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第二章

 しかしそれでもわからずだ。困っているのである。そしてここでだ。
 雑誌のうちの一冊を出してだ。それを開く。そこにあったのは。
 ブラだった。下着のプレゼントも考えたのだ。しかしそのブラについてはだ。
 クラスメイト達はだ。苦笑いでこう彼に言ったのである。
「それは駄目だな」
「麻美ちゃん胸はなあ」
「ちょっと以上に薄いからな」
「だからブラをプレゼントするのは」
「かなり難しいと思うけれど」
「ブラな。それは俺もなあ」
 どうかと考えているとだ。龍輝自身も述べる。
「難しいよな」
「そう、薄いブラをそのまま出すのも女心を害するぜ」
「かといって寄せあげはもっと危ないしな」
「だからそういうプレゼントはちょっと」
「止めた方がいいでしょ」
「だから。俺もこれはあげないから」
 また言う龍輝だった。
「それに俺達まだキスまでだしな」
「おい、随分奥手だな」
「付き合って半年でまだキスまでかよ」
「それってどうなんだよ」
「奥手過ぎるでしょ」
「それはまあ言わない約束でな」
 強引にだ。龍輝はその話を終わらせた。そうしてだ。
 そのうえでだ。彼はあらためて言ったのである。
「本当に何がいいだろうな」
「そうね。ここはね」
 クラスメイトの中のだ。女の子が言ってきた。
「麻美ちゃんを引き立てるものがいいんじゃないの?」
「引き立てるもの?」
「そう、麻美ちゃん奇麗だけれど」
 肌も奇麗でだ。細目がまた顔に似合っているのだ。均整のとれている美人なのだ。
 その麻美の外見を脳裏に思い浮かべながらだ。彼女は龍輝に言うのだった。
「その奇麗さを際立たせるね」
「そんなのがいいって?」
「そう、それどうかしら」
「そうだな、麻美ちゃんのなあ」
 彼女の話を聞いてだ。龍輝はまた考える顔になった。
 そしてだ。こうクラスメイト達に言うのだった。
「まず胸は置いておいてな」
「ああ、それはな」
「ちょっと以上に置いておいてな」
「忘れてな」
「そのうえで」
 あらためて考えるというのだ。それでだった。
 龍輝はだ。こう言ったのである。
「とにかく。麻美ちゃんに最高のプレゼント用意するからな」
「ああ、まあ頑張れ」
「応援はするからね」
「相談にも乗るからな」
「まあ一つは決めたさ」
 プレゼントは一つとは限らない。それでだ。
 その一つについてだ。彼は仲間達に言ったのである。
「ケーキな」
「ケーキかあ。それいいよな」
「そうそう、ケーキ嫌いな人いないしな」
「麻美ちゃんもケーキは好きだし」
「いいと思うわよ」
「ザッハトルテな」
 龍輝が言うケーキはそれだった。
「それにするな」
「ああ、それか」
「オーストリアのケーキか」
「あのかなり甘いチョコレートのケーキ」
「それにするのね」
「ああ、一つはそれにするからな」
 龍輝はこう仲間達に話す。 
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