仮面ライダーオーズ 心が熱くなるもの
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第二十九章
「それで諦めるか」
「諦める?俺が」
「そうだ、どうするのだね」
「さっきも言ったよな、俺は絶対に勝つってな」
そうだというのだ。
「言っただろ、じゃあな」
「しかし君はもう限界だな」
スサノオはこのことを容赦なく指摘する。
「残る体力で私を倒せるか」
「一撃だ」
その一撃でだというのだ、オーズは左膝を何とか立たせてそのうえで言ったのだ。
「倒してやる、絶対に」
「では私も一撃だ」
スサノオもまただ、そうするというのだ。
「私もお互いにこの一撃で戦いを終わらせる」
「そうするんだな」
「では決めよう」
こう話してそしてだった。
彼は構えに入った、オーズもまた。
お互いに構えてそうして全身に力を込める、オーズもスサノオもそれぞれの激しいオーラを身に纏いそれからだった。
彼等はそれぞれの拳を突き出し突進した、拳と拳がぶつかり合った。
オーズの拳はスサノオの右の胸に入っていた、スサノオの拳はオーズの右の胸だ。
お互いに入っていた、そして。
最初にオーズの身体が揺らぐ、がくりと。
スサノオはそのオーズを見て楽しげに笑った、そのうえで言う言葉は。
「君の勝ちだ」
「そうか」
「君はそれで踏みとどまった、しかし私はだ」
スサノオはというと。
「この通りだ」
「負けを認めるんだな」
オーズもわかっていた、感覚でわかっていたのだ。
確かな感じがあった、彼はスサノオに間違いなく止めを刺していたのだ。
スサノオは胸から光を出していった、その光は徐々に今の彼の身体を消し去っていきそしてだった。
そのまま消えていく、スサノオがその姿を完全に消すのに然程時間はかからなかった。
だが声は残っていた、その声だけで言うのだった。
「君達の勝利だ」
「かなり辛い勝利だろうけれどな」
「しかし君は勝った、そしてまた私に見せてくれた」
人間というものをだというのだ。
「それだけの力に溺れず私と正面から戦い勝利を収めた」
「それが人間だっていうんだな」
「その通りだ、では今は去ろう」
言葉は限られたものだった、今はというのだ。
「そしてまた会おう」
「話は聞いてるよ、あんたは俺達ち何度も戦うんだよな」
「その通りだ」
「じゃあ次もか」
「君達と戦い楽しませてもらう」
戦いを通じそこから人間というものを見て楽しむというのだ。
「その為にも今はだ」
「また会おう」
こう話してそしてだった。
スサノオは声の気配も消した、後に残ったのはオーズだけだった。
そのオーズの横にアンクが来た、彼は人間の時の姿だ。その姿で彼の横に来てこう言ったのだ。
「終わった様だな、そちらも」
「ああ、今な」
終わったとだ、オーズは彼に答えた。
「終わったよ、随分やられたけれどさ」
「そうか」
「左さん達もだよな」
「観ろ、今だ」
アンクはその手から力を出してアリーナのモニターを映し出した、アクアとポセイドン、二体のオーズとメズール達がそれぞれ戦っている。
アクアはポセイドンの波に乗るかの如き戦いを避ける、そしてだった。
彼も身構え接近してくるポセイドンを待った、そのうえで。
突撃しての攻撃を浴びせてくるそこを身体を少し左に捻ってかわす、そして闘牛士が闘牛に一撃を浴びせる要領で。
かわした直後に渾身の一撃、右の蹴りをポセイドンの横腹に思いきり叩きつけた。
それでポセイドンを吹き飛ばしたがまだだった、今度は彼が吹き飛ぶポセイドンに向かい。
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