ヘタリア大帝国
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TURN64 バルバロッサ作戦その五
レーティアを上座に置いた長方形のテーブルの傍に皆立っている、その彼等がレーティアの言葉に応え着席した。
レーティアはそれを見届けてから全員に告げた。
「では明日からだ」
「ええ、明日からね」
「全軍でこのベルリンからポッポーランドを経由してソビエト領に攻め込む」
これが今回のドクツの作戦だった。
「バルバロッサ作戦だ。最終攻撃目標はモスクワだ」
言わずと知れたソビエトの首都だ。
「あの星域を攻め取る。それで決着がつかなければだ」
「さらに攻めるのね」
「ウラルもカフカスもだ」
そうしたソビエトのあらゆる星域をだというのだ。
「攻め取っていく。シベリアまで行くこともだ」
「それもね」
「既に計画を立てている」
こう聞き役に回っているグレシアに答える形で列席者達にも話す。
「補給も整えている」
「そしてソビエトの寒さも考えて」
「防寒艦も用意してある」
それも既に考えていた、レーティアはソビエトの極寒のことも忘れてはいなかった。
「ナポレオンの愚は犯さない」
「そしてまずはモスクワを攻め取って」
「それで降伏しなければソビエト全土だ」
至る星域を占領していくというのだ。
「そうしていく。いいな」
「了解。それでは」
「軍は三方に分ける」
このことも既に計画として立てている。
「北はトリエステ提督が指揮する」
「はい」
そのトリエステが応える。
「バルト三国を攻め取っていく」
「畏まりました」
「南はベートーベン提督だ」
「はい」
今度はベートーベンが応える。
「ウクライナにカリーニングラード、それに」
「カフカスまで」
「そこのルートだ。そしてだ」
レーティアはここで万シュタインを見た、そしてだった。
「中央はマンシュタイン元帥だ」
「はっ」
ドクツ軍の双璧の一方が声をあげた。
「ロシア平原からスモレンスク、そして」
「モスクワを」
「中央には主力を置く」
三方の中でもだというのだ。
「そうしていく。ではだ」
「作戦発動は明日よ」
まさにその時だと、グレシアが全員に告げる。
「この会議が終わり次第皆配置についてね」
「了解」
「それでは」
皆グレシアの言葉にも応える。その中にはヒムラーもいる。
そして今レーティアが言った。
「今よりバルバロッサ作戦を発動する」
遂に作戦も発動された。
「諸君の健闘を祈る」
「ジークハイル!」
「ハイルアドルフ!」
全員が一斉に立ち右手を掲げた、そうしてだった。
各提督、国家達がそれぞれの艦隊の旗艦に入った。そのうえでドクツの艦隊が次々と出港していく。
レーティアはグレシアと共にその黒い艦隊が銀河に出て行くのを見届けながらこうグレシアに対して言った。
「いよいよだな」
「そうね。貴女の目指した生存圏がこれでね」
「確立される」
レーティアは確信していた。
「今な」
「そうね。ドクツは勝つわ」
「私がいる限りドクツは敗れはしない」
断言もした。
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