ソードアート・オンライン~冥界を司る女神と平和の創り手~
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第2.5話 学校と決まり事 詩乃SIDE
目が覚めると私はベットの中にいた。
おそらく泣き疲れて寝た私を秋人が運んでくれたのだろう。
時計を見ると23時だったので再び寝ることにした。
そういえば秋人にスーパーの場所教えていなかった。
今度教えないと。
翌朝、目覚めると私は制服に着替え、軽く朝食を摂った。
最低限、身なりを整え家をでる。
後、どれだけあの学校に通えばいいのだろう。
3年間あんなところに通うことをもう一度認識するだけでも嫌になる。
暫く歩き、学校が見えてくる。
教室に入るとそこそこ親しい生徒が声を掛ける。
だが、それ以外の生徒は全員私を無視する。
でも、気にしてはいない。
私も最低限の挨拶をして席に着く。
鞄から本を出し時間が過ぎるのを待つ。
暫くすると担任が入って来て転校生を紹介すると言ってきた。
まさか・・・
「椎名。入れ」
転校生は秋人だった。
いきなりのことに驚きを隠せなかった。
秋人は私がいるのに気が付くと一瞬、笑みを浮かべ自己紹介を始めた。
自己紹介は簡単に終わった。
自己紹介が終わると担任は秋人の席のことで悩みだした。
あの事件のことを知られて以来教師も私を無視はしないいものの直視することを避け
なるべく関わらないようにしている。
席に関しては私の隣しか空いてないからどうすればいいか悩んでいるのだろう。
担任が席について結論を出す前に秋人は歩き出し、私の隣に座った。
「よろしく」
「あ、よろしく」
担任は少し困り顔をしたが何も言わずにHRは終了し、1限目が始まった。
1限目が終了すると秋人の周りにはクラスメイト達が集まる。
転校生の宿命だ。
そして、4限目までが終わり昼食の時間になった。
いつも通り教室を出て購買に行く。
「お~い、詩乃」
名前を呼ばれたので振り返るとそこに秋人がいた。
というより、私の名前を呼ぶ奴なんて秋人ぐらいしかいない。
「学校ではあまり私と関わらない方がいいわよ」
私と関わると碌なことにならないため警告のつもりで忠告をする。
「そんなことしたら詩乃が一人になっちまうだろ。詩乃を無視して友達作るぐらいなら友達無しでも
詩乃と一緒にいるよ」
そう言って秋人は私の頭に手を乗せる。
抱きしめられた時に思ったが秋人は優しい。
気を許してしまうぐらいに。
身長差が頭一個分あるので自然と見上げるような形で秋人の顔を見る。
頬が熱くなるのを感じた。
「・・・ありがと」
「あ、そうだ。放課後さ、学校内案内してくれよ。ついでに昨日言ってたスーパーもおしえてくれ」
「ええ、分かったわ」
その後、購買の場所を聞いてきたので一緒に向かいパンを買って一緒に食べた。
久々に昼食がおいしく感じられた。
放課後、帰りの準備をしていると委員長の小鳥遊さんが秋人に話しかけていた。
どうやら、学校案内をしようかと言っているようだ。
でも、秋人は
「あ、ゴメン。俺、し・・・朝田さんにお願いしたから」
と言って断る。
「ちょっと、椎名君、正気なの?」
彼女は遠藤。
私が一時は友達と思っていたひとだ。
知り合いがいないこの町で最初に知り合い、彼女たちなら友達になれると思っていたが
遠藤たちは私が一人暮らしだと知っていた近づいてきたのだった。
合鍵まで、要求され、5月末には、私が図書館に行ってる間に入り込み、男までも連れ込んでいた。
そのことに怒りが湧き警察を呼んだ。
遠藤たちは警察に連れていかれた。
そして、彼女たちは私に報復を始めた。
私が一人暮らしをしている理由、即ち、5年前の事件を調べて全校に暴露した。
こうして、何もかも中学時代に戻った。
だが、それでもいいと思った。
友達を欲しがるようじゃだめだ。
自分を救えるのは自分だけ。
自分の力で強くなり、事件の残した傷を乗り越える。
その為には友達なんていらない。
むしろ敵でいい。
戦うべき敵―――――周囲全てが、敵・・・だと思っていた。
「いたって正気だが?」
「そっか、知らないのか。なら教えてあげるよ。朝田さんはね、人殺しなんだよ。」
遠藤は薄気味悪い笑みを浮かべて言う。
私をとことん追い詰めようとしているんだろう。
「それがどうした?」
「分かんないの?人殺しだよ?気持ち悪いでしょ?それとも何?信じてないの?」
「いや、信じるもなにも朝田さんから直接その話を聞いたし」
その言葉に遠藤たちだけでなくクラス全員が驚いた。
「な、なら、どうして」
「仲良くするのか?答えは簡単だよ。お隣さんで友達だから。これ以上になんか理由ある?」
友達。
いらないと思っていたのに秋人に言われると悪い気はしない。
むしろ嬉しい。
秋人なら私の本当の友達になってくれる。
そう思える。
「よし、それじゃあ、朝田さん学校案内頼むね」
「え、えぇ」
秋人に声を掛けられ慌ててしまう。
秋人は鞄を手に取ると私の手を掴み教室を出る。
手を掴まれ一瞬心臓が高鳴った。
「その、よかったの?」
学校案内が終わり今度はスーパーまでの道のりを教える、もとい、案内した。
特に買うものはないが聞きたいことがあったからついてくことにした。
「いいんだよ。別に」
「でも、秋人これで完全にクラスで浮いたわよ」
「ハハハ、それはそれで結構だよ」
秋人は笑顔を浮かべ笑い飛ばす。
お調子者というかお人よしというかこちらまで笑いたくなってくる。
そんな話をしているとスーパーについた。
スーパーに着くと秋人は目を輝かせながら店内に入っていった。
私は小走りで後を追いかける。
買い物を終えると秋人は両手に買い物袋をぶら下げていた。
私も買うものはなかったが特売でいいものがあったので買っといた。
「詩乃のお陰で出費が安く抑えられて助かったわ」
「そう、よかったわね」
そう言うと秋人は私の買い物袋を見つめだす。
どうしたのかしら?
「なぁ、詩乃はさ、カレーって食えるか?」
「?えぇ、食べれるけど」
急に脈絡のない質問をされた?
頭に疑問符を浮かべながら質問に答える。
「辛口と中辛と甘口、どれ派だ?」
「・・・中辛」
「肉は牛と豚、鶏どれが好き?」
「鶏ね」
本当にどうしたのかしら?
少し心配になって来た。
「よし!詩乃、今日から一緒に晩飯食おうぜ」
「え!?」
秋人の提案に思わず声を上げてしまった。
秋人と一緒に夕食って・・・悪い気はしないけど
「べ、別にいいけど・・・でも、どうして?」
気づかれないように一歩下がり、質問をする。
「一人で食べる飯は寂しいもんだからな。だったら、一緒に食った方が寂しくないだろ。
それに、一人暮らし同士、仲良く食べようぜ」
その理由に私は唖然とする。
そうだった、秋人は、こういう奴だった。
それを思い出すと自然と笑えてしまった。
「わかったわ」
「よし、ならカレー作って行くから少し待っててくれな」
「私の所を使っていいわよ。そっちのほうが楽でしょ?」
「そうか?なら、お言葉に甘えさせてもらうわ」
こうして秋人と夕食を毎晩食べることになった。
後書き
次は新川君の登場!!
そして、やっとGGOに行きます。
当分GGOでのオリジナルストーリーやほのぼのとした日常ストーリーなど書いていきます。
よろしくお願いします。
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