DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第4章:モンバーバラの姉妹は狼と行く
第3話:敵討ちなんて凄いッス!
(モンバーバラ周辺)
ウルフSIDE
マイハニー求めて両手に花状態の番犬こと私ウルフは、マーニャ・ミネアの美女姉妹と共に敵討ちの旅へと出立致しました。
直接俺には無関係なんだけど、危険を顧みず冒険に出ようとしている美女を見過ごす事なんて出来ないよね!
だってリュカさんから、そう教わったし…
二人の話を聞いた限りじゃ、お父さんのエドガンさんは錬金術を研究していたらしい。
錬金術と聞くと、金塊を作り出し楽してウハウハ人生を歩もうとしているのでは?と勘違いしてしまうが、実際は色んな物を生み出す研究らしい。
グランバニアで言う“化学”だろう…以前リュカさんが教えてくれた。
んで、その父(エドガンさん)の敵っていうのが、弟子だった『バルザック』と言うらしく、そいつを捜しながら旅をするのが目的らしい。
居場所も分からないのに危険な世界へ旅立つって……
見慣れているから何とも思わないけど、コイツ等もファザコンだな!
ファザコンの取り扱いは注意が必要だ。
間違っても父親の事を侮辱してはいけない! 言葉の綾的な侮辱も禁止だ。
実体験に基づいた結論だが、此方が迷惑を被っていてもファザコン娘には関係ない。
ブチ切れる事間違いないのだ!
俺としてはこの二人と一緒じゃなくても構わないのだが、リュカさんとの遭遇率を考えると美女と一緒に居た方が確実だろう。
同じ町にいればリュカさんの方から『美女の匂いがするよ!』とか言って近付いてきてくれる…
嫉妬深いマリーも、俺が美女二人と一緒に居ると知れば、躍起になって探し出すだろう。
まぁ、再会した時は怒りのイオナズンに備えて、マホカンタを唱えておく必要があるけどね。
もしくはピオリムをかけて、素早く近付きキスで唇を塞ぐのも手段の一つだね☆
「ところでウルフ、アンタさぁ…立派な剣を携えているのに、結構強力な魔法を唱える事が出来たわよね!? 何なのアンタ?」
このねーちゃんは礼儀という物を知らない。
どの世界でも双子というのは真逆の性格になる物なのだろうか?
「俺は魔法を専行していたんだ。でも俺の師匠が剣術も憶えろって言ってきたから、現在努力中です」
「ふ~ん…魔法が得意なんだ…アタシと一緒じゃん!」
一緒か!? 色仕掛けと魔法は違うんだぞ!?
「言っておくけど、マーニャさんより強いからね、俺!」
「はぁ!? 随分と言うじゃないの…何だったら試してみる?」
「試すのは構わないけど、マホカンタを使えるんだよ、俺!」
「………マ、マホカンタを!?」
“マホカンタ”の単語に青ざめるマーニャさん。
やっと気付いてくれたみたいだ…
仮にマーニャさんがマホカンタを使えても、俺には剣術が残っている。
まだまだ修行中でも、マーニャさんよりかは白兵戦に長けている。
口を塞がれただけで、男共に犯されそうになっているお嬢ちゃんには負けやしないだろう。
普段、周囲には強すぎる人達で溢れているが、賢者(魔法使い+僧侶)の魔法と努力中の剣術があれば、結構強い男だと自負しております。
「姉さん! ウルフさんは私達の仲間ですよ。無意味に競い合わないでください!」
ミネアさんは良い子だなぁ~…
でも慣れって怖い…どっちかつーと、マーニャさんとの方が会話をしていて楽しいよ。
俺の周りにはこんなんばっかだし…
「わ、解ってるわよ…番犬の実力を確認しておきたかっただけじゃん!」
「まぁ、番犬なんて失礼ですよ!」
大丈夫ですよミネアさん…ポピー義姉さんに言われ続けてますから。
『お前はマリーの番犬だぞ!』って言われ続けてますから!!
「気にしないで…俺は番犬ですから!」
「そんな…自分を卑下しないでください」
「いえ…番犬でありバター犬でもありますから! さぁマーニャさん、バター犬としての俺をご堪能してください! 俺の彼女…マリーが絶賛したテクニックですよ!」
悲しそうに慰めるミネアさんを手で制し、マーニャさんの前で片膝を付き見上げる俺…
ポピー義姉さんには危険だけども、あんな女性がそうそう居るとは思えない。
この嬢ちゃんなら平気だろう。
「ば、馬鹿か…そ、そんなことする訳ないだろ! げ、下品な事を言うな!!」
おや? ほぼ下着のコスチュームで、踊り子として良い女ぶっているが…
もしかしてマーニャさんは処女か?
顔を真っ赤にして恥ずかしがっちゃったぞ!?
何かギャルっぽい感じで、多数の男をくわえ込んでいると思っていたが、この調子で世界を旅していれば、初めての相手はリュカさんになりそうだな(笑)
「あの…バター犬って何ですか? 何が下品なんですか?」
100%処女であろうミネアさんが、お上品な口調で先程の会話を尋ねてきた。
他の女が言ったらカマトトぶってるとしか思えないのだが、ミネアさんが言うと本当に聞こえてくる。
でもリュカさんが奪うんだろうなぁ(笑)
「良いのよミネア…アナタは知らなくて。アンタも、あんまし下品な事を言うんじゃないわよ!」
「俺の所為ッスか!? 我が家の基準じゃ、この程度はあんまり下品にならないんだけどなぁ…」
ウルフSIDE END
(モンバーバラ周辺)
マーニャSIDE
最悪な家庭環境ね!
まったく…ミネアに悪影響を及ぼしたく無いのに…
この娘には何時までも純粋無垢なままでいてほしいのよ。
「はぁ…まあ良いわ。そんな事より、アンタも憶えておいてよね! 私達の捜しているお父さんの敵は『バルザック』って男だから…行く先々で情報を集めてよね!」
私達にウルフ程の画力があれば、サラッとバルザックを描いて彼に渡すのだが…
「は~い。その代わりお二人も、俺の家族捜しを手伝ってね。さっき描いた絵を使ってさ! 特にマリーとリュカさんを優先したいから。次はビアンカさんかな? 他は小うるさいから後回しでもいい」
先程渡された5枚の絵…
ウルフの彼女(自称)のマリーちゃん。
その父親でウルフの師匠に当たるリュカさん。
更にはその妻のビアンカさん…残る二人は後回しでもいいって…酷いわね!?
「彼女を最優先したい気持ちは解るけど…他の優先順位は何で?」
「うん…リュカさんが一緒にいれば、どんな危機的状況になっても大丈夫なんだ! 本人は認めないけども、反則的に強いから…急に大魔王とかが現れても心配する必要が無くなるんだよ」
「はぁ? 自分の師匠を尊敬する気持ちは解るけど、ちょっとばかし話を盛りすぎじゃないの? 大魔王が現れても大丈夫って…そんな訳ないじゃん!」
馬鹿にするつもりは無かったのだが、あまりにも大袈裟に話を作るウルフに対し、思わず鼻で笑いながら指摘してしまった。
「いやいや…此処とは別の世界で冒険した事があるんだけど、その時にリュカさんがその世界の大魔王を、一人でイヂメている姿を目撃したんだ。諸悪の根元が泣きながら自らの命を捨てる程、反則的な強さでイヂメたんだよ!」
本当かしら?
俄には信じられないけど…ウルフがそこまで信頼を寄せているのだし、これ以上否定するのは止めた方がいいわね。
「あ、因みにビアンカさんだけど…リュカさんはどうしようもない女誑しだけど、奥さんの事を心底愛しているから、一緒にいれば躍起になって合流してくれると思うんだよね」
“どうしようもない女誑し”と“奥さんを心底愛する”って矛盾しない?
コイツの情報を聞いていると、益々解らなくなってくるわ…
まあいい…兎も角私達はバルザックを捜し出し、ぶっ殺す事が最優先なのよ!
だから故郷の『コーミズ村』に向かうの!
あそこには私達の実家があり、何らかの手懸かりを得られるかもしれないから…
マーニャSIDE END
ページ上へ戻る