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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第4章:モンバーバラの姉妹は狼と行く
  第4話:すげード田舎ッスね!

(コーミズ村)
ミネアSIDE

暫くぶりに故郷へと帰ってきた気がする…
バルザックがお父さんを裏切り、研究を盗んだ挙げ句殺害し、私達まで殺そうとしてから1年も経っていないのに…

「此処がお二人の故郷ですか? すんごいド田舎ッスね。ミネアさんは兎も角、マーニャさんには似合わないなぁ…」
「あら、それは私がシティー派ってことかしら?」

「シティー派って言うか…騒がしい人だから、静かなところが似合わないって意味(笑)」
それは私も思う。
何時も騒がしい姉さんには、このコーミズ村の静けさはミスマッチだ。

「アンタ時々失礼よね!」
「あれ、怒ってる? 俺の彼女もそんな感じだから、褒めたつもりだったんだけど…」
褒め言葉だったんだ。

「全然褒められた気がしない!」
ふふふ…姉さんとウルフさんって、本当に言い掛け合いをするわ。
ウルフさんには彼女さんが居るみたいだけど…お似合いな気がするわ。

「まぁまぁ、マーニャちゃんにミネアちゃん! 戻ってきたんだね!?」
お二人の掛け合いを眺めていたら、宿屋の女将さんが声を聞きつけ私達に近付き、懐かしそうに話しかけてきた。

「ご無沙汰しております女将さん」
「本当にねぇ~…バルザックの奴があんな事をしでかしたから…二人とも無事で何よりだよぉ!」
バルザックがお父さんを裏切り殺害した事はこの村では有名で、私達が命辛々逃げ出す事が出来たのも、村の人々とお父さんの一番弟子…オーリンさんのお陰である。

「オバちゃん達が助けてくれたから、私達は逃げ出せたんだよ。本当にありがとうね!」
姉さんもあの時の危機的状況を思いだし、女将さんの手を握りお礼を言っている。
幾らお礼を言っても言い足りないわ。

「良いんだよアンタ等が無事ならそれだけで……ところで、そっちの優男は何だい? まさかアンタ等のコレかい!?」
女将さんはウルフさんを指さし、親指を立たせ尋ねてくる。
コレとは何だろう?

「冗談やめてよオバちゃん! 私の男の趣味は結構高いのよ! この程度で…」
「そッスよマダム。俺にはもっとグレードの高い彼女が居るんだから。愛人感覚で付き合っているだけッスよ!」

「ふざけるなワン公! 愛人感覚だとぉ~…」
「あれ、違うの? 俺慣れているから、初めてでも感じさせてあげられるよ。だから安心してよ」
また私のよく分からない会話が出てきた…

「おやおや仲が良いんだねぇ…お二人ともお似合いだよ!」
でも女将さんが笑顔で二人の会話を納得している。
うん。私も笑って頷いていれば良いわよね。

ミネアSIDE END



(コーミズ村)
マーニャSIDE

ヤレヤレだ…
古くからの顔なじみのオバちゃんもそうだが、こう言うチャラい男のくだらない下ネタはウンザリだわ。
無垢なミネアには聞かせたくないのに。

「そ、そう言えば…オーリンはどうなったのかご存じですか?」
これ以上ウルフとの関係を創り上げられたくなかった私は、話題を深刻な事へと変え意識をそちらに持っていかせる。
オーリンとは父さんの一番弟子で、裏切り者のバルザックの先輩に当たる人物だ。

「それがねぇ…私達にも分からないのよ。大怪我をして逃げ出してはいるみたいだけど、何処に逃げ延びたのか………無事だと良いんだけども」
心配ね…

ごつくて・田舎者臭くて・全然タイプの男じゃ無かったけど…真面目で・信頼出来る人間であった事は確かだわ。
父さんは私かミネアの未来の夫としてオーリンを考えていたみたいだけど…私はパス!
心配だし、無事でいてほしいけども…私は絶対にパス!

「そう言えばエドガンさん…この村以外にも秘密の研究室を持っているって話だったわよ。そこにオーリンさんも身を潜めているのかもしれないねぇ!?」
初耳だ…父さんが村以外に研究室を用意しているなんて。
しかも、娘の私達にまで秘密にして…

「う~ん…秘密の研究室かぁ……二人とも心当たりは無いの?」
オバちゃんの話を聞いて、ウルフが興味深そうに尋ねてくる。
尋ねたいのはこっちの方なのに!

「いえ…聞いた事ありません。でも……父さんはよく西の洞窟に足を運んでおりました。もしかしたらそこにあるのかもしれないですね…」
流石ミネア。よくぞ憶えていたわ……私なんてすっかり忘れてたもんね!

「西の洞窟? じゃぁ早速行ってみますか? それとも今日は、この村で一発ヤりますか? 俺、頑張っちゃいますよ(笑)」
「はぁ…一体何を一発頑張るのですか?」
「こらミネア! その馬鹿の言う事は気にしちゃいけません!」

最悪だなこの野郎(ウルフ)
今まで以上にミネアを俗世間から守らないと…私の可愛い妹が、世の中の汚れた情報で汚されてしまうわ!
何時までも純粋無垢な少女のままでいてほしいのに!

マーニャSIDE END



(コーミズ村)
ウルフSIDE

洞窟に研究室って…本当に研究室かねぇ?
モンスター蔓延る洞窟になら、誰だって好き(この)んで足を踏み入れたりはしない…逆に言えば、洞窟内のモンスターが危険すぎて、研究室(仮)から出る事も出来ない。

女の子を攫って監禁してても、誰も気付かないだろう!
研究と称して女の子を連れ込み、エッチぃ事でもしてたんじゃないのぉ?
さっき思わずそう言いそうになって、話題を今すぐ行く事へ向けたが、バレてないよなぁ?

ファザコンにそんな事を言ったら殺されかねない。
俺がリューラ・リューノ・リューナに嫌われているのも、上司に楯突く生意気な部下だからなんだ。
でも上司が悪いんだよ! 仕事を俺に押し付けて、自分は愛人達とイチャついてるんだもん!

嫌味の一つでも言わないと、精神の均衡を保てないだろ!
でも大人なリュリュさん以外のファザコンには、俺の苦労は解ってもらえないみたいで、事ある毎に嫌がらせをされ続けております。
まぁ内容が幼稚だから、セクハラで返してやりますけどね!

もう一つ気になる事が…
マーニャさんて(ミネア)さんの事を過保護にしすぎな気がする。
あまり良い事じゃない気がするけどなぁ…

ウルフSIDE END



 
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