気合と根性で生きる者
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第五話 同盟
前書き
まず、最初に三つほど。
新たにお気に入り登録していただいた二名様、本当にありがとうございます!! これからも頑張っていきますので、ご愛読の方をよろしくお願いいたします。
また、ブレイア様。いつも感想とコメントをありがとうございます! そして、お気に入りユーザーとしての登録を本当にありがとうございます!!
また嬉しい報告として、どうやら【ランキングトップ100】で44位になっていた時期があったとのこと。このような身に余る功績を貰えたのは単に、皆様のご愛読があってこその賜物。本当に、ありがとうございます!!
ですが、今回残念なお知らせとして二つ。
まず一つは、私はマイページには書いていないものの学生という身分です。その為、この時期は定期テストやら何やらで忙しくなり――結果から言うと、二週間ほど恐らく更新が出来なくなると思われます。
その為、ご愛読者の方には大変申し訳ありませんが、二週間の定期テスト休みをいただきます。本当に、申し訳ありません。
ですが、定期テストが終わればその後もまたバリバリと執筆していこうと思いますので、休止やら何やらのご心配には及びません!
そしてもう一つは、・・・・・・実は今回、二次創作者のスランプが原因で、後半の展開がつまらない可能性がございます。こればかりはどうしようもないので、謝罪を申し上げることしか出来ません・・・・・・
そんなのでも「読んでやんよ!」という優しい方は、どうぞ本編を読んでいっていただければと思います!
それでは、前置きが長くなりましたが本編をどうぞ。
――此処は〝サウザントアイズ〟二一〇五三八〇外門支店。その中では今、眼鏡の少年こと勝と真っ白い髪の和装ロリこと白夜叉が、一対一で話をしているところだった。
「それで、今回はどういう用件で僕を此処に? 貴女から僕を呼ぶなんて、滅多にないことですし、何か重要なことでしょうか?」
「うむ。まぁ、まずはこれを見よ」
白夜叉は二通の手紙を畳の上に置いて渡してくる。勝はそれを手に取り、何かと思い開けて目を通すことにした。
『前略、マーシャル様へ。
あれから一ヶ月は経ちましたが、そちらの調子は如何でしょうか?
こちらの調子は最高だと言えます。貴方が寄越してくれたガルムは、コミュニティの発展に絶大な貢献をされております。また、あの〝鬼種〟の純血の少女も、勢いを落とすことなくコミュニティに貢献していただいており――少々報告しにくい事ではございますが、我らが〝エクリプス〟のメンバー全員が、二〇〇〇〇〇〇外門で開催されるすべてのギフトゲームへの出禁を言い渡されてしまいました。私としては、コミュニティがここまで大きくしたのを嬉しく思いますが、同時にこれで本当に良かったかと頭を抱えております。なにせ、あの〝鬼種〟の純血の少女とガルムは、私のいう事を一つも聞いてくれないのですから・・・・・・。本当に、一刻も早いコミュニティへの帰還をお願いいたします。
また、人材の件に関してですが――特に気になる人物はおらず、以前からメンバーについての変更はありません。分かっているとは思いますが、現在の〝エクリプス〟のメンバー構成は
リーダー:《マーシャル》
福リーダー:《ピエール=ジョゼフ》
主力メンバー:吸血鬼《エレン=ドラクレア(〝鬼種〟の純血の少女)》・《ガルム》
と、なっております。まだ四人の決して人数が多いとはいえない状況ではありますが、それを補う程の実力を兼ね備えておりますので、どうかご安心ください。
そして遅くなりましたが、重要な報告を以下に書かせていただきたいと思います。
最初に、我々〝エクリプス〟は何と二〇〇〇〇〇〇外門の〝地域支配者(レギオンマスター)〟として認められたのです! また、その事を切っ掛けに、今まで所有していなかった領土が、その〝地域支配者〟になった祝いに付いてきて、更には生活するための屋敷までもが支給されることになりました! これでもう、宿に泊まる必要がなくなり、とても助かります。
二つ目の大きな報告は、あの北と東の〝階層支配者〟による共同祭典――〝火竜誕生祭〟への招待状が、何とVIP待遇で届いたのです! これはつまり、〝エクリプス〟というコミュニティの名が、少なくとも東と北に知れ渡っているという証拠です! 知名度も実力も功績も着実に蓄積していく分、〝エクリプス〟はそろそろ六桁への昇格も考えた方が良いのかもしれません。
以上が、今回の報告になります。本当に、貴方がコミュニティへ一刻も早く帰還してくださることを心よりお待ちしております』
一つ目の手紙は、ピエールからの〝エクリプス〟の発展と現状の報告手紙だった。どうやら、今も尚急成長を見せて、その名も広く轟いているようだ。
「って、貴女は・・・・・・〝地域支配者〟と領土の件には感謝いたしますが、〝火竜誕生祭〟の方は簡単に喜ぶ事が出来ません。あそこには――」
「よい。皆まで言われずとも分かっておる。それを踏まえて言わせてもらうが――バレる可能性はゼロだ」
〝ノーネーム〟も行く予定になっている、と言おうとしたところで、白夜叉は言葉を遮るように、そして迷いなく言い放つ。
いつになく自信満々な白夜叉の物言いに何かあるのでは、と思い怪訝な眼差しを向けると、白夜叉は何が面白いのか、悪戯を思いついた子どもの様な笑みを浮かべる。
「心配せずとも、おんしの同士は〝ノーネーム〟とまったく接点はない。少なくとも、その――っと、どうやら来たようだの」
「っと、あの三人の到着ですか。出来ればあの三人に見つかりたくないので、僕だけ先に北へと送っていただくことは可能ですか? もちろん、見つかった時は口裏を合わせていただけると助かります」
「よかろう。元々おんしはこの私が招待したのだからの。同士と落ち合う場所は分かるか?」
「当然。北側四〇〇〇〇〇〇外門の境界壁を掘り進んで作られた洞穴の展示会場、その一番広い場所」
「よし。分かっておるならそれで良い。今からおんしを〝サウザントアイズ〟旧支店に送るが、そこを出たらすぐ四〇〇〇〇〇〇外門だから、迷う事はなかろう。何か私と二人で極秘裏に話したいことがあれば、〝エクリプス〟の名を使って〝サラマンドラ〟に仲介してもらうとよい。では、行ってこい」
言い終わると、白夜叉は両手を前に出し、柏手を打つ。
すると、先ほどまで目の前に居た筈の勝の姿が消えた。白夜叉が〝境界門(アストラルゲート)〟を起動して、北と東の境にある〝サウザントアイズ〟旧支店へと転送したのだ。
「果たして今回の一件――〝エクリプス〟には如何なる結果が出るのか・・・・・・」
言いながら、白夜叉は外に居る〝ノーネーム〟のメンバーを迎えるため、〝境界門〟を使ってこの店の空中へと自身を転送するのだった――
――境界壁・舞台区画・暁の麓。美術展、出店会場中心部・大空洞。
そこでは今、勝が展示品を見ながらピエールの来訪を待っていた。
約束の時間は夕刻。まだ少し時間に余裕があり、待たされる形になってしまったが――勝が退屈することはなかった。何故なら、ここは多くのコミュニティが各々の作品を出展している、展示会場なのだから。
「へぇ・・・・・・〝ウィル・オ・ウィスプ〟の作品・・・・・・ね。美しさで言えば、展示会場内でダントツのトップじゃないのか?」
今、彼が見ているのは巧緻な細工を施された銀の燭台だ。その細工は燃え上がる炎の印。恐らく、旗印をモチーフにしたのだろう。やはり旗印があるとないとでは、作品の出来やコミュニティの宣伝といった部分で、大きく評価が違ってくる。この旗印をモチーフにされた細工があるからこそ、このコミュニティ独自の味がある作品として仕上がっている。
「でも、やっぱり迫力でいうと――」
そこで一度言葉を区切り、勝は大空洞の中心部を見る。
「――この、ラッテンフェンガー製作のディーンだよねぇ」
勝の視線の先には、目測でも身の丈三十尺以上はあろう紅い鉄の巨人という、何とも迫力のある作品が展示されていた。
「お、いたいた。マーシャルさん!」
と、〝エクリプス〟としての名前で呼ばれ、こう呼ぶのは一人しか居ないと断定して声のした方向に振り向いた。
「――誰?」
振り向いてそこに居たのは、くすんだ金髪をライオンの鬣の様に逆立たせている、活発そうな自分より二つ、三つくらい上の少年だった。
「――っと、この姿で会うのは初めてだったな。それじゃ、改めて自己紹介を。私は〝エクリプス〟福リーダーを務めさせていただいているピエール=ジョゼフと申します。以後、お見知りおきを」
優雅に一礼。その言葉を聞いて、一瞬、自分の耳と目を疑った。
何故なら、あのピエール・・・・・・元ガルドだが、まずあのような長身巨躯のピチピチタキシードの男ではないのだ。
彼はどこから見ても普通の、何処にでもいる金髪のツンツンヘアーをした少年だった。あのガルドの面影が残っている部分を言えば、くすんだ金髪しか見当たらない。
「ピエールって・・・・・・本当か?」
「そりゃもちろん」
即答。多分、本当にあのピエールなのだろう。
「よし。なら早く同盟の話を締結させよう。行こう、ピエール」
「あ、その前に――」
そう言って、ピエールは何かを探る様にポケットに手を突っ込み、そして目的の物があったのか手を出して、その掌に乗った指輪を、勝に渡してくる。
「眼鏡を外して、その指輪を付けてくれ。それで絶対に、〝ノーネーム〟の連中には気付かれない」
言われた通り、眼鏡を外してポケットに入れ、そしてその指輪を自分の薬指に付けるのだが――
「――特に変化を感じないけど?」
「後で鏡を見れば分かる。それよりも早く行こう。時間も時間だからな」
言い終わってすぐ、ピエールは先頭を歩き始め、勝は疑問を残したままそれについていくのだった。
「ねぇ、ピエール。少し聞いてもいいかな?」
「知っている限りは答える」
街道を進む中、勝は意を決したような表情で、深呼吸をしてピエールに訊く。
「今回のそっちが見つけた同盟相手って――何処?」
「あぁ、そんなことか。てか、アンタは仮にもリーダーなんだからしっかりしてくれよ」
はぁ、と溜息を吐くピエール。しかし、次にはしっかりとした表情で勝の質問に答えた。
「俺らが見つけた同盟相手は、〝ウィル・オ・ウィスプ〟っていうところだ。実力は確かな上に製作技術も並ではないんだが――ちょっと厄介な奴に狙われているらしい」
「あぁ、あの展示会場にも作品を出展していたあのコミュニティなんだ。――で、厄介な奴って?」
「マクスウェルの魔王」
少しは驚いて考え直すだろうと思い、ピエールはそう言うのだが――
「あっそ」
「おい!? そこはもうちょっと反応しろやコラ! てか、魔王をあっその一言で終わらせるか普通?!」
結果、返ってきた答えは「どうでもいい」と言わんばかりの一言。驚かせようと思っていたのに、逆に驚かされてしまったピエールには、策士策に溺れる、という言葉がピッタリだった。
「そんな聞かない三流魔王の名前を言われても、逆に反応に困るよ。僕を尻込みさせてみたいなら箱庭三大問題児でも連れてきてほしいな。あと、マスクメロンの魔王って、名前ふざけてるよね?」
「――あぁ。アンタの許容範囲が今ようやく分かった。魔王に狙われていることが、アンタにとってそこら辺に落ちているゴミのような事だとよく分かった。今度から有名な魔王以外は無視するぞ。それと、マスクメロンじゃなくてマクスウェルだ!」
「うん、それでいいよ。あと、名前とかどうでもいいよ。でも、天照とか、ラーとか、インティとか、ホルスとかアポローンとかルーとかケツァルコアトルとかソルとかインドラとかヴィシュヌとかなら考慮に入れてね」
「全部太陽神じゃねえかオイ!? どんだけ太陽に恨みもってんだよ?!」
「あの真夏の紫外線のせいで日焼けしてヒリヒリと超痛くて、それ以来自宅警備員になりかけた恨みは深いよ。うん、もう海より深い自信はあるね」
「・・・・・・アンタ、自分のダメ人間歴を暴露してるぞ」
呆れ果てるピエールに、おどけてトークをする勝。
そんなふざけたトークを歩きながらすること十数分後。二人は当初の目的地へと到着し、現在はその建物の前へと佇んでいた。
「ここで、〝ウィル・オ・ウィスプ〟と〝ペルセウス〟と僕たちの〝エクリプス〟での同盟会談をするんだっけ?」
目の前には、古びた宿のような建物。誕生祭とは別の裏通りにあるためか、随分とみすぼらしく見えるのだが――同盟会談のような大切な話をするときは、むしろこう言った目立たない場所での方が良いのかもしれない。
一人で頷いて一人で納得し、古びた宿のような建物に入ろうと今まさに足を――
ズガシュ!
運ぼうとしたら、突然何かが頭の上に落ちて激しい頭痛に見舞われる。その反動なのか、勝は地面に倒れ、痛みのせいで呻き声を上げながら地面をのたうち回るという醜態を晒す羽目になる。
涙目で脳天に手を当てながら、今先程自分の脳天をストレートにかち割ろうとした何かが地面に落ちていないか見てみると・・・・・・すぐ目の前に、十字型で先端が丸い鈍器が――もとい金槌が転がっていた。
「どうした?」
「いや、何かこの鈍器が僕の脳天を真っ二つに割ろうとして」
ズガシュ!
「きたんだけど、今の故意だよね? ねえ故意だよね? 二度目なんて偶然じゃないよね!? やった奴にはこれを顔面にクリティカルヒットさせてもいいよね? ねえいいよね? 何なら、脳天本当に真っ二つに割って脳みそ抉り出して闇市に流してもいいよね!?」
壊れたような声で、しかし明確な敵意と殺意のようなものを込めた声で連続して訊かれ、隣に居たピエールはその不気味さのあまり勝から無意識のうちに距離を取っていた。
「さ、流石に脳みそを抉り出すのは・・・・・・せめて、二倍の報復に止めていただかないと、〝エクリプス〟の評判が――」
「あ、そっか。これが太陽神の仕業なら殺す理由がつけられるね! うん、太陽神なら殺そう! 絶対に殺そう! 死んだ後も殺そう! 魂ごと消滅させよう! あの紫外線で僕を自宅警備員予備群にした恨みを今晴らさなければいつ晴らす!? もちろん、今でしょ! さぁ、さっそくラーでも殺しに行こうピエール!」
「まて待てマテ! 流石に犯人が判明していないのにそれは不味いだろ?! せめて決定的な証拠を掴んでからじゃないと大義名分何てたてれねえ――ってか人の話聞けやこのダメリーダーが!!」
ピエールは壊れた勝の頭に先ほど落ちてきた二個目の鉄槌で、彼の頭に思いっきり殴りつける。それこそ、本当にスイカを割るかの如く思いっきり殴りつけた。
「――ッ!?」
声にならない悲鳴を上げて、勝はその場を激しくのたうち回る。服が汚れるだの頭に砂と埃がつくなど知ったことではない。痛いものは痛いし、こればかりはのたうち回らない限り、この痛みをやり過ごす事など不可能だ。
「・・・・・・・・・大丈夫?」
「「――ッ!?」」
突然の見知らぬ少女の声に、勝は今までのことが嘘のようにその場から飛び退き、ピエールは臨戦態勢を取る。いきなり動いたことで頭痛が酷かったが、二人を支配している緊張感のおかげで耐えることが出来た。
別に、二人は声を掛けられたことに驚いたわけではない。ましてや、この醜態を見られたんじゃないか、などと思っている訳でもない。
問題は、少女の声がするまで、ピエールと勝の両方がその少女の接近にすら気付かなかったことである。馬鹿をやっていたとはいえ、この小さな声が聞こえるまで近づかれれば普通は気付く。なのに、気付けなかった。
勝は怪訝そうな顔をしながら、目の前にいつの間にか立っていた少女を見る。
華の蜜の様に甘いベビーフェイスと、薄いウェーブを引いたツインテール。幼さの際立つ容姿に見合わないほど蠱惑的なボディライン。身長は勝とあまり大差がないにもかかわらず、女性的な膨らみのある乳房持ち、黒と蒼のレースで飾られたゴシックロリータの服は際どいシースルーで胸元と美脚を惑わしている。
こちらに掛けた声とこの柔らかい雰囲気からして、恐らく敵意は無いのだろう。しかし、正体が分からなければ警戒を解くことは難しい。
「・・・・・・・・・頭、大丈夫?」
「これが大丈夫に見えるなら、ある意味大物ですよ。それで、これはもしかして貴女の仕業ですか?」
コクン、と頷く少女。
「はぁぁ~・・・・・・悪戯は程々にしないと、後で痛い目みますよ? 例えば」
ズガシュ!
「こんな風に。これで今回のことはお互い不問にしましょう」
ニコニコといつもの胡散臭い笑みを浮かべる勝。今、何をやったかと言えばそれは簡単。勝は少女の注意を自分にひきつけておきながら、後ろ手に隠し持っていた金槌をその状態で回転を加えて投げ、少女の脳天に見事にクリティカルヒットさせたのだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
コクリ、と無表情のまま頷く少女。流石の少女も、やり返されたせいで反省はしたのだろう。明らかに長い間が、その証拠である。
「貴方は、マーシャル?」
「そうですけど・・・・・・そういう貴方は?」
「今回の同盟相手の〝ウィル・オ・ウィスプ〟のリーダーのウィラ=ザ=イグニファトゥス様だ。マーシャル、アンタもうちょっとこの世界の常識を取り入れてくれ・・・・・・」
答えは目の前の少女のウィラからではなく、ピエールから返ってきた。
「へぇ・・・・・・ま、とりあえず中に入りましょう」
そう言って、今度こそ建物に入る為に足を運び、そのまま同盟会談の為の一室に入るのだった――
古臭い宿の一室。そこでは今まさに、三つのコミュニティが同盟会談を始めるところだった。
「それでは、同盟会談ということでまず一つ。お互いに自己紹介をしましょう。僕は〝エクリプス〟リーダーのマーシャルです。以後お見知りおきを。それと、僕の隣に居るのはピエール=ジョゼフといいます。一応、若輩者の僕のアシスタントをしてもらうために連れてきました」
「マーシャルから紹介を受けた、ピエール=ジョゼフと申します。以後、よろしくお願いします」
「私は、〝ウィル・オ・ウィスプ〟リーダー、ウィラ=ザ=イグニファトゥス。よろしく」
「僕は〝ペルセウス〟リーダーのルイオス=ペルセウスだ。以後、よろしく。それで、同盟はいいが、具体的にどんな内容なんだい?」
各々の紹介の後、〝ペルセウス〟リーダーのルイオスが単刀直入に訊いてくる。マーシャルこと勝は営業スマイルを浮かべながらコミュニティのリーダーである二人を一瞥し、口を開く。
「単純な内容です。僕たちのコミュニティは超が付くほどの少数精鋭です。よって、〝ペルセウス〟には人材派遣と、こちらが窮地に陥った場合に駆けつけてくれることを要求します」
「見返りは?」
「手練れた者が必要になったとき、可能な限りの戦力を投入して、〝ペルセウス〟をサポートします」
「却下。こっちが何時も人材派遣しているのに対して、そんな一時の精鋭貸し出しは割に合わないでしょ。それに、僕たちだって〝エクリプス〟の窮地に駆けつけなきゃいけないんでしょ? どう考えても無理だね」
ルイオスの言葉はもっともだった。この条件では圧倒的に〝ペルセウス〟の不利益になる。彼らには隷属させた星霊という武器があり、更にルイオスは〝エクリプス〟というコミュニティの実力を知らないのだ。同盟が結べないのは、初めから目に見えていた。
だからこそ、〝エクリプス〟は今回、〝ペルセウス〟がもっとも食付きそうな交渉材料をしっかりと持ってきた。そして、交渉成功率を高める策も使用した。今がそのカードを切る絶好の機会だと思い、マーシャルは口元に微笑を浮かべて話を続ける。
「では、人材派遣は要りません。窮地に駆けつけてくれるだけで結構です。ですが追加条件を加えます。〝ペルセウス〟の所有している〝鍛冶神・へパイストス〟の神格を使って、僕たちが持ってきた素材を片っ端から加工してください。分け前は、こちらが八、そちらが二です」
それを聞いて、ルイオスは呆れた様に溜息を吐き、肩を竦めて言った。
「話にならないよ。つい一か月前に出来たコミュニティが、果たして〝鍛冶神・へパイストス〟の神格をもって加工するほどの材料を――」
「〝太陽石(サンストーン)〟――今はこれが精一杯ですが、〝鍛冶神・へパイストス〟ほどの神格がなければ、十全の力を発揮出来ない鉱石なのは確かです。何せ太陽の恩恵を秘めたものですから。並の人間が加工しても、その秘めた力は一割すら出ない。僕たち〝エクリプス〟であれば、これを手に入れることは十分に可能です」
「・・・・・・どうやって、手に入れるつもりだ?」
「太陽神を潰します」
「・・・・・・は?」
ルイオスが気の抜けた声を返す。しかし、それも当然の事だった。
何故なら今、マーシャルは平然と「太陽神を潰す」と答えたのだ。まったく違和感なく、やってのけるのが当然だと言わんばかりに。
「何を間抜けな声を。僕たちは〝エクリプス〟ですよ? それにこちらの主力には隷属させたガルム――フェンリルが居る。ならば当然、その眷属のスコルとハティも使役している筈です。中層までの太陽神なら、訳なく倒せます」
「――ッ! フェンリル・・・・・・だと?」
ここで初めて、ルイオスが明らかな動揺を見せた。〝太陽石〟ではなく〝フェンリル〟という単語に、明らかな動揺を見せていた。
(馬鹿な。フェンリルといえば、軍神テュールの右腕を食い千切っただけでなく、その後ラグナロクでオーディンと対峙し食い殺した神々の災い・・・・・・! どう見積もっても、明らかに上層クラスの・・・・・・下手をすれば、3桁並の化け物だぞ!?)
いや、とルイオスは考え直す。先ほど、マーシャルは〝ガルム〟を〝フェンリル〟と置き換えて言った。つまり、それは元が〝ガルム〟という伝説の方が強く反映しているのだとすれば――
(ブラフ? いや、〝ガルム〟と〝フェンリル〟は同一視されることが多い。だけど、その二種では伝承に大きな差がある・・・・・・。ガルムは軍神テュールと相打ちになり、最高神オーディンを殺したとは言われていない。逆にフェンリルは軍神テュールの右腕を噛み千切ってはいるものの、テュールを殺したという伝説はなく、代わりに最高神オーディンを殺したという伝説が・・・・・・)
格で言えば、明らかにフェンリルの方が上。しかし、もしこれらがこの箱庭で同一視されるものだとしたら――その力はまさに、神々の災いといえるほどのものだろう。
しかし、肝心の〝ガルム〟なのか〝フェンリル〟なのかという部分に置いては、ルイオスがいくら考えても分からない。だからこそ、ルイオスは自分から口を開くしかなかった。
「・・・・・・そいつは、〝ガルム〟と〝フェンリル〟どっちの伝説が大きく反映されている?」
ルイオスから初めて質問――交渉の余地ありという反応が返ってくる。マーシャルはそれを見て、いつもの営業スマイルで答える。
「ハッキリ言えば知りません。しかし、僕が白夜叉さんから受けたときは〝軍神殺しの番犬〟というギフトゲーム名でした。この事から恐らく、ガルムの方が大きく反映していると思われますが――僕は、ガルムをフェンリルより更に上へ、昇華させようと思っています」
余談だが、ガルムを隷属出来たのは白夜叉の意思ではなく、ガルム本人からの要望だった。何故そうなったか分からない勝だったが、白夜叉も本人の意思なら良しと考えたのか、あっさりとガルムを隷属することになった。などという、拍子抜けにも程があるエピソードがあった。
「馬鹿な。それこそ、またオーディンを食い殺さなきゃいけないんだぞ?」
「いいえ。オーディンは最後です。まずはその息子のヴィーザルを食い殺し、その後にオーディンを食い殺します。そうすれば、伝承通りにはならない。更に言えば、ガルムはフェンリルのような〝神々の災い〟などという称号ではなく、〝神殺し〟という称号が与えられるでしょう。そうなれば、最低でも神格保有者全てを容易に倒すことは可能です」
「――ッ」
ルイオスが絶句する。今まで話に入れていなかったウィラですら、大きく目を見開いて驚きを示していた。
「マーシャル、ちょっといいか?」
「ん? どうしたの?」
二人が驚いている中、マーシャルの側近であるピエールが話に割り込む。ここで話に割り込むのはそれなりに重要な案件かもしれないと思い、マーシャルがピエールの方に顔を向けると――何やら、ピエールは複雑な表情をしていた。
「まさかとは思うが――二つ目の封書を見てないんじゃないだろうな?」
「――あっ」
マーシャルは小さく声を上げて、ポケットに入れたままになっていた封書を取り出す。一枚目は既に開封されていたが、二枚目のものは未開封の状態だった。
それを見て今、白夜叉の言っていたことを全て思い出した。それと同時に、マーシャルは納得したように一人で頷く。
(なるほど。確かに、これは〝ノーネーム〟のメンバーに見つかってもバレそうにないな。これなら、心置きなく祭りを楽しめる)
「・・・・・・今は何も言わねぇ。とりあえず、それを読んでくれ」
ピエールは呆れた様に溜息を吐く。それを聞いて「分かったよ」と返事をして封書の封を開けると、その中もやはり一通の手紙が入っていた。何が書いているのかと、とりあえず目を通してみると――
『前略 勝殿へ。
私は今、ガルムとしての霊格を上げる為、白夜叉様から頼まれた案件に全力を尽くしています。どうやら〝サウザントアイズ〟に保管されていた〝オーディンの眼〟が内部に居る者の手によって盗まれてしまったらしいです。それも、その盗んだ人物はずっと先の先祖がオーディンだとのこと。白夜叉様からも場合によっては食い殺して良いとの伝令を受けていますので、問答無用で食い殺して霊格を上げる事にします。
それでは、私からの報告は以上になります。同盟の話、上手くいくことを祈っております』
と、文章はそれで終わっており、比較的に短い物ではあったのだが――マーシャルは頭が痛そうに米神を押さえる。
「ねぇ、ピエール」
「何だ?」
「もしかして、さ。〝エクリプス〟ってただの問題児の集まりだったりするの? まさか、エレン=ドラクレアって子も問題児なんじゃ――」
「事実だ。現実を受け止めろ」
ピエールの無情の一言に、マーシャルは椅子から地面に力無く崩れ落ちる。同盟中に醜態を晒しているなどただの馬鹿なのだが、今はそんなことがどうでも良いくらいに、マーシャルは投げやりになっていた。
「はは・・・は・・・・・・どうすんの、これ」
「アンタが作ったんだろ。自分で考えやがれ」
無情極まりないピエールの言葉に、だんだんと生気を失っていくマーシャルの瞳。どうやら、この問題は彼のメンタルをかなり削るほどの事態だったらしい。
「・・・・・・あれ? これってもう終わった件でしょ。何者かが〝オーディンの眼〟を盗んだ者を撃退し、その際に〝オーディンの眼〟は木端微塵。塵も残らなかったって話しじゃん。もしかしたら、御宅のガルムが〝オーディンの眼〟を食って霊格を上げているかもね」
手紙を手に取ってみたルイオスが冗談半分に言うが、生憎今のマーシャルはそれが本当に起こりそうで、心労が増すばかりだった。
「冗談でもやめてほしいです。そういうのは・・・・・・」
面白そうに冗談を言うルイオスに、心労がマッハのマーシャル。しかし、この時まだ彼は知らなかった。
ルイオスが言ったことよりとんでもない事態になってしまうことを、まだ誰も知らなかったのだ。
時は同盟会談の数日前に戻り、上層である三九三二外門。そこでは今、一匹の黒い巨躯を持った巨大犬と、綺麗なプラチナブロンドの髪と血の様な赤い瞳をした歳は二桁になったばかりの少女が、ある者を追跡するために全力で移動しているところだった。
『くそっ! 存外に素早い奴だ!』
「どうする? あの槍を使えば、確実に仕留める事も出来るけど――」
『すまない。私の霊格を上げるには、奴を食い殺さなければならないのだ』
「だよね~・・・・・・」
建築物の屋根の上を次々と飛び移りながら会話をする二人。少女の方にはまだ余裕があるように見えたが、犬の方には余裕などないのか、声音からもそのことがひしひしと伝わってきた。
「じゃあ、こうしよう! 私が槍で相手を麻痺させるから、弱った相手をガルムが食べちゃって!」
『って、出来るなら最初にそれをしてほしかったぞ!?』
「ふふん。だって取って置きは、最後まで取っておくのが定石でしょ? こっちが追いつけないと高を括っている相手だからこそ、その油断を突いて私が槍を投擲して相手を麻痺させる! これで成功率は倍増し! 当たる確率は九割強ってね!」
と、理に適った意見にガルムと呼ばれた巨大犬は驚きのあまり目を見開く。まさか、こんなに小さな少女がそこまでの考えを持っていたとは、想像していなかったのだろう。
少女は不敵な笑みを浮かべながらギフトカードに収納していた槍の一本を取り出す。
「それじゃ、投擲するよ!」
そう言うと同時に、少女は建物へと飛び移る際に通常の三倍以上の跳躍を見せ、片手でその槍を持ち胸は逸らし、それでも視線は相手へと向け、逸らした胸を勢いよく元に戻す――いや、前のめりにすると同時にランスを力一杯に投擲する。
投擲したのと相手の体勢が不安定になったのと、その直線上にあった空き地が爆発しクレーターが出来たのはほぼ同時だった。
彼女が投げた後の槍は――ガルムですら視認することが不可能な速度で、投擲された。あの投擲された槍の速度は音速というには速すぎ、光速というには少し遅い。これがきっと、第三宇宙速度というものなのだろう。
「よし! 脊髄と胸椎の中間を掠めて、その上部の圧迫完了! これで五分くらいはアイツ、首から下が麻痺するから、食い殺すには十分だね!」
『――はっ?』
一瞬、ガルムは自分の耳を疑った。何故なら彼女は、自分から200m以上離れている相手に槍を直撃させるのではなく、その第三宇宙速度にも似た馬鹿げた速度で、脊髄と胸椎の中間、その上部という細かい位置、そして圧迫という力加減、その両方をやってみせたのだ。これが如何なる領域の技術なのか、槍を投擲した人物であれば誰だって分かるだろう。いや、投擲したことの無い人物でも分かる。
アレだけ離れた距離で移動中の相手を、その上にあの速度で重たい槍を投擲し、神業のような所業を行って見せた。誰が見ても、この神業には舌を巻く事だろう。
「さっ、早く行こう! 霊格を上げるんでしょ?」
『あ、あぁ・・・・・・分かった』
驚愕に呆然としていたガルムは少女の言葉に意識を呼び戻され、すぐに相手の落ちた場所へと向かう。
「あ、みーつけた!」
「ッ!?」
少女の声と共に、麻痺して倒れ伏しているにも関わらずビクッと反応を見せる、歳はまだ十前半に見える少年。
「ふーん・・・・・・まだこんなに小さい子どもが〝オーディンの眼〟を盗み出したのか~。どうするガルム? やっぱり、食い殺しちゃう?」
少女の無邪気なその言葉に、少年の顔が恐怖に歪む。その隣に居た黒い巨大犬を見て、ますますその歪みは酷くなる。
『いや、エレン。こんな小さな少年に、それを言うのか?』
「だって、もともとガルムが引き受けたのって、自分をフェンリルに昇格させる為でしょ? なら、この子は不完全ながらもオーディンの神格を持ってるんだし、食い殺せば昇格出来るじゃん。なら、食い殺すのが一番かなって。あ、もちろんだけど人情抜きにしての話だよ? 私だって、本心ではこんな小さな子どもを食い殺させるのは気が引けるんだよ?」
無邪気にそう言うエレンと呼ばれた少女。この少女の恐ろしい所は、言っている事の何が本気で何が冗談なのか、まったく分からないというところだ。今だって、まさにそうだ。ハッキリ言われるまで、この少女は本気で少年をガルムに食い殺させようとしていたのではないか、と考えてしまう程に、その真意が分からなかった。
『安心しろ。私はこの子を食べようとはしない――条件を満たしてくれれば、な』
「うわっ、ガルムって案外酷い」
『エレンにだけは言われたくない。それと条件は二つ。一つはその〝オーディンの眼〟を私に譲ってほしい。もう一つは、我々のコミュニティ〝エクリプス〟に加入すること。この二つを条件に、君を見逃すことにする』
「ダメだ! 〝オーディンの眼〟だけはダメだ!」
不意に少年が大声を発する。ただならぬ気迫と必死さに、ガルムは何事かと思い、反射的に訊く。
『どうしてだ?』
「これは先祖様の眼だ! 僕はそれを先祖様の墓に添えなきゃいけないんだよ! あの槍を手に入れる為に! 僕が〝オーディン〟の完全な霊格を手に入れる為に!」
『なら、それが終わった後でも良い。その眼を譲ってもらえないのか?』
儀式であれば、〝オーディンの眼〟は儀式終了と同時にただの遺物となる筈だ。だからこそ、ガルムはそう提案してみるが――
「無理だ。僕が〝オーディンの眼〟を先祖様の墓に添えた時、僕の眼とオーディンの眼が交換され、それによってオーディンの完璧な霊格を得る事が・・・・・・その槍を手に入れる事が出来る。でも、その眼を失えば――僕はその霊格を失う事になるんだ」
少年に説明され、ガルムは考え込む。今このオーディンの末裔をコミュニティに入れて新たな戦力を得るか、それとも自身を強化してコミュニティに貢献をするか。
この〝エクリプス〟のリーダー・・・・・・マーシャルこと勝なら、自分と同じ立場になってどの様な行動をするか考える。
(・・・・・・いや、考えるまでもないか)
ガルムはすぐに結論に至り、最後の交渉に移る。
『では、それまで我々が手伝いをする。代わりに、事を成した時は〝エクリプス〟に加入し、今後は〝エクリプス〟に貢献すること。この条件で、見逃してやる』
「ほ、本当か!?」
『あぁ。どのみち貴様は、〝サウザントアイズ〟から追放されているのだろう? ならば、我々の元へ来い』
パァッと少年の顔がさっきまでと違い、満面の笑みを浮かべる。
『エレン、悪いが白夜叉様に報告を――』
「うん。分かってるよ。それより、早く一緒に行ってあげてね。これからコミュニティが大規模な進化を遂げるんだから」
そう言って、エレンは来た道を戻って行った。後に残った一人と一匹は、残った目標の為に前へと進む。
『それでは、行くぞ』
「はい!」
こうして、オーディンの末裔とガルムの間に妙な絆が生まれたのだった――
「それでは、纏めますね。僕たち〝エクリプス〟が〝ペルセウス〟に提供するのは、緊急時の精鋭の投入でのサポートと、何かを作る時にその素材を取ってくること。〝ペルセウス〟が〝エクリプス〟に提供するのは緊急時の場合に助力してくれることと、武具製造を素材だけで行ってくれること。そして、武具の手入れは〝ペルセウス〟が作ったものなら全て無料で手入れすること。また、素材の分け前は僕らが七、〝ペルセウス〟が三。これで問題はありませんね?」
「あぁ。それで問題は無いよ。同盟締結だね」
これにて、〝エクリプス〟と〝ペルセウス〟の同盟が締結した。次は〝ウィル・オ・ウィスプ〟との同盟なのだが――
「――あれ、ウィラさんは何処へ?」
「あぁ、彼女なら突然何処かへ消えていったよ。僕も、行先は分からない」
「・・・・・・もしかして、僕が三つのコミュニティ同時に集めたのがいけなかったのでしょうか・・・・・・?」
「ま、同盟の話をしていないコミュニティのリーダーの方は暇だからね。それじゃ、僕はこの辺りで抜けるよ。既に〝ウィル・オ・ウィスプ〟とは同盟締結しているからね。それじゃ、素材を集めた時はよろしく」
そう言って、ルイオスは部屋から出て行き、何処かへと行ってしまった。
残されたマーシャルとピエールは溜息を吐く。
「マーシャル。アンタは祭りでも楽しんでこい。俺はここで相手のリーダーを待ちながら、一休みさせてもらう」
「・・・・・・分かった。そうするよ」
何ともいえない空気の中、マーシャルは宿を出て行く。ピエールは日ごろの疲れと心労を癒す為に、その宿の一室で仮眠を取る事にしたのだった――
後書き
今回の回、どうでしたでしょうか? 何か不備などはありませんでしたか?
実は私、この二次創作書かせていただいている時に色々と調べるうちにどうやって物語を自然に進められ、更に原作から出来るだけ乖離させられるか、と考えたのですが――そのせいで、今回の回の後半が腐ってしまったのかもしれません。
少々強引な進め方になっているところが見受けられた場合は、出来ればご報告お願い出来ればと思います。ご愛読者様の許容範囲というのが私には良く分からない為、その調査の協力も兼ねて、メッセージや感想で教えていただければと思います。
また、今回はようやくガルドことピエールが拾ってきた〝エクリプス〟に所属する〝鬼種〟の純血が出てきましたね! 流石にそろそろ出さないと不味いかな、と思い、同盟の話をカットして入れさせていただきました(ただ単に同盟の話がそれからどう進むか、そして文章力が足りなかっただけという部分があります)
また、エレンのやった脊椎と胸椎の中間、その上部を投擲した槍で掠めて圧迫するという方法ですが――お気づきの方はいらっしゃると思いますが、これは緋弾のアリア原作三巻で、レキが狙撃銃でやっていたことのパクリです。何でそうなったか、原理を聞かれても二次創作者の私はお答えできないので、ご了承ください。
それとエレンの正体とか分かった人は、それを胸の内に秘めておいていただければと思います。
今回出てきた〝オーディンの眼〟ですが、実は本当にオーディンは眼を代償にしたことがあったりします。それで代償にしたのが眼で、これは使える・・・・・・〝サウザントアイズ〟なら持っていそうだな、ということを考慮して、今回はその末裔と共に出させていただきました。
少々無理な部分はあったかもしれませんが、一つ大きな事件でも無ければエレンの凄さ出すのは難しいと思い、このような手段を取らせていただきました。
そしてまさかのウィラの早期登場。原作ではもっと後に出てくる人なんですけど、やっぱりそこら辺はブレイクしても問題ないかな、などと思いました。
そんなこんなで、今回の話は構成されています。もしかしたら、これだけ多くのこと入れたせいで今回の話の後半が結構混沌としたのかも・・・・・・反省しています。
そんな混沌としてしまったこの回を最後まで読んでくださった方々、本当にありがとうございます!!
今回の回では特に辛口コメント、悪い点、コメント、良い点などを募集します!
それでは、次にお会いするのは恐らく感想やメッセージ、もしくは二週間後くらいになるでしょう。少し間は空きますが、これからもご愛読の方をよろしくお願いいたします!
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