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ハイスクールG×D 黄金に導かれし龍

作者:ユキアン
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第7話

 
前書き
お久しぶりです。
なんとか2巻目が書き上がりましたので今日からまた1話ずつ投稿します。 

 


「部長、チラシ配り終えました」

「ご苦労様、イッセー」

「少し時間がかかりすぎているぞ」

イッセーが悪魔に転生してから1週間が過ぎた。現在イッセーは悪魔の契約を取る為のチラシ配りを頑張っている。私も悪魔では無いが使い魔と言う事で契約を取らされている。チラシは初日で全て配り終わり、何人かの常連の顧客も確保している。この後も依頼で神話学の家庭教師に向かう予定だ。

「道に迷ったんだよ。言われたとおりに赤龍帝の篭手と小宇宙での強化は行ない続けてるぞ。今は5秒の溜めで2秒の強化が出来てる」

「遅いのか早いのかが分からんな」

部室のテーブルでこの後使う教材の準備をしながら頭を捻る。

「何分、ドライグが言うにはこんな鍛え方をした奴が居ないから分からないらしい」

「双葉、今は後にしなさい。それより、イッセー、チラシ配りは終了で良いわ。今日からは他の皆みたいに契約を取りに行って貰うわ」

「あの、レイナーレは?」

「彼女はついさっき、契約を取りにいってもらったわ。丁度入れ違いだったわね」

「そうですか」

何やらそわそわし始めるイッセーを見て、何を考えていたのか分かったので安心させてやる。

「イッセー、そういう依頼はそれ専用の悪魔の元に行く様になっているし、レイナーレが一般人に負ける訳が無いから安心しろ」

「いや、オレは別に」

「聖闘士の技の中には過去に起こった場面を再生する技が「ごめんなさい、許して下さい」無い」

「無いのかよ!?」

「正確に言えば今は出来ない。聖杯聖衣が有れば出来ない事も無いのだがな」

「聖杯?そんな星座有ったか?」

「一般的にコップ座と呼ばれてるものだ。ただし、聖闘士の中ではかなり上位の聖衣だ。聖闘士の中で2位である教皇の補佐をする聖闘士のみが纏う事が出来る物だ。そして最も黄金に近い白銀でもある」

「ちなみにオレのドラゴンとペガサスは?」

「青銅、それの中堅位。ちなみに今の私は教皇というトップの地位だから」

「ちくしょう~~」

イッセーが泣きながら転移の魔法陣の中に飛び込み、魔力を倍加して転移する。何でも子供の魔力が有れば使える転移の魔法陣が使えない位に魔力が少ないらしい。その為、赤龍帝の篭手で毎回倍加させないと飛べないのだ。
引き続き、教材を用意しようとした所で魔法陣が光りだす。レイナーレが帰ってきたのかと思えばイッセーが慌てた様子で帰ってきた。

「無理無理無理無理、絶対無理だってあれ!!」

「落ち着けイッセー、何があった」

「こう、なんていうか、あれで、でかくて強くて、とにかく一緒に来てくれ」

イッセーに連れられて転移した先は、何処かのマンションの一室だった。

「おや?ミルたんじゃないですか」

「にょ?お隣さんの神代さんかにょ。まさか、神代さんも悪魔さんだったなんて知らなかったにょ」

「え?知り合いってか、お隣さん?」

目の前に居る依頼主は私の隣の部屋に住んで居るミルたん(本名不明)だった。筋肉隆々な身体に猫耳とゴシック調のドレスを着て語尾に『にょ』をつける人だが、学はあるし、話せば面白いし、たまに作りすぎた料理をお裾分けしてくれる良い人だ。ちゃんと常識はあるし、人の迷惑になる事はしていないぞ。

「ああ、私は悪魔にはなっていませんよ。実はね、私の親友が愛する人の為に色々と頑張っているので私はそれを手伝っているのですよ。それで依頼の方は?」

「そうだにょ、ミルたんを魔法少女にして欲しいにょ!!」

「……魔法少女ですか。魔法少女の定義が難しいですね。とりあえず細かい所を詰めていきましょう。出来る限りの事をさせて貰いますから」

「ありがとうだにょ」

「え?真面目に男三人で魔法少女に関して話し合うのかよ?」

「当たり前です。場合によってはミルたんに聖闘士になってもらおうと思っていますから」

「聖闘士?それはなんだにょ?」

「簡単に言えば地上の愛と平和の為に戦う集団のことです。現在は私とイッセー以外が全滅してしまったのです。それほどまでに地上を乱そうとする敵は多く存在しています」

アテナやオーディン、ゼウス、ポセイドン達はともかく、邪神共は特にクトゥルー神話系の奴らは存在してるだろうな。あいつら本体の見た目が気持ち悪いから出来れば戦いたくないんですよね。

「それは本当かにょ!?だったら、ミルたんはそいつらと戦える力が欲しいにょ。ミルたんは悪い奴らと戦う為に魔法少女になりたかったんだにょ!!」

悪い奴ら?

「最近、『禍の団』とか言う組織があちこちで暴れてるんだにょ。ミルたんの同胞もそれに対抗してるんだけど、撃退するので精一杯で困ってるんだにょ。なんでも、子供を攫ったりとかしている上に人体実験もしているらしいにょ」

「なるほど。なら、ミルたんも聖闘士になってみますか?それか小宇宙だけでも覚えませんか?そうすれば『禍の団』も倒せるはずです」

「本当かにょ?だったらその小宇宙と言うのを教えて欲しいにょ」

「私は他の顧客の元に行かなければならないので基本はこのイッセーに指導してもらって下さい。今はまだ蕾ですけど、そう遠くないうちに満開の花を咲かせてくれます」

今のイッセーがあの修行を成し遂げれば黄金クラスに踏み入れる。あの修行をしなくても今の調子なら卒業までには黄金クラスに足を踏み入れるだろう。

「そうなのかにょ?それじゃあ、悪魔さん、よろしくお願いしますにょ」

「えっ、決定なの!?」

「頑張れ、イッセー。私はそろそろ時間だからな」

「待って待って、お願いだから最初に双葉の最大の小宇宙を見せてからにしてくれ。オレじゃあ、伝わり辛いと思うからさ」

「仕方ないですね。それじゃあ、ミルたん、感じて下さい。これが聖闘士の力です」

神器を初めて召還したときの様に小宇宙を限界まで燃やす。

「にょ!?すごい力だにょ。これが小宇宙なのかにょ!!」

「アナザー・ディメンション!!」

何時もは最低限しか開かない異次元への穴を周囲に被害が出ない程度に広げる。

「うわ、初めてまともに見たけどこんな感じの空間を通ってたんだ」

「まるで異世界に行ったときみたいな空間だにょ」

「「え?異世界に行ったことがあるの?」」

「そうだにょ、でも異世界にもミルたんを魔法少女にしてくれそうな物は無かったんだにょ。だから、敵である悪魔さんにお願いしてるんだにょ」

というよりどうやって異世界に行ったのかが気になる。怖いから聞くのは辞めておこう。

「それじゃあ、私はこれで。ちゃんと教えてもらって下さいね」

「ありがとうだにょ。また今度夕飯を作って持っていくにょ」

「楽しみにしてますよ」

アナザー・ディメンションの異次元空間に飛び込み、常連の依頼者の元に向かい、今日の講義を始める。







後日、ミルたんの友人達も修行に参加したいということなのでイッセーも含めて週1で私が修行を付ける事になった。さすがにイッセーの様にすぐさま小宇宙を扱える様にはならなかったが、少しずつ強くなっていき『禍の団』を少しずつではあるが痛手を与えれる様になったそうだ。その為、アンケートでは最高評価を与えてくれ、対価もかなりの量を貰っている。ちなみにミルたんの友人達はミルたんと似た様な姿をしている。魔法少女を夢見る漢女達だ。まあ見た目はかなり濃い事になっているが、一人だけ本物の乙女が混じっている。彼女には悪いが聖闘士の掟として仮面を着けてもらっている。さすがに私生活では外して貰って良いと言っているが、食事中ですら外さない様に口元が外せる様に改造してまで着け続けている。しかし残念な事に身体が出来上がっていない上に自分の小宇宙を感知する事も出来ず神器も出せない。出来る限り目をかけているが、才能が開花するかどうかが分からない。それでも諦めろと言えない位に修行に励んでいる。どうにかしてやりたいが、どうする事も出来ない。私の頭痛の種だ。悪魔の仕事も楽ではない。
 
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