なのは一途のはずがどうしてこうなった?
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第二章 人事異動と恋人
前書き
この小説は魔法少女リリカルなのはの二次創作です。
原作とは異なる設定、独自解釈、キャラクターの著しい崩壊などが含まれております。
原作の雰囲気を重視される方はご注意ください。
割りとマジで原作崩壊しています。
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若干十九歳でありながら歴戦の英雄達と出動回数が並びつつある人物がいる。
伝説の三提督の一人は言う。
『私の若い頃でもあんなに使い回される奴はおらんかったよ』
さらにもう一人。
『確かに。しかし、本人も満更ではなさそうだった。実に勤労者だ。若い子はアイツを見習え』
最後の一人。
『そろそろ我等に戦歴が並ぶんじゃね? 威厳が弱くなりそうだから人事で教官にしよーぜ。アイツ、戦術と戦略眼は我等に並ぶ勢いだもん。若い奴に負けたくないんだからねっ』
本人の望みと上層部の望みが一致した瞬間だった。
人事異動通達。
お前、生意気にも戦歴がすごいから教官にしてやんよ。
エースオブエースと同じ教導官な。あれ? 資格もってんの? おい! 人事なにやってんの?
まあいいや、人事異動命令ね。
エースオブエースと協力して精鋭を育ててね。←ここマジな。
あと、エースオブエースはマジ怒ると厄介だから怒らすなよ? 絶対だぞ!
追記
機動六課頑張ってね。
三提督一同より。
え? これ、マジ?
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人事部に緊急で呼ばれて来てみれば、伝説の三提督から勅命で人事通達が届いていると人事の女の子が慌てていた。
その内容見て呼び出された人物であるミウラ・ケイタは驚愕して、思わず咳き込んだ。
「ゴホッ。コーヒーが、気管に、ゴホッゴホッ」
「ミウラさん。伝説の三提督からの人事通達なんて前代未聞ですよ?!」
人事の女の子は彼と同い年位である。
伝説の三提督からまさかの指令。
一般的な管理局員には雲の上の存在だ。
「そうらしいね。俺、教導官だって。前々から申告してたのが通ったと思って死力を尽くします」
敬礼。
人事の女の子は慌てて返礼。
「あの、サイン下さい。ファンなんです。最新刊買いました」
そう言って最新刊である『訓練生の苦難』を胸の前に出した。
彼はささっとサインを書いて、人事の女の子に渡した。
「購入どうも。今後も難シリーズをよろしくね」
「はい。ありがとうございます」
人事部を立ち去りながら、彼は思った。
管理局員でサインをしたのは何人目だろうか。
答えは、数えきれない。
彼は、自分の体験した訓練学校時代をフィクションにして物語を作っており、それを某出版社に出したら佳作扱いで受賞し、そっから難シリーズが連載となり、意外に人気が出たのだ。
彼が趣味で書いた物語であったが、思わぬ副収入を得ているので彼は歳相応以上に金があった。
だが、今まででは使う暇がなかったのだ。だから彼は現場から教える側に移動したかった。
彼にとって今回の人事は渡りに船だ。
特に彼は高町なのはと一緒に仕事ができるのが嬉しいと心底思った。
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人事部の女の子は、人事で良かったと思える日だと思った。
何故かというと、大ファンである作家が現れて、サインまでもらったからだ。
訓練生の困難、訓練生の至難、訓練生の苦難と続く難シリーズと一般的には呼ばれている書籍だ。
さらに、射撃の心得、体術の心得、空戦の心得、陸戦の心得と続く心得シリーズの著者でもある。
どちらも管理局員を中心に人気が出て一般書店にも並ぶ様になった書籍だ。
……作者のミウラ・ケイタさんに会えた。それにサインを貰った。
写真が取れればよかったんだけどさすがに仕事中なので自重した。
顔は悪くない、むしろ良い方だと思う。同い年ではかなり好みだ。
思った通りの人柄で良かった。
後で皆に自慢しよう。
●
「うっす!」
「アレ? ケイタじゃないか。無限書庫に何か用?」
無限書庫で働いているユーノ・スクライアの元に、ミウラ・ケイタが訪れていた。
実は、彼は管理局の七不思議の一つに入っている。というか疑惑があった。
実は女の子なんじゃないのか、というものである。
だがそれはミウラ・ケイタに取っては解決された問題であった。
「なに、お前の顔を見に来た」
「ふーん」
ミウラ・ケイタに対して、ユーノ・スクライアは薄い反応である。
理由は明白で、彼が男である証明に股間を握った時から親友から友人へ降格したのだ。
それに、同人活動でユーノ・スクライアが犯されまくる物を同人即売会で発売した事がバレた辺りでかなり怒られた。
それでも、女性を中心に売れに売れた同人誌はその年の一番の売上だった。
「まだ怒ってる?」
「そりゃね。僕がBLの主人公で性欲を排除する糧になってるんて知らなかったからね!」
ミウラ・ケイタは、半年も怒ってるんてケツの穴の小さいやつだ、と感じだ。
「謝ったろ? それにエロデータ上げたじゃん。何? 今度は合コンか女の子紹介すればいいの?」
「そういう問題じゃないよ! 僕を女装させたコラとか完成度高すぎだよ! 未だに後輩に『ユーノさんって女の子なんですか』って聞かれる気持ちが君にわかる? わからないだろ? 次やったら絶交だからね?」
ユーノ・スクライア女性疑惑を解くために同人誌の内容は、キチンとユーノの股間に男性のシンボルがついているものを書いたのだが。
どうやら無駄であったようだ。
「マジすまん。でもお前の顔だったら勘違いする。もっと男らしい格好すれば?」
「はいはい。じゃあね。仕事だから。君も仕事あるんだろ? こんな所で油売ってないでさっさと戻れよ」
今日も許してくれなかったか。今後は自重しよう。ユーノを怒らせると怒り期間が長いからな。
●
それは偶然であった。
たまにあることだが、管理局内で高町なのはとばったり会ったのだ。
「帰り?」
「うん」
なら一緒に帰ろうとなるのは恋人同士なら当たり前の事だ。
「人事で今度からなのはと一緒の職場になるよ」
「ほんと? そっかぁ。やっと人事通ったの?」
以前から一緒に働くために人事に申請を出していたことを思い出したように聞いてきた。
「まあ、そんな感じ。で、今日この後どうする?」
それは肉体関係を結ぶかどうかの問いである。
「ホテルにしよ。やっぱ部屋だとフェイトちゃんとかまた邪魔して来そうだしね」
「わ、わかった」
両者気迫のこもった表情だ。それに若干赤い顔だ。
きちんと確かめたい。そして繋がり合いたいと思う。
だからこそ、言わなければならない。
「これからもよろしく」
「うん!」
お願いした。
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2012/08/09加筆修正。
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