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黒と白

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第四章

 後ろには森があり前には町と海がある。夕刻の赤い世界の中でだ。二人はその公園に来た。
 そこで二人は町と海を見た。そうしてだ。
 麻美がだ。微笑んで言ったのだった。
「私ここ好きなのよ」
「町と海が見渡せるからだよね」
「とても奇麗だからね」
 それでだというのだ。
「だから好きなの」
「俺もだよ」
 そしてそれはだ。自分もだとだ。龍輝は応えた。
 そしてそのうえでだ。彼はだ。
 町を見ながら麻美にだ。こう切り出した。
「あのさ」
「あの?」
「今日麻美ちゃんの誕生日じゃない」
 この言葉と共にだ。麻美を見た。
 その顔をだ。そしてそのうえでだった。
 彼女にだあるものを出してすぐにだ。それを彼女に付けた。それからだ。
 鏡を出してそうしてそれもは差し出してだ。言ったのだった。
「ちょっと見てみて」
「何をしたの?」
「鏡見ればわかるから」
 こう麻美に言うのだった。
「それでね」
「鏡って」
「見てみて」
 何かわからずきょとんとしている麻美にまた言った。
「そうして欲しいんだ」
「何かよくわからないけれど」 
 彼が何をしたのか何が言いたいのかわからずにだ。麻美はきょとんとしたままだった。
 だがそれでもだ。龍輝が言うからだ。その小さな鏡を受け取りだ。
 その中にいる自分を覗き込む。するとだ。
 髪にだ。白いものがあった。それはというと。
「マーガレットの」
「そうだよ、髪飾りだよ」
「これがひょっとして」
「そう、俺からのプレゼント」
 にこりと笑ってだ。龍輝は麻美に話す。
 そしてだ。さらにだった。
 ケーキ、ザッハトルテが入った白い箱も差し出す。このことについても麻美に話すのだった。 
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