連邦の朝

毎度、お読み頂き有り難うございます。 

ワイアットはトリステインで挙式を終えて、トリステインの内情を書簡から読み取っていた。

「これはひどい、異常事態だな。」
ワイアットはそう言ったが何故地球連邦軍大将まで登り詰めたとはいえ一軍人に過ぎないワイアットが書簡から
財政や国の情報を読み取れたかと言うとアルビオンでのワイアットが政治教育をしっかり受けていたという
訳じゃなくワイアットがあの空間で渡された知識が関係している。
ワイアットに知識を渡した中にパトリック・ザラやギレン・ザビ、クラックス・ドゥガチ、カガチ等の名だたる
政治家やムルタ・アズラエルの様な優れた起業家もいたことがワイアットの理解力上昇に一役買っていた。

「まずは国力回復のために、輸出を制限しなくてはな。」
ワイアットの考えは、トリステインの王になったてしまったのだから仕方ないとしても型上はトリステインは
絶対王政であり、トリステイン=ワイアット、ワイアット=国家の様な図式が完成されているために長生き
したくば、トリステインの国力を高める作業をしなくてはならないのだった。
それと同時にトリステインの軍事力を高めガリア、ゲルマニアに対しての防衛力を持ちかの国々から
トリステインを守らねばいかない更には形式上は同盟国だがアルビオンに対しての備えもしなければならない。
同盟国は同盟国であって自国ではないのだかつて誰かが言った通り「国に友好は有れど国家に友人はない。」
この言葉通りいくら備えてても良いのだ。
しかも周辺国には尚更備えてても良いのだアルビオン、トリステイン間は領土問題は存在しないが
ガリア、トリステイン間 ゲルマニア、トリステイン間には領土問題が多々存在するのだ。
現状のトリステインでは、アルビオンの救援が来る前にガリア、ゲルマニアに飲み込まれる程度でしかないが
ワイアットはまだ戦争は起きないと思っている戦争とは元来政治特に外交と財源から来るものであり、
まだまだガリアとゲルマニアには不穏な気配とワイアットの諜報網を使った謀略、財政が健全で
経済成長していることからアルビオン、ガリア、ゲルマニアとは戦争がまだ無いとワイアットは確信していた。
誰かが言った「平和とは次の戦争の準備期間である。」と言う言葉の元にワイアットはトリステイン富国強兵を
進めつつ、ハルケギニア一の技術と文化大国にし、他国にシンパとスパイを大量に持つ攻めにくく守りやすく
他国が占領しても犠牲の割には大した得のない国にしてトリステインをひいてはワイアット自身を安泰にさせる
国に造りを始めた。

「財源は国庫にあるが誰を信用してよいのか……マザリーニやリッシュモン位しか私は知らんぞ。」
そう言うとワイアットはあることを思い出した。
近くにいた兵士にリッシュモンとマザリーニを呼ばせた。

「お呼びですか陛下！」「陛下いかなる用で？」
二人はワイアットに何のようか問う。

「諸君らを呼んだのは他でもない国のためである。」
ワイアットはそう言うと王座から二人に呼び掛ける。

「マザリーニには宰相をリッシュモンには司法長官と財政官をしてもらう、二人とも異論は？」
ワイアットはマザリーニとリッシュモンを簡易任命式を後日行うとして王の執務室から帰した。

ここに後の世で語られる連邦の二枚の内壁と言われる存在が誕生したのだった。
 

今回は短めにしました。


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