠さずに使っているというだけよ。別に技術提供をしてる訳じゃないわ。……あ、でもオーブにはシーリオンを1機とメギロートを提供したのよね?」
アイリーン達へと説明していたレモンが俺の方へと話を振ってきたので、頷く。
「ああ。オーブとの同盟の手土産にシーリオン……そうだな、分かりやすく言えば水中用MSのようなものだが、それを提供した。メギロートに関しては提供したんじゃなくてレンタルと言うか、リースと言うか……まぁ、そんな感じだな」
シーリオンについての重要事項である核融合ジェネレーターやテスラ・ドライブに関しては、取りあえず黙っておく。オーブとしても、シーリオンの存在は最重要の機密だけにその情報に関しては慎重に扱う必要がある。
俺の説明を聞いていたレイが、躊躇いながらも口を開く。
「すいませんが、突然このプラントから貴方達の組織に所属しろと言われてもすぐには返事が出来ません。もしよろしければ暫く時間を貰えないでしょうか?」
「そうか。俺としては構わない。レモンとムウはどうだ?」
「私も問題ないわ」
「ああ、俺もそれでいい。ただ、もし君がシャドウミラーに所属するというのならその時は俺が君の後援をしようと思う」
その意外な言葉に思わずムウの顔へと視線を向ける。その表情は洒落や冗談ではなく真面目に提案している事を表していた。
「どんな気まぐれだ? あんなにクルーゼとは憎み合っていたのに」
「さて、な。だがクルーゼはともかく、この子は間違い無く親父が取った我が儘による被害者の一人だ。ならそのフォローくらいは息子の俺がしても構わないだろ?」
「……にしても、私の話をきちんと聞いてたのかしら? 私はシャドウミラーに所属って言ったのよ? つまり、住居はホワイトスターになると思うんだけど……ムウ、貴方もシャドウミラーに所属するつもり?」
「……その辺はナタルと話し合って決めるよ」
そう言えば、ナタルは戦後どうするんだろうな。典型的な軍人と言ってもいい性格をしてるんだから、やっぱり連合軍に復帰するのか? あるいはオーブ軍? 大穴でムウと一緒にシャドウミラーって所か。
「では、今回の話はこれで終わりという事でよろしいでしょうか?」
ムウと俺達の会話を聞いていたアイリーンがそう切り出してくる。そもそもプラントの最高評議会議長である彼女は、戦後処理の問題もあってやるべき仕事がそれこそ山のようにあるのだろう。
「ああ。こちらからの要望に応えてくれて感謝する」
「いえ、戦争の裏で暗躍していたとは言え、プラントの人間の遺言を持ってきてくれたのですからこちらこそお礼を言わせて下さい」
差し出された手を握り返し、軽く礼をした後にアイリーンはそそくさと部屋を出て行った。その後に続こうとしたデュランダルの背中へと声を掛ける。
「すまない、ちょっといいか?」
「ええ、構いません。レイ、先に行ってなさい」
「分かった。ギル、先に行ってるね」
レイがそう言って去っていき、後ろ姿が見えなくなってからデュランダルとの会話を再開する。
「それで、私に何か?」
「ああ。知ってるかどうか分からないが、オーブから宇宙へと上がった俺達はL4宙域にあるコロニー、メンデルを隠れ家にしていた」
「ええ、その辺の情報はエターナルの方から流れてきています」
「あのコロニーで、面白い物が書かれた本を見つけたよ」
もちろんブラフだ。これは俺が原作知識を持っているからこそのブラフ。だが、原作でダコスタが見つけたデスティニープランについて書かれている本は確実に現在もメンデルのどこかにある筈だ。そして、研究者の走り書きという形で残っていただけに、恐らくデュランダルはその内容を知る事は出来ない。
「ほう、私も前にあのコロニーで研究をしていたんですよ。どんな本でしたか?」
だが、デュランダルの表情に特に変化はない。感情のコントロールが上手いのか、あるいはデスティニープランについての資料を完全に抹消して安心しているのか。……この男の場合は両方だろうな。
俺とデュランダルの会話を聞きながらも、レモンとムウは黙ってこちらの様子を窺っている。
「デスティニープラン」
「っ!?」
さすがにその単語を流す事は出来なかったのか、ピクリとだがデュランダルの表情が動く。
「どうした? 顔色が変わったな」
「いえ……その、計画をどこで?」
「言っただろう? メンデルでだよ。人間の遺伝子を解析し、その人が持つ先天的な適性と能力を調査し、その解析結果を基にその人に最適な職業を割り出す事が出来るか……確かにそれだけ聞くと、素晴らしい計画に聞こえるな」
「……」
俺の言葉に黙り込むデュランダル。その様子を見ながら、話を続ける。
「企業か何かで客として訪れた相手の遺伝子を解析し、その人物に向いている職業や能力を紹介すると言うのなら何も問題無い。だが、それをプラントや地球に住む人々に強制しようとしたその時は……再び俺達シャドウミラーがお前の前に立ち塞がるというのを忘れないようにしろよ」
「……ええ、そうしましょう」
何かを押し殺したような声でデュランダルはそれだけ言うと、軽く頭を下げて部屋から逃げ出すように出て行った。
その後ろ姿を見送りながら、溜息を吐く。
これでデスティニープランを諦めてくれればいいんだが……あるいは、レイやタリアと共にホワイトスターに移住して来るというのもありか。まだ別れていなければ、の話だが。あの2人が具体的にいつ別れたのかは原作でも曖昧なままだったからな。
「デスティニープラン、ねぇ。それもお前の歴史の流れを知る力で?」
「ああ。……もっとも、歴史は既に本来の流れから大幅に変わっている。もう俺の知ってる歴史の流れになる事は無いだろうけどな」
「へぇ、具体的にはどんな風に変わったんだ?」
「さて、な。それを教えるのは色々と刺激が強いだろうし、所詮既に変わった歴史だ。気にしても意味は無い」
まさか、ナタルの乗ったドミニオンのローエングリンで記憶を失い、ブルーコスモスの部隊指揮官になるなんて言える訳もない。例えそのローエングリンを撃ったのがナタルではなくアズラエルだとしても、だ。
「さて、取りあえずここでの用事は済んだ。そろそろアークエンジェルに戻るとしようか」
どこか誤魔化すようにそう言い、プラントからアークエンジェルへと戻るのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:615
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
???
???
???
撃墜数:374
ページ上へ戻る