魔法少女リリカルなのはViVid~英雄の意思を継ぎし子達
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
二話~『覇王』襲来
前書き
スバル「今回のタイトル、かっこいいよね」
ウェンディ「おー!やっぱスバルは話がわかるッスね!ノーヴェなんて「アホかお前」で
一蹴ッスよ」
スバル「あはは………ノーヴェらしいね」
ウェンディ「さてさて!ではそろそろ始めるッス!」
スバル「本編どうぞ~」
side ヴィヴィオ
クリスとエクスを受け取った翌日。イクスのお見舞いの帰りにノーヴェと共にストライクアーツの練習をすることになった。
リオとコロナも一緒だ。そして、なぜかウェンディもついてきた。
「それにしても二人とも文系だと思ってたんだけど、格闘技もやるんだね」
「文系なのは間違いないけど私は色々やってるからね」
「確かに色々やってるよね」
「色々って?」
リオが気になった様で興味津々、といった感じで聞いてくる。
「えーっと、格闘技、剣、槍、弓矢、魔法……今のところはこれくらいかな?槍はエクササイズみたいなものだけどね」
「私もストライクアーツはエクササイズレベルだよ」
私がそう説明するとコロナも自分のことをリオに説明した。
「ヴィヴィオは凄いね……」
「ぜーんぜん。まだまだだよ。パパには遠く及ばないし」
「確かにね……」
パパのバリエーションを考えるとかなり少ないと思う。パパは私が知っているだけで剣、槍、弓矢、拳銃、狙撃銃、斧、槍斧、槌、投擲剣、短剣、八極拳、魔法、魔術と十を越えるものに手を出している。
ママですらパパがどれくらいの数の武器を扱えるかはわからないほどだそうだ。
「ヴィヴィオのパパって何者?」
「「主夫」」
パパの事はこう答えるしかない。
コロナも本当の仕事を知ったときは何度も繰り返し真実かを確かめようとしていた。
明らかに普段の姿とはかけ離れてるからね。
「どんな人なんだろう……会ってみたいな」
「慌てなくてもすぐ会えるよ」
「???」
この言葉の意味をリオが知るのはまだ先のお話。
閑話休題。
「準備できたかー?行くぞ」
「「「はーい!」」」
今は練習頑張ろう!
side リオ
ヴィヴィオと組み手を行うと、そのレベルの高さに驚く。
流れるような動きに時折混ざるフェイント。同い年だというのが信じられないほど慣れた動きだった。
「凄いね、ヴィヴィオ。勉強に運動、なんでもできちゃうんだから」
「そんなことないよ。まだまだパパにもママにも追いつけないし、優を守るためにはもっともっと強くならないといけないしね」
「優ってヴィヴィオの弟だっけ?」
そういえば弟がいるって聞いた気がする。
確か二歳になったばっかりなんだっけ?
「うん。まだまだちっちゃいからね」
「すっごく可愛いんだよ!」
コロナもそういうくらいだからかなり可愛いんだろうな……会ってみたい。
そんな時、ノーヴェさんがこちらにやってきた。
「おーい、ヴィヴィオ、そろそろやるか?」
「うん!」
何をやるんだろう?そう思っていたらヴィヴィオはデバイス、セイクリッド・ハートを掴む。
「セイクリッド・ハート、セットアーップ!」
そしてセットアップすると、そこには16、7才くらいの姿になったヴィヴィオがいた。
「すみませーん、ここ使わせてもらいまーす」
「失礼しまーす」
そして二人は練習場の中央くらいまで行く。
「何が始まるの?」
私はコロナに聞いた。
「二人の組手だよ。ある意味名物みたいになってるんだ」
コロナの言葉に周りを見回すと、練習をしていた人たちもみんなヴィヴィオ達の方を見ている。
「それじゃあ行くよ、ノーヴェ!」
「おうよ!」
まずは軽くジャブの応酬。そこから蹴りや拳のラッシュを仕掛ける。それを防ぎきるとどちらからともなく距離を開ける。そしてまた牽制攻撃を繰り出していく。
「ほぇ~。二人ともすげえッスね~」
「はい!」
気が付けばここにいるほとんどの人が二人の組手に見入っていた。
「ちょっと上げてくぞ、ヴィヴィオ」
「オッケー!」
そんなギャラリーには見向きもせず、さらに高速の打ち合いを始めた。
正直に言えばヴィヴィオのレベルの高さには開いた口がふさがらない。
その後、20分ほど組手を続けた二人への賞賛を聞きながらゆっくりとダウンをした。
side ヴィヴィオ
「今日もみっちりやったねー」
「私はいろいろと驚かされたよー」
帰り道、リオからの質問攻めがあったが、お喋りしながらのんびりと帰る。
途中まできたところでノーヴェが立ち止まる。
「わりぃ、ウェンディ。チビ達頼むわ」
「いいッスけど……なんかあるんスか?」
「救助隊の装備調整だ。ってなわけだからよろしくな」
「りょーかいッス!!」
ノーヴェは救助隊で別行動になったので、4人で帰ることになった。
「それじゃあ気を付けてな」
「「「「はーい!」」」」
ノーヴェの一言に返事をする私達。………ウェンディは別にしなくても平気だと思うけどね。
…………………………………………………………………
「ただいま~」
「お帰りヴィヴィオ」
家に着くとパパの姿しか見当たらなかった。
「あれ?ママと優は?」
「お風呂に入っているぞ。ヴィヴィオも一緒に入ってきたらどうだ?」
パパがそう提案するが、私はもう少し捻りが欲しいと思った。
そうしてあることを思いつく。
「そうだ!ねえパパ……」
side なのは
「大丈夫?かゆいとこない?」
「へいきー」
「それじゃあ流すよー」
優とお風呂に入っていると、ドアがノックされた。
「ママー。私も入っていいー?」
「いいよー。入っておいでー」
ノックしてきたのはヴィヴィオ。入って来たのは……
「おじゃましま~す」
「………入るぞ」
士郎君とヴィヴィオだった。
「わー。お父さんも一緒?」
「あ、ああ。お姉ちゃんがどうしても、って言うからな……」
「たまには皆一緒でもいいでしょ?」
「ま、まあそう…だね」
思い返すと士郎君とお風呂に入った記憶ってほとんどない。
だから、と言うのも何だが
「いい機会だしパパ背中流してあげるよ」
「む、それならお願いするとしようか。お返しに髪を洗ってあげよう」
「ありがとう。……これがランス君なら洗いっこと称したセクハラするよね」
「間違いないな」
最後の方は小声で話した為、優には聞こえていなかった。しかし……
「ランスさんそんなことするんだ……」
ヴィヴィオには聞こえていたようだった。
「ヴィヴィオも付き合うならランス君みたいなスケベじゃなくてパパみたいないい人にするんだよ」
「はーい」
…………………………………………………………………
「どう?弱かったりとかしない?」
「大丈夫だ。上手いよ」
「ありがとう」
ヴィヴィオも身体を洗い終え、湯舟に入る。
それで少し広くなった洗い場では私が士郎君の背中を流していた。
古傷だらけの背中。最初は驚いたが、今ではもう見慣れたものだ。
「はい。OKだよ」
「ありがとう。それではなのはの番だな」
「うん。お願い」
そう言って後ろに回り、私の髪を洗い始める。
元が器用な士郎君は髪を洗うのも上手だった。
洗い終わり、湯舟に入ろうとするも、四人では狭い。
と、思ったが、優は長く入っていたため、上がりたがっている。
「暑いー。お母さん、上がろーよー」
「でもママはまだ入ってないんだけど……」
「それなら私が優の着替え手伝うからママはゆっくり入ってて」
「ヴィヴィオ、ありがとう。それじゃお願い」
そうして子供たちは上がって行った。
久しぶりに士郎君と私の二人っきりだ。
「ヴィヴィオも一丁前にお姉ちゃんだね」
「ああ。優の面倒もよくみてくれているし、成長したものだ」
そんな会話を交わしつつ、久々に夫婦水入らずを満喫した私であった。
……別に深い意味はないよ。
side ノーヴェ
救助隊の装備確認も終わり、帰路に着いたあたしに突如として話しかけてくる奴がいた。
「ストライクアーツ有段者、ノーヴェ・ナカジマさんとお見受けします」
そいつはバイザーで顔を隠している碧銀の長髪の女だった。
女は続けて語りかけて来る。
「貴女にいくつか伺いたいことと、確かめさせて頂きたいことがあります」
……これが、長い付き合いになる彼女との出会いだった。
後書き
今作のヴィヴィオについて補足。
無限書庫司書資格は持っていません。
リオと会ったのは学院の図書館です。
詳しくは赤い弓兵と青の槍兵を読んでいただければお分かりいただけます。
ページ上へ戻る