ONE PIECE NOVEL -SHISHI BREAK STORY-
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第10話 包囲壁突破
「そんな…!?大将達が……!!」
「海軍本部の最高戦力と呼ばれているんだぞ!?」
シシの攻撃で3大将が苦戦する姿を見た海兵達はますます動揺して慌てふためいていた。一方、海賊達の方は……
「ウォォー!!やってくれるぜ!!あのヤロー!!」
「あいつの力!大将と互角…いや、それ以上かもしれねぇ!!」
「あいつとオヤジがいれば、俺達は負けねぇぞォー!!!」
圧倒的な力を目の当たりにして、士気をますます上げた…それは湾頭にいた海賊達にも影響を与えた。
「あの男が作ってくれたチャンスを無駄にするな!!こいつらも仲間割れで戦力は減っている!!俺達が踏ん張らなきゃあ、オヤジに笑われるぞ!!」
そう言う海賊の目の前には所々に穴があいたパシフィスタが横たわっており、さらにその先ではシシが暴走させたパシフィスタが機械の部分を露出させて、未だ暴れ回っていた。
「『足空独行』(アシガラドッコイ)!!」
「!!?」
ドン!!!!!
しかし、その隙をついて戦桃丸の放った強力な突っ張りが海賊を吹き飛ばしたが、それでも海賊達の士気は下がらなかった。
「ちっ!!あの男!厄介な事して行きやがって…!!パンク野郎にどう説明すりゃあいいんだ!?」
パシフィスタ同士が戦って破壊されていく様子を戦桃丸は苦々しく見ながら、溜息をついた。
「何?『息子達を俺に近づけるな』…だと?」
「ああ。」
俺は次の行動を開始するために『白ひげ』にある要求をしていた…それは『白ひげ海賊団』の船員や傘下の海賊達を俺の周りに近づけさせない事だった。
「いきなりだな……どういう事か理由を聞こうじゃねーか?」
「センゴクが言っていた『包囲壁』…そいつがこれから行おうとしている作戦の要になっている。もし、『包囲壁』が展開されればこっちも相当な被害を受けるのは確かだ。だから、まずは目の前にいる敵をある程度片付ける必要がある。その間にだけ近づけないようにしてほしい……俺が出れば、間違いなくアンタの仲間にまで、被害が出るからな。」
俺はオーズが倒れている場所を指差しながら、『白ひげ』に答えた…『白ひげ』の仲間を傷つけるつもりは毛頭ないが、念には念を入れておかなければならないからな。
「ある程度の敵を片付けたら、俺は『包囲壁』を突破するための準備にかかる。そっからはアンタが相手をしてくれ…それにアンタはまだ『切り札』を出していない……そうだろ?」
「!!……シシ、お前はホントに面白い男だな。」
俺は『白ひげ海賊団』の船が全て出揃っていないことを知っているため、その事をニヤリと笑いながら言うと、『白ひげ』もその事について知っている俺にニヤリと返しながら答えた。
「グララララ!!いいだろう!息子達には離れるよう俺が言ってやる。てめェの好きなようにしろ!!」
「ありがとな。それじゃあ、海賊達のことは頼んだぜ!!」
『白ひげ』の言葉と共に俺はすぐに移動を始めると、それを見ていた『白ひげ』は……
「ますます息子に欲しいぜ…あいつは。いいか!!野郎共!!」
「「「!!」」」
シシを自分の息子にしたいという願望がますます大きくなりつつも、シシとの約束を果たすために広場に向かって突き進んでいる海賊達にも聞こえるように大声を出した。
「今からジンドウ・シシが敵を片付ける!!奴が相手をしている間、そばに寄るんじゃねェぞ!!もし、近づいてケガでもしやがったら承知しねェぞ!!」
「「「オウ!!!」」」
『白ひげ』の言葉に海賊達は勇ましく答えると、すぐに俺から距離を取り始めた。
一方、俺の周りから次々と海賊達が離れていく光景に海兵達は驚きと好機の声を上げる
「おい見ろ!…海賊達があの男から離れていくぞ!?」
「一体どういう事だ…!?」
「よく分からないが、今がチャンスだ!!奴が『白ひげ』の力を使う前に何としてでも討ち取るんだ!!!」
その一言と共に海兵達は俺を討ち取ろうと続々と手にした武器で俺に襲いかかろうとするが……
「よし、そろそろいいか……『毒竜』(ヒドラ)。…さあ、行ってこい!!」
ドプン!!
俺は先に進みながら、海賊達が周りから離れたのを確認すると共に全身から紫色の液体が流れ出し、俺の頭上で3つ首の巨大な竜の形になり、腕を前に差し出すとその内の1つが前方にいる海兵達を口から飲み込んでいった。
「え!?あれは確か…インペルダウンのマゼラン監獄署長の能力!?」
「どうなってんだ!?能力を2つ使えるなんて、あり得ないぞ!!」
「うわぁぁぁぁ……助けてくれェ……」
「…ぐおぁあああああ!!痛ェよーーー!!」
「その毒に触るな!!同じ目にあうぞ!!」
俺の放った攻撃に驚愕する海兵の目の前で攻撃を受けた海兵達はその毒の凄まじい痛みでのたうち回ったり、他の海兵達に手を伸ばして助けを求めたりしていた。
「そりゃあ痛いだろうな…こいつの毒は神経性の麻痺毒だ。早く手当しないと手遅れになるぜ?」
「う、撃て−!!あの男を何としてでも止めるんだぁーーーーー!!」
ドン!!ドン!!ドン!!ドン!!
「ふぅ、せっかく親切で言ってやってるのに……『毒の道』(ベノムロード)!!」
俺の気遣いの言葉に銃や大砲で答える海兵達を見ながら、俺は軽く溜息をつきながら毒竜を海兵達の頭上へと伸ばし、その中に潜り込んで口へと移動すると腕をクロスさせて両手それぞれの親指と人差し指で輪を作る。
「『八尺瓊曲玉』(やさかにのまがたま)。」
ピカッ!!
強烈な光と共に作った輪から無数の光弾が発射され、海兵達の足下に次々と着弾して小規模の爆発を引き起こすと、その爆風により海兵達が吹き飛ばされた。
「うわぁあああ!!!」
「今度は『黄猿』大将の能力!?あの男は一体いくつの能力を持っているんだ!?」
「ウソだろ!?夢なら醒めてくれぇーーーー!!!??」
何事もなく着地して歩みを進める俺に一部の海兵達の中には恐怖に駆られて、戦意が喪失している者もいたが、それでも攻撃の手を休める事はなかった
「まだまだ!『百花繚乱』(シエンフルール)……」
「うわっ!か、体が…!?」
「だ、ダメだ!!…腕が動かない!!?」
再び手をクロスさせると周りにいた海兵達の体から腕が生え始め、首や腕を拘束してだんだんと後ろに
逸らしていき、そして……
「『クラッチ』!!」
ボキッ!!
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!!」
最後の一押しとばかりに力を入れると背骨から大きな音が聞こえて、ドサドサッと口から泡を吹きながら海兵達が仰向けに倒れ込む姿を見た俺はさらに……
「もういっちょ!『ネガティブ・ホロウ』!!」
ネガティブ♪ネガティブ♪ネガティブ♪ネガティブ♪
俺は人の心を虚ろにするゴースト達を出現させて、他の海兵達の体をすり抜けさせると海兵達は膝をつき、憂鬱な発言が飛び出す。
「何か生まれてきてすいません……」
「脇役なのに…目立ってすいません。」
「俺なんかが、海兵になるなんて…死のう。」
そんな海兵達を見ながら俺はこれだけやれば充分だろうと思い、目の前の大気に『ドアドアの実』の能力でドアを作ってその扉を開ける……最初からこうすれば良かったとも思ったが、『白ひげ』の負担も減らさないといけないからな…負傷は免れたとはいえ、持病には注意しないといけねーし……
「ま、それは後にしよう。にしても……うわー…めちゃくちゃ沈んでるな。ネガティブの力、恐るべしだな。そんじゃま、包囲壁をぶっ壊すための準備でもするかな……『空気開扉』(エアドア)。『白ひげ』!!俺はこれから準備を始める!!こいつらの相手はまかせたぞ!!」
「グララララ!!…ああ!!行ってこい!!俺が行くまでには道ィ開けとけ!!」
俺はドアの中に入る前に大笑いする『白ひげ』の方へ顔を向けて、小さく頷くとそのまま中に入ってドアを閉じた。
「き、消えた……」
「だ、だが、これで相手は『白ひげ』だけだ!!」
その光景を見ていた『白ひげ』の隙を狙って、他の海兵達が攻撃を仕掛ける。
「『白ひげ』覚悟ォ!!!」
「!?オヤジ!!あぶな……」
それに気付いた海賊達が『白ひげ』を助けようとするが……
「オラァアアアアアアア!!」
『白ひげ』は手に持った薙刀に地震の能力を付加して、横に薙ぎ払うと強烈な衝撃と共に海兵達が宙を舞って吹っ飛ばされた。
「てめェらごときに俺の命が取れるか!!野郎共!このまま広場まで突っ走れェ!!!」
「「「オオウ!!!!」」」
『白ひげ』と海賊達は一斉に行動を開始し始めた。
一方、ルフィは『白ひげ』とシシが同じ能力を使って、氷壁を砕いた光景を見た後に『白ひげ』が島を傾けたため、氷の下に落ちる所を寸前で回避していた。
「…ハァ……ハァ……危なかったァ!!もうちっとで落ちる所だった!…にしても、あのおっさん無茶するなァ!敵味方も関係ないのか!」
「心配せんでも船員達はオヤジさんの能力を分かっとる。その証拠にちゃんと彼らは避難しとるわい……それよりもわしが驚いたのはシシ君のほうじゃ。」
ルフィの不満に当然の様に答えるジンベエだが、それよりもシシが起こした行動についての方が衝撃を受けていた。
「能力者じゃとは分かっとったが、まさか2つ以上の能力…それも1つはオヤジさんと同じ能力を使うとは……信じられん。」
ジンベエは自分の目で見た光景が信じられずにいたが、それに対してルフィは……
「そうか?おれはシシがどんな奴だろうが関係ねーし…それにアイツは悪い奴には見えねェ!だから、俺はアイツを信じるし、仲間にもしてーんだ!!」
「ルフィ君……」
ジンベエの言葉にも一切疑うことをせずに、シシを信じているルフィをジンベエは感心した様子で見ていた。
「よし!!邪魔がなくなったぞ!!これで上に行ける!!」
邪魔をしていた海兵達がいなくなったことに気付いたルフィはチャンスとばかりに腕を伸ばして広場へと入ろうとするが、その時……
ガガガガガ!!!
「!?…何だ!?」
下から迫り上がってくる壁によって、伸ばした手が弾かれて行く手を阻まれる……他の海賊達も突如出現した壁に驚き、破壊しようと手にした武器で殴りつけるが、逆に破壊される。
「これか!?奴らが言ってた『包囲壁』ってのは!!」
「ちくしょう!!砲口が全部こっちに向いてやがる!!」
その間にも出現した壁は海賊達を取り囲むように展開され、広場へ突入する道が閉ざされる…ただ一部を除いて。
「オーズのいる場所の壁が……おい、どうなってるんだ!!?完璧に作動させるんだ!!」
「はい!!…ですが『包囲壁』がオーズの巨体を持ち上げられない様子で……どうやら奴の血がシステムに入り込んで、パワーダウンを起こしている様です!!」
「ぬぅぅ……!!」
センゴクが唯一『包囲壁』が展開されていない場所…エースを助けるために踏み込み、モリアによって倒されたオーズが横たわっている場所の『包囲壁』が作動していない事に気付いて、作動させるよう命令を下すが、海兵の報告にうなり声を出した。
「オヤジ!!あれは……!!」
「ああ、見えてらァ。こいつがセンゴクの作戦か……やってくれるじゃねェか!!」
『白ひげ』は前方で展開された壁を見てやや苦々しい表情を浮かべているが、焦りはなかった、なぜなら……
「いいか!!壁の事は気にするんじゃねェ!!構わずに広場を目指せ!!アイツなら……シシなら必ずやってくれらァ!!」
「オヤジ……そうだ!!あの男なら必ずこの状況を変えてくれるはずだ!!」
「オヤジの言うとおりに広場を目指せェーーーー!!!」
海賊達は一時は不安になっていたが、『白ひげ』の言葉に気を持ち直して、再び進行を開始する。
「シシ……俺ァ、信じてるぞ。」
『白ひげ』はニッと口元に笑みを浮かべると、手に持った薙刀を振るった。
「『ゴムゴムの……風船っ』!!」
ボヨン!!
ルフィは壁が出現した後に何とかして上に登ろうと試みるが、それを察知して備え付けられた大砲から砲弾が放たれると空気を大きく吸い込んで、腹で砲弾を跳ね返して壁にぶつけるが、ビクともしない。
「ハァ……ハァ……くそっ!!大砲が邪魔で前に進めねェ!!」
「こりゃあ、何とかせにゃいかんのう。」
激しく呼吸をするルフィに厄介そうに壁を見上げるジンベエ。
「こうなりゃ、強引にでも……」
そう言ってルフィは再び手を伸ばすそうとするが……
「待てよルフィ。」
「「!!」」
突然、大気にドアが出現して開き、同時にその中から現れた人物に声を掛けられてルフィとジンベエは振り返ると……
「シシ!!」
「シシ君…!!」
2人の安堵の表情を見た俺はドアから出ると、2人の前へと歩み寄った。
「悪いな、遅くなって。」
「気にすんな!それより、あの壁をどうにかしねーといけねェんだ!シシも手伝ってくれねェか!?」
「ああ、もちろんだ。そのためにここまで来たんだからな……で?何か作戦でもあるか?」
「うーん…………」
俺の問い掛けにルフィは腕を組むと、難しい顔で考え始める……そして、何か閃いたかのように頭の上に豆電球が光った。
「そうだ!!いい作戦がある!!」
「………何だ?言ってみろ。」
多分…いや、絶対にろくな事ではないと俺は感じていた……だって、ルフィの思いついた作戦だぞ?大概が無茶な事に決まっている。
「あの場所から突入するんだ!!あそこだけ壁がねェしな!!」
ルフィはそう言いながらオーズの倒れている場所を指差した…俺は思わず頭を抱え込み、そして……
バチコーン!!!!!
「ぶべっ!?」
ルフィの顔に思いっきりビンタをお見舞いする…その衝撃で首が若干伸びたがすぐに戻ると、ルフィは何が何だか分からない表情で文句を言ってくる。
「何すんだよ!シシ!!」
「お前はアホかぁ!!あんなにあからさまな道があったら、敵も警戒するに決まってるだろーが!!通った瞬間に狙い撃ちされるのがオチだぞ!!」
「んじゃあ、どうすんだよ!!」
大口を開け、目を飛び出させて怒鳴りつける俺に反論するルフィ……まさか、ルフィにビンタをする日が来るとは夢にも思わなかったな。
「……シシ君の言う通りじゃ。」
俺達のやりとりを見ていたジンベエが口を開いて、俺の言葉に賛同する。
「海軍とて愚かじゃない…隙のある場所が出来たんじゃ。そこを警戒するのは最もじゃろう……だが、ルフィ君の言った事にも一理ある。あそこが唯一、鉄壁の穴……そこを利用するしかないじゃろう。」
チラリとオーズの倒れている場所を見るジンベエ…そんな様子に俺は頭を掻きながら、溜息をついた。
「ハァー……ルフィ、ジンベエ。」
「「?」」
「俺が何のためにここに来たのか分かってるか?あの壁をどうにかするために俺は来たんだぞ?」
ルフィもジンベエも忘れている…ここには本来いるはずのない男がいることに……
「じゃが、入り口はあそこしか……」
「なら、もっと広げればいい……それで解決するだろ?」
「「!!」」
俺は2人の前に出ると、目の前にある壁を見上げて、拳を握ったり閉じたりして声を掛ける。
「これから俺はあの壁……オーズから右隣2つくらいを破壊する。それだけやれば、充分だろう。そこで2人には俺の手伝いをしてもらいたいんだが…どうだ?」
2人の方を向いて、真剣な表情で提案する俺に2人は……
「おれは手伝うぞ!!シシ!!何か面白そうだ!!」
「……分かった。他に方法がない以上、シシ君の提案に賭けるしかないのう。」
「ありがとな2人共……それじゃあ、行くぞ!!」
「おう!!」
「ああ!!」
ルフィは笑顔を見せながらノリノリで…ジンベエは腕を組んで深々と頷くのを見た俺はすぐさま走り出し、2人も同じよう走り出した。
「ん!?……あれは!?」
「おい!!『麦わらのルフィ』だ!!ジンベエと……『白ひげ』と同じ能力のあの男もいるぞ!!」
「え!?確かあの男、前の方で戦ってたんじゃ……」
「分からないが、とにかくあの3人を止めるんだ!!」
迫ってくる3人を見た海兵達は一斉に攻撃を仕掛けてくるが、3人は……
「「「どけぇーーーーーーーー!!!!」」」
「うわぁああああああああ!!!!!!」
「ダメだ!!止められない!!」
勢いそのままに海兵達をなぎ倒して、壁の近くまでやってくると壁にある大砲がこちらに向けられる。
「それじゃあ、始めるぞ!!」
そう言うと俺は掌を氷に押しつけて、力を込めると俺の体に強力な冷気が発生し始め、そして……
「『氷河時代』(アイスエイジ)!!」
その冷気は氷を通して、オーズの隣の壁へと伝わっていき、瞬く間に氷漬けとなった。本来、この技は一面の海を凍らせる程の威力を持っているが、シシはその威力をコントロールして壁だけを凍らせるようにしていた。
「な!?壁が……凍ったぁ!?」
「『黄猿』大将だけじゃなく、『青キジ』大将の能力まで使うのか!?」
目の前の出来事に驚き、慌てふためく海兵達……それを見たセンゴクと3大将も
「こ、こんなバカな事が……」
頭を押さえながら顔を青ざめて、驚愕の表情を浮かべるセンゴク。
「まさか『白ひげ』だけじゃなくて、俺の能力まで使っちゃうとは……」
「ついさっきは、わっしの能力まで使われたからねぇ~~~。サカズキ…こりゃあ、君の能力も持っていると考えた方がいいねぇ~~~~~。」
「……生意気な小僧じゃあ!!」
3大将の面々もシシの行動に驚きと怒りを覚えていた。そんな中、事態を重く見たセンゴクが『赤犬』に対してすぐさま指示を出した。
「いかん!!このままでは…『赤犬』!!さっさと始めろ!!」
「!!」
センゴクの指示に『赤犬』は準備を始めるが……すでに遅すぎた。シシ達は壁の前まで来ており、指示を出していた。
「ジンベエ!!あんたは隣の壁を頼む!!俺とルフィは目の前の壁をやる!!」
「分かった!!……『魚人空手』!!」
ジンベエは方向を変えて、隣の壁の前へと移動して、構えを取る……その姿を見た俺達も壁の前へと移動して準備を整える。
「俺達もやるぞ!!ルフィ!!」
「ああ!!」
「「『ギア3』!!『骨風船』!!!」」
そう言うと俺は左手、ルフィは右手の親指を噛むと思い切り骨に空気を入れて膨らませて、それを反対の腕へと移動させる。
「『鮫瓦』……!!」
「「『ゴムゴムの』ォ~~~~!!」」
ジンベエは右手に力を入れ、俺達は後ろに捻りながら巨大化した腕を伸ばすと、同時に技を放った。
「『正拳』!!」
「「『2つの巨人の回転弾』(ダブル・ギガント・ライフル)!!!」」
ドゴォーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!
『王下七武海』の1人『ゲッコー・モリア』を退けた正拳突きと巨人族の腕に回転を加えた2つのパンチが決まり、氷漬けになった壁が音を立てて崩れ去っていった。
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