ヘタリア大帝国
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TURN68 連合軍の反撃その四
「とても補給も緊急修理も」
「できませんね」
「到底」
「ラトビア、ベラルーシ、カテーリングラードのラインを守れないわ」
その反撃ポイントでだというのだ。
「とても」
「はい、どうしましょうここは」
「この状況は」
「この物資と資金なら」
グレシアはデータにある三つの星域の資金と物資の状況を見て述べた。
「それぞれ一個艦隊程度よ」
「既にそれぞれ十個艦隊程度の資金と物資を送ったつもりでしたが」
「桁を一つ間違えていました」
これが後方担当の参謀達のミスだった。
「それでこれだけです」
「各星域で一個艦隊をどうにか出来る程度です」
「それだけしか送っていませんでした」
「まことに申し訳ありません」
「いいわ。私もチェックを怠ったわ」
グレシアも多忙を極める中でついついそうしてしまっていた。
「ミスはお互いね」
「そうですか」
「問題はこれからね」
グレシアはあらためて参謀達に述べた。
「何処で踏み止まるべきかしらね」
「やはりリトアニア、ロシア平原、ウクライナのラインですね」
参謀の一人が述べた。
「そのラインしかありません」
「そうね。そこに資金と物資を送りましょう」
「それで何とかです」
「踏み止まりましょう」
「我が軍は十八個艦隊」
グレシアは三つの軍集団を合わせた艦隊数を述べた。
「国家艦隊も入れてね」
「対するソビエト軍は今や百個艦隊です」
「シベリアからも軍を持ってきました」
「それにどう対するか」
「五倍以上の戦力で」
「これまでは圧倒的な火力と機動力で一気に攻めてやってきたわ」
ドクツ軍得意の電撃戦だ。
「戦いの主導権を握ってね」
「それで圧倒的な数の敵にも勝ってきました」
「そうしてきましたが」
「それが出来なくなったら」
グレシアは難しい顔で述べた。
「我が軍はもうね」
「脆いですか」
「短期決戦でなければ」
「その通りよ。波に乗れば圧倒的な数の相手にも勝てるわ」
これまでのドイツ軍がそうだった様に。
「けれどそれが失敗すれば」
「今ですか」
「今の様になりますか」
「ええ、そうよ」
グレシアは難しい顔でまた答えた。
「今は流れを取り戻すしかないわね」
「ではロシア平原等で」
「何とか持ち堪えましょう」
参謀達もそれで守勢に立つことはわかっていた。だがそれでも最早こうするしかなかった、この失態はドクツにとって高くつくものになった。
そのドクツに対してカテーリンはエストニア等を奪還したと聞いて間髪入れずにこう参謀達に指示を出した。
「資金と物資は後は考えずに送るのです」
「そして戦いの後で一気に緊急修理と補給を行いですか」
「そのうえで」
「そうです。ドクツ軍を押し潰すのです」
まさにそうしろというのだ。
「ベルリンまでそうします」
「じゃあカテーリンちゃん、ドクツの後は暫く」
カテーリンの横にいるミーシャが尋ねる。
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