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万華鏡

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第二十三話 大阪難波その一

            第二十三話  大阪難波
 五人は午前の部活の後でまずは学校で持って来たお弁当を食べた、それが終わってからふとした感じで景子が言ったのである。
「ねえ、化学のレポートね」
「ああ、夏休みの宿題の」
「あれね」
 食事が終わった直後だ、他の四人はそれぞれ空になった弁当箱を包みなおしていた。そのうえで景子の話に応える。
「それもしないとね」
「宿題の方も」
「化学の本も学校の図書館にあるから」 
 景子は四人に話す。
「時間のある時に借りようね」
「そうね、もう少ししたら」
「化学の方もしないといけないからね」
 四人も景子の言葉に頷く、そしてだった。
 景子は持って来たペットボトルの緑茶を飲みながらまた言ったのである。
「理系の方もちゃんとしないと」
「私理系はね」 
 琴乃が難しい顔になって言って来た。
「あまりね」
「得意じゃないのね」
「そうなのね」
「どうしてもね。難しいのよね」
「発想を転換してみてもなのね」
 里香は先日話したことを琴乃に言った。
「それでもなのね」
「そうなの、生物はともかく」
 化学はというのだ。
「あれどうしたらいいかしら」
「小学生の頃の学術漫画みたいな感じかしら」
 里香は少し考えてからこれを出した。
「それ?」
「よくある漫画サイエンスとか?」
「ああいう漫画って面白いでしょ」
「ええ、結構読んだわ」
「その漫画みたいな感じだと思えばどうかしら」
「それでなの」
 琴乃は里香の話を聞いたうえで述べた。
「成程ね」
「それだといいわよね」
「そうね、確かにね」
 琴乃は里香のその言葉に頷いて返した。
「難しく考える必要はないのね」
「そう、化学もね」
「そうなのね」
「そういえば化学の本っていったら」
 ここで里香はまた考えて述べた。
「八条書店にもあるし」
「あそこね」
 ハ地上百貨店の向かいにある七階建ての巨大な本屋だ。これも八条グループの店で日本の主要都市にそれぞれある。
「あそこにあるかしら」
「あそこならあると思うわ。凄く大きなお店だから」
「それでなのね」
「そう、後はね」
「後は?」
「今度行く難波にも大きな本屋さんあるから」
 里香がこう言うとだった、彩夏が言った。
「あのお店ね、ジュンク堂ね」
「そう、あのお店だけれど」
「あのお店も大きな街にあるわよね」
「大阪にはあそこでね」
 難波にだというのだ。
「京都にもあるし」
「あと東京にもね」
 関西人なので東京は後回しになった。
「そこにもあるし」
「じゃあジュンク堂行く?」 
 琴乃は四人の話を聞いてそして言った。 
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