転生とらぶる
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機動戦士ガンダムSEED
0210話
敵旗艦から発進した後期GAT-Xシリーズの3機。そのうち一番最初に視界に入ったのは、俺が乗っていたブリッツの後継機とも言えるフォビドゥンだった。ブリッツの黒い装甲色とは違い、緑をメインとしている機体だ。また、その性能もブリッツに装備されていたミラージュコロイドを発展・改良したビームの粒子を偏向させるゲシュマイディッヒ・パンツァーや、大鎌のニーズヘグ等。どこかブリッツやグロウセイヴァーと重なる所がある。
そして次に姿を現したのは鳥のような形状をしているMAのレイダー。イージスの後継機らしくMSからMAに変形が可能で、その機動力は後期GAT-Xシリーズの中でもトップクラスだろう。何故フォビドゥンの後ろにいるのかと言えば、その背に重武装のカラミティを乗せているからだ。いや、重武装のMS1機を背中に乗せてもフォビドゥンよりも多少速度が遅いレベルであるのを褒めるべきか。
そして最後がレイダーの上に乗っているカラミティ。バスターの後継機としてこの時代ではトップクラスの砲撃戦能力を持つその機体は、バックパックから2門の砲門が、手にはバズーカを。そしてその腹部にはイージスと同じスキュラを装備している。
まさに連合軍……いや、大西洋連邦の切り札と言うべきその3機の機体はアークエンジェルから1機だけ突出しているグロウセイヴァーの前まで来ると動きを止め、自然と俺と向き合う形になった。
……一応連絡を入れてみるか。万が一、という事もあるしな。
まず無駄に終わると知りつつも試すだけ試してみるかと考え、オープンチャンネルで通信を入れる。
「シャニ・アンドラス、クロト・ブエル、オルガ・サブナックの3人だな」
「あぁ、何だよお前?」
シャニが面倒くさそうに返事をしてくるが、クロトとオルガからの返事は無い。
まぁ、どのみち通信は聞こえているだろうから問題はないが。
「お前達、薬の呪縛から解き放たれたくはないか?」
「はぁ? 何を言ってるんですかぁ?」
クロトの馬鹿にしたような返事。
「シャドウミラーの技術を使えば、お前達をある程度は健康体に戻せる可能性がある。このまま大人しく投降するのなら……っ!?」
言葉を最後まで言わせる事なく、こちらへと接近してきたフォビドゥンがその大鎌でグロウセイヴァーへと斬りかかって来る。
「うざいよ、お前」
「言うだけ無駄、か」
振り下ろされた大鎌の一撃を後ろへと下がり回避し、説得を諦める。この様子では薬関係はともかく心理操作がかなり歪な形で行われていると見るべきだな。
「いいだろう、ならせめてその歪な生を俺が刈り取ってやる事で救いとしようか。……アダマン・ハルパー、起動!」
その言葉と同時に、アダマン・ハルパーが大鎌状態で起動する。銀一色の刃の大きさは、シャニ操るフォビドゥンのニーズヘグよりも尚大きく、鋭く、禍々しさを醸し出している。
「俺の真似するなんて、うざいな」
振り下ろされたニーズヘグを横へと回避しながら、そのままアダマン・ハルパーを胴体へと横薙ぎに一閃する。もちろんTP装甲を持つフォビドゥンへと物理攻撃が通用する筈もない。PS装甲はブリッツやストライク、あるいはザフトに奪われた3機でどの程度の堅さなのかを実感しているが、TP装甲はこれが始めてなのでその情報収集的な意味での攻撃だ。
TP装甲であろうと、結局はPS装甲の発展技術である以上破る方法はそれなりにある。一番簡単なのはビーム兵器を使う事だが、他の2機はともかくフォビドゥンにはビームを湾曲させるゲシュマイディッヒ・パンツァーがある為にそれも難しい。
「っと!」
背後から急速に迫ってくる敵意をT-LINKシステムで感じ、上空へと退避。同時に今までグロウセイヴァーがいた場所をトゲのついた鉄球が通り過ぎて行く。MSへと変形したレイダーだ。どうやらブリッジを破壊された艦の上にカラミティを落として来たらしい。
そのカラミティは背後に背負った砲門でこちらを狙っており……来るっ!
「加速」
精神コマンドの加速を使用し、フォビドゥンの背後へと回り込みバックパックをアダマン・ハルパーの柄の部分で殴りつけてカラミティの射線上へと吹き飛ばす。
放たれたビームは予想通りにゲシュマイディッヒ・パンツァーによりその射線を曲げられ、あらぬ方へと飛んでいった。
特殊性、機動性、火力か。3機の戦力分析をそれなりにだが完了し、再びオープンチャンネルで呼び掛ける。
「さて、お前達の機体の性能も大体分かった。そろそろ沈めさせて貰おうか」
「あぁ!? ふざけんなこのタコが!」
余程俺の台詞が気に障ったのか、カラミティから雨霰とビームやバズーカの弾頭が飛んでくる。中にはスキュラもあり、確かに当たればそれなりにダメージがでかいだろう。
……当たれば、な。
「集中」
精神コマンドの集中を使用し、T-LINKシステムでオルガの敵意を感じ取り、射撃の雨とも呼べる攻撃を回避していく。
……なるほど。投薬により必要以上に凶暴性を高められている為か、T-LINKシステムを使うとどこを狙っているのかが手に取るように良く分かる。
再びグロウセイヴァー目掛けて飛んできたレイダーのミョルニルとフォビドゥンの曲がるビームを回避しながら、未だにビームを撃ちまくっているカラミティへと接近していく。
そして格闘戦を仕掛けるのが可能な距離まで接近すると、バズーカで殴りつけてきた一撃を回避しながらアダマン・ハルパーを持っていない方の左腕を突き出した。
「グレイプニルの糸、起動!」
T-LINKシステムが俺の意志に従い、念動力により作り出された糸がカラミティの両肩から伸びているビーム砲と両腕に絡みつき、その動きを束縛する。
「くそっ、離せよこの野郎っ!」
グレイプニルの糸により突然身動きが出来なくなったオルガが接触回線で喚いているが、それを無視してグレイプニルの糸を振り回す。
「がっ!」
丁度グロウセイヴァーへと向かって来ていた鉄球のミョルニルをカラミティの身体で跳ね返し、同時にフォビドゥンが振り下ろしてきた大鎌も同じようにカラミティで弾き返す。ジンやストライクダガーといった機体なら大破間違い無しの攻撃を、連続してまともに食らっても目立った損傷が見られないというのはさすがにTP装甲という所か。
「クソがっ! いい加減にしやがれ!」
そう叫んだオルガが、振り回されながらも胸部に装備されたスキュラを放とうとして……
「T-LINKシステム、フルコンタクト……SPブースト……斬っ!」
グレイプニルの糸へと膨大なSPを流し込み両肩から伸びた2つのビーム砲、そして両手を同時に切断する。レイダーの使うミョルニルの如く振り回されていた状態で機体を切断されたカラミティは当然の如く吹き飛ばされ……
「努力……ファントムっ!」
グロウセイヴァーの機体から放たれたファントム20機がレーザーブレードという牙を露わにしてカラミティへと狙いを付ける。そもそも自力で空を飛べない上に、両手やバーニア、バックパック等が破壊されている関係上碌に身動きが出来ないカラミティへとレーザーブレードを展開したファントムが群がっていく。20機のファントムが突き刺さり、斬り裂き、抉るその様は狼の群れの狩りを連想させた。
数秒もしないうちにコックピットを含めてスクラップとしか言いようのない状態になったカラミティはそのまま海中へと沈んでいき……数秒後、爆発と共に盛大な水柱を作りあげる。
「まずは1機」
仲は良くなかったとは言え、その実力を知っているだけにカラミティがあっさりと撃破されたのは残りの2人に取っても予想外だったのだろう。今までの怒濤の攻撃が嘘のように動きを止めていた。なら遠慮無くその隙を突かせて貰うとしよう。
「愛、直撃」
精神コマンドの愛を使用し、機体と身体に不思議な力が漲るのを感じる。その状態のまま、複数の効果を持つ精神コマンドである愛の中でも加速の効果を利用して第2の標的へと迫る。狙うのは機動力に優れるレイダーではなく、特殊な装備を持つフォビドゥンだ。
「ゴルゴンの瞳に魅入られろ!」
加速の効果と、クロノスのバーニアを全開にした移動速度によりファントムを背後に残したままフォビドゥンの背後へと回り込む。同時に再度グレイプニルの糸を起動してフォビドゥンへと絡みつけ、背後に待機させていたファントムのうち半分がレーザー弾を発射し、もう半分がレーザーブレードを展開したままフォビドゥンへと牙を剥く。
「アダマン・ハルパー、ナイン・テールモード!」
グレイプニルの糸を展開していない右手でアダマン・ハルパーを9条の鞭へと変化させてフォビドゥンへと叩き付け、背後に背負ったバックパックを破壊し、その部品を海へと撒き散らす。
「SPブースト……斬!」
同時にグレイプニルの糸にSPを流してその四肢を切断し、ビームガトリング砲の砲身を展開。フォビドゥンの胴体、すなわちコックピットへと零距離から無数のビーム弾を叩き込む。
四肢と頭部を切断され、コックピットを撃ち抜かれたフォビドゥンはその部品をバラバラに海へと撒き散らし、数秒後にはカラミティと同じく海中で爆発して巨大な水柱を作りあげた。
「これで2機。残る1機は……ん?」
最後の1機であるレイダーの姿を探すも、T-LINKシステムに反応するものがない。……どうなっている? ブーステッドマンとして凶暴性を強化されたあの3人は、それ故に念動力を使ったT-LINKシステムでは容易に動きを掴めた筈だ。
「アクセルさん、あれ!」
フリーダムから送られてきた通信を聞き、キラの示した方向へと視線を向ける。そこには鳥形のMAに変形して急速に遠ざかっていくレイダーの姿。そしてそのレイダーとくっつくようにして同じく急速にこの戦場から遠ざかっていく1機のスピアヘッドの姿があった。
「……連合軍の新型機と一緒に逃亡した戦闘機はどこから発進したか分かるか?」
その姿を見て嫌な予感に襲われ、アークエンジェルのブリッジへと通信を入れて尋ねる。
するとすぐにミリアリアの姿がモニタへと映し出された。
「敵旗艦と思われる艦から発進したのを確認しました」
敵旗艦から発進したブーステッドマンの乗るMSが守る戦闘機。そしてスピアヘッドは2人乗りだ。それ等を考えると、自然に誰が乗っているのかは想像出来る。
「自らが引っ張り出した大西洋連邦の艦隊を置き去りにして1人だけ逃げるか、ムルタ・アズラエル」
そう、間違いなくあのスピアヘッドには無意味にこの戦争を激化させているブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルが乗っていた筈だ。
出来ればこの戦いで始末したかったんだが、ビジネスマン云々というだけあって引き際は鮮やかなものだ。……原作のメンデルでの戦いではナタルに撤退を進言された時は渋っていたのだが。あるいは、自分の命が危険だと判断したからこそか? 実際、俺としてはこの戦いでアズラエルを殺すつもりだったし。
そんな事を考えていると、敵旗艦から信号弾が上がり白旗が掲げられる。
「降伏か。まぁ、この状況で徹底抗戦をする程に愚かじゃないというのは双方に取って幸運だったな」
これで敵がサザーランドとかのガチガチなブルーコスモスだったら最後の一兵まで戦って死ぬなんて真似を平気でやりそうだしな。いや、戦闘前のマリューとのやり取りを見る限りではこの艦隊の指揮艦もどちらかと言えばブルーコスモスっぽい人間のようにも見えたんだが。
「アクセル、今オーブへと通信を送ったわ。オーブの艦隊が投降した連合軍を引き取る為にこちらへと向かってるらしいから、到着するまではこの場を任せるとの事よ」
マリューからの通信に頷く。無傷の艦が殆ど残っていない艦隊をオーブへと曳航していくのは限りなく面倒くさいし、それを代わってくれると言うのならこちらとしては文句は無い。
「さて、まず第1幕は終わった。だが、すぐに次の幕が上がるな」
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:37
PP:205
格闘:258
射撃:278
技量:268
防御:268
回避:298
命中:318
SP:454
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
???
???
???
撃墜数:294
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