なのは一途のはずがどうしてこうなった?
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第十三章 スバル時々なのは
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度し難い変態とは誰だと問われればティアナ・ランスターは自信を持って答えられる。
そう、スバル・ナカジマだ。
実の所スバル・ナカジマは人見知りである。
そんな彼女だが、嬉しいことに自分のことを理解してくれる同僚に、ロリとショタまで付いてきて、さらに尊敬する人物が二人共々上官に着いたことが彼女の思考をしばし混乱させていた。
「ねぇ、ティア知ってる?」
「何をよ?」
訓練中に話しかけられてティアナ・ランスターは自分の采配に何かしら文句でもあるのかと思った。
「エリオとこの前一緒にお風呂に入ったんだけどさ。まだ毛も生えてないショタきのこだったよ」
「訓練中に馬鹿なこと言ってんじゃないわよ?!」
次いで浴びせられたのは、
「おいおい、訓練中におしゃべりとは余程退屈な訓練みたいだな。よーし、頑張っちゃおうかな」
ミウラ・ケイタの残酷な言葉であった。
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ズタボロという言葉が似合うのは新人達全員であった。
そもそも、機動六課の訓練は他に比べ厳しい部類に入る。
少数精鋭であるからその密度は濃いのだ。
「いやー、今日もクタクタだね!」
「なんでアンタはそんなに元気なのよ……」
スバルの元気さが羨ましい。
「だって、ティア。この後はお風呂だよ? ショタにロリと合法的に見れるんだよ?!」
「はぁー。訓練で頭がおかしくなったのね」
元よりこんな感じで頭のネジが緩んでいる相手だったことを忘れていた。
全く、人の気も知らないで、気楽よね。
まあ、ショタの部分は賛同できるけど。エリオのお尻にミウラさんのアレがインしてパンパンに……。
「ティアー。今日はエリオ一緒にお風呂遠慮するってさー。なんかミウラ教導官と居残り訓練だって」
ちっ。
まあ、今日は我慢しておこう。
いや、秘密の居残り訓練って結構いいシチュエーションね。
やっぱり、ダメダメなエリオをミウラさんが……。
「わー、キャロー。今日もつるつるだね」
「ちょっと待てー!」
純粋無垢な幼女を魔の手から守らなくてはいけない。
せっかくのお風呂なのに、疲れるって私ってエライわ!
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「エリオ。まだ踏み込みが甘い。もっと突きのスピードをあげるなら肉体的な加速も必要になってくる。だが、エリオはまだ肉体が成長しきっていない」
「はぁ、はぁ。そうですよね。まだまだ、僕には足りないものばかりですね」
ミウラ・ケイタは感心する。
エリオのひたむきな姿勢。
自分自身にできることを理解しており、その上で出来ることが無いか探っている。
言わば成長中の花だ。
「肉体的なものは後々付いてくる。今はその下地として技術を磨こう。スピードを活かした戦法、悪くは無いと思うぞ」
「はい! ありがとうございます」
返事は男そのものだ。
「じゃあ、居残り訓練は終了だ」
「ご苦労様です」
律儀に敬礼を受けた。
「さて、風呂にいくかー」
「はーい」
きちんと切り分けている辺り、エリオの今後の成長が楽しみな所だ。
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庁舎の部屋の振り分けは一人一部屋を使い切りだ、なのは達上官は全員一人一部屋という豪勢な割り振りであった。
だが、俺となのはの部屋が隣同士であったのにはさすがに驚いた。
はやては俺達の事を認めていない様子であったのだが、やはり仕事上近い方が利便性が良いという判断だろうか。
「ケイタ。来ちゃった」
音符マークが付きそうな口調でさも普通に壁側から俺の部屋になのはが侵入してきた。
「おい、壁は?」
「んー? 無いね」
高町なのはの得意技、壁抜き。
そうか、壊したか。そうか……。
「ポスターで誤魔化しておいたから大丈夫なの」
「そういう問題じゃないと思う……」
それでも可愛らしい彼女に甘いと自分でも思う。
「バレなければ問題はないの」
言い切った。
それに対して俺の言葉を待たずに、
「んっ」
唇を合わせられた。
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攻防としては女の方が攻撃的であった。
唇から舌を這わせて下に移動する。
その筋道を開ける様に手は服を脱がしていった。
とりわけ、口と手で男の物を攻めるのが巧くなっていた。
男のほうは直立のまま相手の成すままに受け入れた。
膝立ちで奉仕する姿を見るのはやはり男としての情欲を満たすものがある。
それでもやはり、互いに気持ち良くなりたい、させたいと思うのが男女の言葉のない意思疎通であった。男は前かがみになって臀部から手を滑らせて秘所を弄ぶ。
負けず劣らずで互いに果てるまで互いにせめぎ合う。
そして、互いに準備が整い繋がるのだ。
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高町なのはの人生最大のミスであった。
壁抜きをして風通しを良くしたまでは良かったのだが、朝方にミウラ・ケイタの部屋の扉から外に出て自分の部屋に戻ってしまったのだ。
うっかりミスであった。
それをあろうことか偶然にも早朝訓練の申し込みに訪れていたスバル・ナカジマに発見されてしまったのであった。
「スバル、お願いだから内緒ね?」
「ええ、もちろん、なのはさんがミウラさんとそういう関係だとか思ってませんよ。ええ、夕べはお楽しみだとか、恋人だったとか、スキャンダルだとか思ってませんとも」
スバル・ナカジマの内情は、憧れの二人の秘密を握れたという喜びに満ちていた。
だからこそ、お願いするのだ。
「うぅ~、どうすれば黙ってくれるのかな?」
「私の願いは、サンドイッチですね」
そう、比喩する。
つまりは、
「3Pでお願いします」
満面の笑みで言い放った。
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偶然と必然。
幸運と悲運。
絡まる糸から逃れられない。
配点:(主人公)
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