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魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

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後日談
  ⑮~『魔法使い』がやってくる(中編)

 
前書き
ネコアルク「さて、次は中編だにゃ~」

はやて「またこいつとやるんか……」

ネコアルク「お?悪いがただでサインをやるわけにはいかんにゃ。アチシのファンのみんなが怒りだしちまうからにゃ~」

はやて「(この猫…殴りたい………)」

ネコアルク「猫パーティー、始まるよッ!」

はやて「だから違うやろ!」 

 
side なのは


夜。私とフェイトちゃんと凛さんは私と士郎君の部屋にいた。
その理由はというと……


「さあ、暴露大会を始めましょうか」


凛さんの一言で火蓋を切った暴露大会。まずはフェイトちゃんからだ。


「それじゃあ何を話す?」
「そうね、結婚式の事とか?私忙しくて式挙げてないのよね」
「そうなの!?」
「でもいいのよ。人の話聞くだけでも楽しいから」
「それじゃあ私のを話すね」


フェイトちゃんはそう言って自分の結婚式のことを話し出した。




………………………………………………………………


「そう。ようやく決心してくれたのね」

 
通信で話すリンディさんとフェイトちゃん。
2人とも笑顔だ。


「それで、式の段取りとか相談したいんだけど……」
「あら、その心配はないわよ」
「え?」


驚くフェイトちゃん。
リンディさんの真意がわからないからだ。


「もう終わってるから」
「……ど、どういうことですか?」
「それはね……」
「はーい!それは私が説明しまーす!」
「エ、エイミィ!?」


いきなり通信に参入したエイミィさんが説明を始める。




………説明中………


「つまり、母さんたちもミッドに来るんだね?」
「そうよ。娘の晴れ姿を拝むために頑張ったんだから♪」


書類手続き、式場の用意、その他諸々の準備は既に終わっているらしい。
あとは本人たちのサインだけで準備は完了だそうだ。
準備が速すぎる……。


「それじゃあ書類送って置いたからね。式場の場所、日程とかは貴女とランスさんのを調整して決めてあるから確認しておいてね」
「はい、わかりまし……ってええ!?」


驚いて素っ頓狂な声を上げるフェイトちゃん。
まあそれが普通の反応だよね……。


「じゃ、そういうことで。またね、フェイト」
「ちょ、ちょっと待っ…」


そして通信は無常にも切られた。




…………………………………………………………………


「と、言うことがあったの…」
「マジ?」


翌日、送られて来た書類と共に今までの経緯をランス君に説明するフェイトちゃん。
書類には、リンディさんの手紙が一緒に付いてきたので、それを見ながらなのだが……。


「まさか婿養子とは……しかも日程まで完璧に調整されてやがる」
「ご、ごめんね。母さんが勝手に……」
「いや、いいさ」
「え?」


俯いていたフェイトちゃんが顔を上げる。


「どんな形だろうとお前とその子と一緒に居られるならな」
「ランス……」


その一言で桃色空間が発生。
ちなみにこの会話、本局の食堂で行われているのである。
きっとそのときの周りの人たちの心はひとつだっただろう。


『家でやれよ』





……………………………………………………………………


さてさて、時は流れて結婚式当日。
私、高町なのははと言いますと、はやてちゃん、リンディさんと共にフェイトちゃんの着付けを手伝っていました。リンディさんの希望で着物でやるんだそうです。それにしても着るの大変そう。


「ど、どう?変じゃない?」
「大丈夫大丈夫!すっごく綺麗だよ!!」
「ええ。これならランスさんもぞっこんよ♪」
「やべぇ、襲いたくなる……」


髪を結い上げ、化粧をしているフェイトちゃんは同性の私達から見ても思わず息を呑むような美しさだった。
約一名おかしなことを言っているが、無視することにしよう。


「さあ!あまり待たせても悪いし、行きましょうか!!」
「ええ!?ちょ、ちょっと待って!心の準備が……」
「問答無用じゃヴォゲええ!!」


娘の晴れ姿にハイテンションになったリンディさんと最早よくわからない状態になったはやてちゃんに連れ去られる形で会場に向かったフェイトちゃんを苦笑いで見送る私であった……。




…………………………………………………………………


「で、結局どたばたしちゃったんだよね」
「そうそう!はやてが暴走するし、ランスは悪戯するし…」
「あらら……」


結局フェイトちゃんの結婚式は酒が入ったはやてちゃんとランス君の暴走でフェイトちゃんはもみくちゃにされて大変そうだった。ランス君はどさくさに紛れてフェイトちゃんにセクハラをしていたらしいし。
だけど、フェイトちゃんは幸せそうだったし、良い結婚式になったと思う。


「じゃあ次はなのはだよ」
「わかったよ」


そうして私は語り始める……。




side ランス


女性陣が別室で盛り上がっているのと同時刻、俺達は酒を飲みながらリビングである会話をしていた。それは……


「お前ら、制服エプロンってどう思う?」
「「制服エプロン?」」


ハモったことでお互いを少し睨むアーチャーと坊主。
しかし、この会話は腹を割って話すべきもの。険呑な空気はお呼びでないのだ。


「まあ二人とも落ち着け。まずだな、俺が体験した話を聞かせてやろう」
「実体験か。それは興味深いな」


意外にアーチャーが食いついてきた。


「これは大分前の話でな、六課が解散してすぐの時だ」




…………………………………………………………………


「帰ったぞ~」


クロノからの呼び出しで本局に行って帰ってくるとだな、


「お帰り。ご飯もうすぐできるからもうちょっとだけ待っててね」


そういって台所から執務官の制服に淡いピンクのエプロンをしたフェイトが出てきたんだよ。お玉装備で。
その破壊力に声が出なかった。あれはやべぇ。めちゃくちゃ萌えるぞ。




……………………………………………………………………


「……そんなにか?」
「おうよ。思わず襲いそうになるぐらいだ」
「……そうか?桜も制服の上から着けてたがランサーが言うほどインパクトはなかったと思うぞ」
「「朴念仁は黙ってろ」」
「なんでさ!?」


とりあえず坊主は放って置いてアーチャーに聞くとなのはの嬢ちゃんはしてくれてないらしい。
そういうところは律儀なんだそうだ。
こいつは性格上してほしいこととか言わないだろうしな。


「次は私からいいか?」
「お?何かあんのか?」
「ああ。普段甘えてこない彼女が偶に甘えてくるときって、グッと来ないか?」


これは……わからねえな。
そういう女はあまり周りにはいなかったし、フェイトもそういうタイプじゃねえからな。


「それはわかるぞ、アーチャー。そういう時ってさ、何か嬉しくなるよな。男として頼られてる感じでさ」
「ほう、貴様もわかるのか。あの頼られる時の嬉しさが!!」
「ああ!二倍、いや三倍近く可愛く見えるよな!!」
「よくわかっているようだな!ははは!!」


勝手に二人で盛り上がり始めた。
いがみ合いをされるよりはよっぽど良いのだが。




…………………………………………………………………


「さて、坊主は何かあるか?」
「そうだなぁ………」


何だかんだで盛り上がっていた士郎ズ。二人ともすっかり出来上がっていた。


「凛は可愛い。これが世界の真理だ」
「フッ、なのはより可愛い女性など存在しない」
「んだとアーチャー!?」
「正しいことを正しいと言って何が悪い?」


酒の回った赤い顔で睨み合いを始める二人。
内容は間抜けなものだが。


「ま、フェイトは積極的だしな。エロ方面では一番だろ」


ぼそりと呟くように言った一言。


「「うちの嫁が一番に決まってんだろうがあああああああ!!」」
「のうぉわ!?」


それが聞こえていたらしく、ぴったりと息の合ったドロップキックが左右から飛んできた。
『んだとてめえ!?』『やるか!?』という言い争いが俺が意識を失う前に聞いた最後の言葉だった……。




side フェイト


なのはの結婚式は地球で行われた。
参加者は少ないみたいだけど、それは本人たちの希望らしい。


「ど、どうかな?おかしいところない?」
「大丈夫よ。とっても似合っているわ」
「くぅ~。なのはに先を越されることになるとは……」


現在なのははお姉さんとお母さんにドレスを見せて確認をしている。
そんな様子をはやてと眺めているのだが……


「ブーケトスブーケトスブーケトスブーケトス………」


隣ではやてが呪詛を唱え続けているのである。
目が血走ってるし、ぶっちゃけ逃げたいです。


「待たせたな。そっちはどう……おぉう」


そんな私のところに旦那(救世主)がやって来た。
彼は士郎のところにいたはず。こちらに来たという事は……


「士郎の方は終わったの?」
「あ、ああ。出てくるのを渋ってるみたいだから任せてきた」


と、当たり障りのない会話をしている裏ではというと。


(おい!なんだよあれ!?怖すぎだろ!!)
(知らないよ!会場に来たあたりからおかしかったんだもん!!シグナムたちは先に会場に行っちゃうし、アリサ達もまだ来てないし、止められないんだよ!!)


隣のはやてについて論争をしていた。
結局ランスもはやてを止められず、式場に移動するまではやては正気に戻らなかった。




…………………………………………………………………


式は滞りなく進み、ブーケトスの時が来た。
明らかに目がおかしいのが三人。
はやて、アリサ、なのはのお姉さん。
そんな様子を苦笑いで見るそのほかのメンバー。


「私は、この瞬間だけに全魔力をかける!!」
「奥義を使ってでも………」
「相手が人外だろうと関係ないわ!!」


魔法使う気満々のはやて。なのはの家の流派……たしか御神流だったかな?その奥義を使おうとするなのはのお姉さん。唯一の一般人、アリサ。
三つ巴の戦いが今、始まろうとしていた。


「来たッ!!」


反応が最も早かったのはなのはのお姉さん。
2メートルくらいジャンプしてブーケを取ろうとしている。


「甘いわッ!!」


そんなお姉さんをバインドで縛るはやて。
……なんて外道。


「貰ったわよ!!」


そんな二人の争いの中、アリサは落下してくるブーケに手を伸ばす……が、


「させない!」


バインドで縛られているなのはのお姉さんが何かを投擲。
それによって軌道が変わったブーケは………。


「あ」


私の手の中に納まった。




…………………………………………………………………


「こんなことがあったの」
「………凄い知り合いね」
「あの時の落ち込み様はすごかったよね」


なのはもあの後の三人の落ち込み様は酷かったことはよく覚えている、と言っていた。
三人とも普通にしていればいい人が現れると思うんだけどなぁ………。


「そういえば凛さんの知り合いはどんな人がいるの?」
「そうねぇ………。どんなものでも殺せるとか言う魔眼の持ち主とその恋人の真祖……まあ吸血鬼ね。
とか、カレーについて熱く語りだす代行者とか、破壊に関しては右に出るものはいないと言われる魔法使いとかかしら?」
「「変人ぞろい……?」」
「……そうね」


ちょっとテンションは下がったけど、その後も女子会は続いた。
料理の話、旦那のどこに惚れたか、など話しているうちにいつの間にかかなり遅くなってしまっていた。
私達はそこで寝たが、下からはまだ声が聞こえてきていた。
翌日、何故かぼろぼろの三人がリビングで呻き声を上げていたのを見て固まってしまった私達は悪くないと思う。 
 

 
後書き
お待たせしました。

ようやく更新です。

夏休みは早く更新出来るようになるかなぁ……

それでは 
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