ヘタリア大帝国
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TURN68 連合軍の反撃その七
この中にはエルザもいる、彼女はふと娘に言った。
「セーラちゃんイタリンはどうするのかしら」
「あの国ですか」
「そう。ドクツは分割統治で話は決まってるけれど」
だがそれでもだというのだ。
「イタリンはどうなっているの?」
「実はソビエトもあの国には特に関心がない様なのです」
セーラは表情は困った感じだがその緑の目に微妙なものを見せた。
「それでイタリンのことはエイリスに任せると言ってきました」
「確かオフランスにベルギー、オランダもよね」
「西欧はそう決められています」
「じゃあイタリンもエイリスがどうするかよね」
「ベニス統領は軟禁とします」
それで終わりだというのだ。
「それでいいです」
「そうね。あの統領は無害だから」
「悪いものは見受けられません」
人間としてそうだというのだ。
「ですから軟禁で終わらせます」
「イタリン自体はどうするのかしら」
「エイリスが統治します」
そうするというのだ、イタリンについては。
「ですが特に処罰とかは」
「考えていないのね」
「ドクツは敵ですが」
セーラもイタリンに対しては今一つ歯切れが悪い。
「しかしそれでも」
「イタリンには特に思わないのね」
「苦戦した記憶もありませんしポルコ族も無害ですから」
弱いが害はないのが彼等だ。
「放っておいていいと思います」
「ええ、私もイタリンについてはそう思うわ」
これはエルザもだった。やはりイタリンには彼女も厳しいことをしようとは全く思えなかった。それで言うのだ。
「寛大にいきましょう」
「そうします」
「はい、そして落ち着いたらですが」
話はそこからもだった。
「日本、いえおそらくガメリカも中帝国に敗れます」
「USJで負けたわね」
「勝負はありました。彼等の敗北は決定的です」
「あの二国は日本の軍門に降るわ」
エルザもこのことを確実視している。
「間違いなくね」
「そうです。ですから今度の敵は」
「太平洋全体が相手になるけれど」
「ソビエトも太平洋に向かいます」
「つまり連合国の残る二国で太平洋と戦うことになるわね」
「はい、そうなります」
これが今度のエイリスの戦争になるというのだ。エイリスとソビエトの二国でドクツを倒した後太平洋だった。
このことを話してだった。セーラはあらためて一同にこう告げた。
「それではですが」
「あっ、もう時間だな」
セーラの言葉が出た瞬間に部屋の時計、エイリスらしい木造の古風な壁時計の音が鳴った、それでイギリスも声を出した。
「そうだな」
「それではです」
「お茶にするか」
「何時でもお茶は飲みたいものです」
エイリス人だからである。
「ですから今から飲みましょう」
「じゃあ早速ね」
マリーも微笑んで何処からともなくティーセットを出してきた。そしてだった。
一同は紅茶を楽しみだした。そしてそれはモンゴメリーとイギリス妹も同じだった。
オークの司令室でモンゴメリーは優しい微笑みでイギリス妹の白いカップに紅茶を注ぎ込みながらこう彼女に告げた。
「間も無くです」
「はい、反撃ですね」
「北アフリカに全軍で攻め込みます」
「そして北アフリカを奪還しますね」
「それからナポリです」
そこを攻め取るというのだ。
「そしてローマです」
「イタリンを攻め取りそのうえで」
「ドクツ本土を目指しましょう」
「まさかそれが出来る様になるとは思いませんでした」
イギリス妹はスコーンを手に取り口の中に入れた。
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