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連邦の朝

作者:連邦士官
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第二十話 技術と発展

 
前書き
今回ワイアットはある人物をスカウトします。

お読み頂きありがとうございます。 

 
あれから2月が過ぎワイアットはトリスタニア宮殿と城の宝物庫の中であるものを鑑定していたのだがそこで意外なものを見つけた。

「こ…これは…なんと、落ち着け紳士は常に冷静でなければならないのだ…エスターシュ!これらはどこで見つけたのだ?」
ワイアットは興奮を押さえながらエスターシュに質問した。

「ワイアット陛下、これをご存じで?私は魔法学院の翁が破壊な杖というものを調べていた時に発見したものだとか宮廷に献上されたものの中で一番わかりません。それにしても陛下このよくわからない物に如何程の価値が…」
エスターシュが言い終わるまでにワイアットが何かを発見した

「まてそこの兵士!それを此方へ持ってきてくれ。」
と兵士を呼び止めた。

「それはどこで見つけたのだ?あぁその前に君の名は?」
ワイアットは兵士にたずねる。

「ハッ!第一技術部隊隊員ジャン・コルベールであります!」
コルベールはやや緊張で声を上ずりながらもワイアットの問いに答える。

「君は…若いな、ところでその手に持つものは何だと思う?コルベール君?」
ワイアットは問い、それに対しコルベールは

「これはこの長い部分先に剣を着けるいわば槍ではないのですか陛下?」
自信無さげに答える。

ワイアットは少し驚いた顔をしながら
「君は優秀だな、全く君の様なのが全員であれば良いのにな。」
と言った。

「それでは答えになっておりませんよ。陛下、このコルベール君は答えを聞きたくて待ってますよ。」
エスターシュがワイアットに答えを聞いた。

「あぁ、そうだな。コルベール君は槍と答えたがこれは…しかしここでは不味いな、全部が終わった後に私の執務室まできたまえ。何、遠慮はいらんぞ。それは置いていってくれ。」
ワイアットはそう言い着ていた服のポケットから模様が付いたボタンを渡した。

「ハッ!これを陛下。そして、そっ…そのこのボタンは…」
手に持っていた物をエスターシュに渡した後コルベールが言うと

「確かに受け取ったぞ。コルベール君、察したまえよ判るだろう?それは良いとして君の様な若者が何わ我がトリステインの技術部隊とは言え軍にいるのだ?」
ワイアットはこう聞き返した。

「陛下、我がコルベール家は代々研究家か軍人の家系で他の家と違うのは我が家は代々清貧を家訓としているためにトリステイン魔法学院にも行けませんでしたが給与がもらえるそして!そして!何より研究が研究できる正に正にゆっ夢のような職業が出来たとトリスタニアの詰め所に駆け込み今が有るわけです。」
コルベールが興奮してところどころ聞こえずらくどもって喋っていたがワイアットは納得した。
たしか報告書の中に凄く若い技術部隊員が入ったと聞いたような気がしたからだ。

「時間をとらせたなコルベール君。ではまたな。」
ワイアットはコルベールを帰すとエスターシュに

「見たかね若いのに我が国トリステインの為に働く有志を!」

「確かに有志だと言えるのかもしれませんが陛下、早く売るものを決めて下さい。」

エスターシュに対してワイアットは目を細めながら答えた
「わかっているよ。エスターシュこの取り敢えず6個とブリミル教などの関連品は売らず残りを全て売ろうエスターシュ手配してくれないかね。」

だがこの言葉に驚いたのはエスターシュの方だった。

「宝勺や歴代の宝冠などもですか?流石にそれは…」

ワイアットはエスターシュの反応に対しこう言った
「エスターシュ、君はこの高いだけの宝冠や宝勺が国家の役に立つと思うかね?いや立たないと判っているだろう君の優秀な頭脳であればな、ならば歴代達も国の役に立つ使い方をされた方が喜ぶであろう。」

「へ陛下、それはそうですが…」
エスターシュは黙る。

「判っているだろうがその反応コルベール君と違い君は優秀だが老いたもっと合理的に考えたまえよ。」
ワイアットはエスターシュに言った。

「老いたのは私が一番感じているのだ。ひとつ昔話をしてようかなワイアット?」
ワイアットはエスターシュの問いに頷く。

「私は結局昔考えていた計画を断念してしまった。だが、フィリップが一国の王がしかもかの有名な英雄王が、私の才能に嫉妬しているのが薄々勘づいていたのだ。私は歓喜したよ、優越感で一杯だった。ワイアットよ解るか君が来たときに私が罷免されていた理由を。それはだな私が優越感をもっと得ようと賢臣になって、次々に政策を通して行ったからだよ、フィリップの我慢も続かなかったわけだ。罷免されていた間に前の計画の練り直しは老いた私には出来なかった。若い頃のような剥き身の剣似た、誰に対しても光る野心が有った時ですら、私は自己の保身の為に行動できなかった。ならばと思い罷免された後も賢臣になったようにフィリップの施政に批判を付けていった。気づくと私は内外からトリステインの国を憂いる国士と言う名声をてに入れた。だが私は一方で分かっていたのだ。この国は懐古主義の塊だとね、だからこそフィリップは強行手段に出れなかった。他にも理由が有るだろうが既得権と血統のみの老害、排他的主義の横行何よりもフィリップが英雄王と呼ばれるようになった戦争や紛争、遠征が勝利したために貴族達に領土をくれてやった。知ってはいるだろうがトリステインは小さいガリアとくらべなくともな、ワイアット、君はわかるだろうがガリアに勝っても結局はガリア有利の領土条約になり、だからといってゲルマニア地域を攻めても内戦をしているだけであって外からの侵攻があれば団結して闘う、アルビオンは当時はアルビヨンだが、君が初めてトリステインに来たときの事を覚えているか?」
ワイアットはあぁと軽く返事をした。

「そう言う事だよ緒戦で勝っても結局は艦隊力と造船力で負ける。唯一条約が締結出来たのは食糧をトリステインから優先的に買うと言う条約だけだ。国の領土は増えずにトリステイン王家直轄領は減って王の発言力も減り、貴族領は増え貴族の発言力も増えた、改革派よりも保守派が増え国益に反しても貴族の意見をトリステイン施政に反映しなければならなくなった。そんな中にワイアット君が来た。君は来てすぐに施政に貴族の発言を締め出した。フィリップが出来なかった事をすぐにやってのけた。更には元々アルビオンにいた時からトリステイン貴族に縁をつくていた。その縁を使いフィリップの時と違い君は根回しをしてリッシュモンとマザリーニを重要しつつグラモンやモンモランシの二人を役職に就かせ忠誠さえあれば爵位は関係はしないと言うことを示したね。」
ワイアットは
「確かにそうだがそれが?」

「私が長年言い続けていた事だったんだよ。だからこそ君が気になったそして調べた結果は私の惨敗だったのだよ。私の案は昔からの施政を組み合わせ合理化したものだった。しかし君は、君の案は!全く知らない新しいものだった。君は来たとき私に言ったね私の卓越した才覚が欲しいと、条件に私と話すときは対等でいいと頭を下げながら言った王の代理がだよ。私は更に負けたと思った。それが私の従う理由だ途中から話が別になっていたなすまないワイアット。」
エスターシュは話終えた。

「エスターシュ、そんなに私を評価していてくれたのか。」
ワイアットは感動した。

「ワイアット、執務室に行こうコルベール君が待っているやもしれん。」

「そうだなエスターシュ。」
ワイアット達は歩き始めた。

 
 

 
後書き
新たに入ったのはコルベールでした。

長かったので分割します。お許しください。

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