連邦の朝
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第9話 宰相
前書き
三部構成なってしまった。
それでは本文をお読みください。
ワイアットは、会場のラグドリアン湖近くを飛行していた。
ワイアットは、ラグドリアン湖を見て初めてエーゲ海を見た気持ちを思い出した。
ワイアットは、ラグドリアン湖の湖畔は、澄んでおり会場に戻った時に、その差で即倒しそうになるだろう。
「アァ、湖は澄み切っているのにあそこは……全く、いつの時代も、場所も政治というものは……。私も若い頃は、嫌っていたはずだ。しかし、私の事も、若い者はああ見えたのか?何時からか、私は変わってしまったのだろう?」
ワイアットは、ラグドリアン湖を眺めながら考えた。
自分の思考の彼方に、飛び散ったピースを組み合わせるような真似をしているた。
するとラグドリアン湖の水面が、浮き上がり動いていた。
ただし、ワイアットは気付いては、いなかった。
「そこで何をやっているのだ、単なる者よ?」
謎の影が、ワイアットに問いかける。
「なにがだ?貴方こそ誰なのだ?」
ワイアットは、怪しい影に問う。
「お前は単なる者ではなかったか。外より出でたる者よ。」
影がそう言い放った瞬間に、ワイアットは、ラグドリアン湖へと引き込まれていった。
「これはなんだ?それにお前は人間ではないのか!」
ワイアットが、驚愕の事実に驚いていると影が話し掛けてきた。
「私は単なる者から水の精霊と呼ばれる者だ。外より出でたる者よ。少し身体を調べさせてもらうぞ。」
水の精霊は、ワイアットの口に、自分の一部の水を飲ませた。
「ウッ!全く乱暴な精霊だな。」
ワイアットは、そう言いと水の精霊方を見た。
「外より出でたる者よ、もう用は済んだ。帰ってよいぞ。外よりいでたる者よ、お前を私は覚えた。」
水の精霊は、そう言いラグドリアン湖の底へと消えていった。
全く酷いめに会ったと考えている内に、ワイアットは、パーティー会場に到着していた。
「空気が、まるで連邦高官の政治パーティーだな全く。」
ワイアットは、誰にも聞かれぬように呟いた。
ワイアットに近付く影がある。
さっきの教訓を糧にすぐさま振り返る。
それは、青い頭だった。
「やぁ、先ほどご紹介あった、ジョゼフ王子ではないかな?」
ワイアットは、間髪入れずにそう言った。
「グリーン王子、お前は俺の事を見下さないのか?」
ジョゼフは、ワイアットに自身の疑問をぶつける。
「ジョゼフ王子よ。貴方は、高々魔法と言う一つの才能に縛られる。つまらない人間ではないだろう、それと一緒だ。私が、考えにその様な自らの視野を狭める気はない。」
ワイアットは、自身の考えぶつける。
「では、貴方は俺が、シャルル以上に成れると?皆、シャルルがなるだろうと噂しているのだが。」
ジョゼフは、シャルルに対する自身の劣等感から、自然と言葉が出ていた。
「私は成れると思いますよ。ジョゼフ王子、貴方が統治能力が有りになられるならば、貴方は、シャルル殿を勝り、王に成れる。」
ワイアットは、丁寧な言葉でジョゼフに説明をする。
「そうか、私は王に成れると言うのか。俺の事を見下さず、我が国のガリアの貴族より、公平に我が兄弟を見てくれる。俺は嬉しいぞ!」
ジョゼフは、シャルルに対する気持ちが、少し楽になったようで、ワイアットに興味をしめした。
「私はこれで、ガリアのジョゼフ王子、他に行かせて貰うよ。何か他には用は無ないな。ジョゼフ王子?」
ワイアットは、ジョゼフがその問いに肯定を示すと、ジョゼフの目の前から去った。
「去らば、我が理解者、グリーンよ。」
ワイアットは、ジョゼフの別れの言葉をよく聞いていなかった。
ワイアットが会場を歩いていると多くの貴族に話し掛けられた。
しかし、どれも、欲が服を着て歩いている様な連中であり、連邦時代に培ったワイアットの紳士的なあしらい方で全員満足そうに、帰っていった。
ワイアットが、ジョージ二世を探しているとワイアットに誰かが話し掛けてきた。
その男は、少し体格がよく小太りの様な体型のブリミル教の法衣を着た男だった。
「さっきのあしらい方は見事でしたな、我が模範にしたいくらいです。グリーン殿下。」
男がそう言い近付こうとしたのだが、ワイアットは警戒した。
ワイアットはイギリスの生まれの紳士である、頻繁に内政に干渉してくる宗教は、宗教としては確立されていて信者も沢山居るので、かなり危ないと前世の過去の歴史から見て知っている。
しかし、無下に扱うのは、もっと危険だと知っている。
「グリーン殿下、私の自己紹介はしていませんでしたな。少し前にも会いましたが、マザリーニと申す者です。」
マザリーニは、ワイアットに自己紹介し、近付く。
「あぁ、あの枢機卿殿か。」
ワイアットの態度は軟化した。
何故かと言われれば、宮廷内にいたまともなトリステインの幕臣だったからだ。
「覚えて頂き光栄です。難う御座います。」
マザリーニはそう言うと、ワイアットに次の話題をふった。
二人は話し込み、ジョージ二世とマーベリックが来るまで話すのだった。
外交館の貴賓室のベットの上で、ワイアットは呟く。
「結局、私の戦略に必要な伴侶は見付からんかったな…。」
ワイアットは、目をゆっくり閉じた。
とある所で、マザリーニは呟く。
「グリーン殿下が、次期王に成れるとトリステインに繁栄が、もたらされるだろう。一番得意な魔法の系統も水だと言うしな。運命の出会いかもしれん。とりあえず今のところは、姫様にグリーン殿下を好印象にしておくか……。」
マザリーニの呟きは、誰にも聞かれなかった。
ワイアットの知らぬ所で伴侶が、見付かりそうになっていた。
後書き
此処までお読み頂き有難う御座います。
ワイアットの運命の出会いは
リッシュモン、ジョゼフ、マザリーニでした。
感想をよろしくお願いいたします。
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