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ヘタリア大帝国

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TURN66 過労その九

「ただ。その前にです」
「ニガヨモギ?」
「あれはもう使えますので」
「じゃあモスクワで」
 今カテーリン達がいるこの星域にだというのだ。
「使うから」
「ではでは」
「幾らドクツが強くてもあれには勝てないわよね」
「大怪獣はまさに無敵ですよ」
「なら絶対に使うわ」
 やはりカテーリンは迷わない。もっと言えば彼女は一旦決めたことを絶対に変えない。頑固な性格でもあるからだ。
「ここはね」
「はい、ではでは」
「ドクツには負けないから」
 このこともカテーリンにとっては絶対だった。
「絶対に勝つから」
「ニガヨモギには僕ずっと困ってたけれど」
 ロシアがここで言う。
「けれど使いようによってはなんだね」
「ですよ。あの力は我々にとって武器にもなりますよ」
「そうだね。何時何処で生まれたか知らないけれど」 
 国家、それもはじまりの八国のうちの一国である彼ですらだ。
「力があるならね」
「はい、どんどん使いましょう」
 ロリコフはロシアにも笑顔で話す。
「私はカテーリン様と祖国さんの為に全力を尽くしますよ」
「期待してるよ」
 ロシアもそのカテーリンににこりとして応える。
「頑張ってね」
「お任せ下さい」
「じゃあ今からお昼を食べて」
 それからだった。
「皆で遊ぼうね」
「うん、おはじきするから」 
 カテーリンはロシアにもそれをすると言う。
「遊ぶこともちゃんとしないとね」
「駄目だよね」
「決まった時間にちゃんとした遊びをするの」
 カテーリンは遊びについても色々と決めている。
「悪い遊びなんて絶対に駄目だから」
「昔は大人の人って遊ぶ時にお金かけてたけれどね」
「お金なんていらないから」
 カテーリンは今度はミーシャにこう言った。
「あんなのがあるから貧富とかができて皆目の色を変えて悪いことをするのよ」
「だからお金もなくしたのよ」
「そうよ」 
 ソビエトには貨幣制度もない。あらゆるものが国家に充分に配給されているということになっているのだ。
「あれいらないよね」
「お金は諸悪の根源よ」
 カテーリンはこう考えている。
「だからなくしたし」
「そしてそれを集める資産主義もね」
「お金をなくしたらいいのに」
 今度は切実な顔で言うカテーリンだった。
「皆そうしたらいいのに」
「だよね。本当にね」
 ミーシャは強い顔で言うカテーリンに優しく言った。彼女は今もカテーリンにとって掛け替えのない
友達である。
 四国総督は一旦オーストラリアと共に四国に戻っていた。そしてそこで長老にこんなことを言われていた。
「北欧にもいるんだ」
「うむ、眠っておるらしい」
 長老はこう総督に話す」
「大怪獣がのう」
「大怪獣はここにもいるけれど」
 トルカが常に語りかけているあの大怪獣だ」
「それに富嶽にエアザウナに」
「それだけではなくじゃ」
「北欧にもいたんだ」
「サラマンダーというのじゃ」
 長老はここでこの名前を出した。
「その大怪獣はのう」
「サラマンダー?随分と強そうな名前でごわすな」
 オーストラリアはその名前を聞いてこう言った。
「それが大怪獣でごわすか」
「全てを焼き尽くす巨獣じゃ」
 それがサマンダーだというのだ。
「サラマンダー、炎の化身じゃ」
「そんなのが出て来なくてよかったでごわすな」
 オーストラリアはそのことに心から安堵を覚えた。 
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