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仮面ライダーオーズ 心が熱くなるもの

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第二十四章

「それが可能だからこそ!」
「言ったか。ではだ」
「御前が俺に出す試練は何だ」
 オーズはまたスサノオに問うた。
「それは絶対に乗り越えてやる」
「彼を戻らせる為にだな」
「未来の俺はそれをしているんだ」
 先の未来の、他ならぬその世界から来たアンクと共に戦ったからこそだ。それ故の言葉だった。
「だからこそ。俺は」
「では。未来の君と同じことをしてみることだ」
 スサノオは楽しんでいた。それが明らかに言葉に出ていた。
 そしてその言葉でだ。オーズに告げてだ。
 彼の前に一人の子供が出て来た。その子供こそがだった。
「アンク、けれど」
「そうだ。ロストした彼だよ」
 まさにだ。そちらのアンクだというのだ。
「その彼を再び出させてもらった」
「そして俺と」
「さて、彼をどうするのか」
 スサノオは既にだ。楽しんでいる声になっていた。
 そしてその声でだ。こうオーズに言うのだった。
「見させてもらおうか」
「アンク、もう一人のアンク」
 子供に表情はない。しかしだ。
 その目を見てだ。オーズは考えていた。そのオーズにだった。
 スサノオはまた、だ。こう言ってきたのだった。
「君の欲望を見せてもらおう」
「僕はあの時確かに消えた」
 そのロストアンクもだ。オーズに対して言ってきた。
「けれど。本物になることはできるんだ」
「本物のアンクに」
「今から。僕はなるんだ」
 そうなるとだ。ロストアンクはオーズと対峙しながら言っていく。
「君を倒して。そのうえで」
「俺を倒して・・・・・・そうか」
 今のアンクの言葉でだ。オーズはあることがわかった。
 しかしこのことは言葉には出さずだ。そうしてだった。
 ロストアンクがあの赤い鳥を人を合わせた、アンクの本来の姿になった。無論右手もそのままだ。
 その姿になり宙に舞い上がったのを見てだ。オーズもだった。
 腰にメダルを入れてだ。彼も空を舞う姿になった。翼のあるオーズになったのだ。
 そのうえで空を舞いながらだ。再び対峙したロストアンクに対して言ったのである。
「俺もわかったよ」
「一体何が」
「御前のその言葉からわかったんだ」
 そのだ。ロストアンクを見ながらの言葉である。
「だから。戦う」
「僕と戦う」
「アンクは絶対に元に戻ることができる」
 このことはわかっていた。しかしだった。
 どうしたらそれができるのかがだ。今まではわからなかった。それが問題だったのだ。
 だが、だった。その問題の答えがわかったオーズはだ。今空を舞ってだだ。
 ロストアンクとの戦いに入ろうとしていた。そして実際にだ。
 ロストアンクが動き攻撃を仕掛けたのを受けてだ。彼自身もだ。
 攻撃を仕掛ける。まずは接近戦からだった。
 空を舞いつつ激しい攻撃を浴びせる。それに対してロストアンクも反撃を浴びせる。闘いはかなり激しい。だがそれでもだ。オーズはこう言うのだった。
「これは」
「!?」
「アンクと似ている。やっぱり君は」
「僕は。一体」
「アンク、アンクなんだ」
 ロストアンクの攻撃からだ。彼がアンクだと察したのである。
「アンクだ、間違いない」
「僕はあいつじゃない」
 ロストアンクはオーズのその言葉を否定した。彼としてはそうしなければならなかった。
 そしてだ。オーズに対して反撃を浴びせてだ。爪を繰り出し言ったのである。
「僕は僕、アンクなんだ」
「アンクもそう思っていたよ」
 だからこそ彼を消したのだ。偽りの自分だと断定してだ。
 だがそれもどうやら違うとだ。オーズは彼自身との闘いでわかったのだ。それでだった。
 あの紅いアンクを出した。それをだ。 
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