【完結】剣製の魔法少女戦記
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第三章 聖杯大戦編
第八十一話 『外伝11 今日から小学四年生』
前書き
ドラマCDの内容です。所々に増えた人が混じっています。
Side シホ・E・S・高町
聖杯大戦も終わり、月日はすぐに経過して春になり私達も今日から小学四年生である。
なのはと二人でバス停まで向かうとそこにはフェイトとアリシアも乗っていたので近くに座った。
そうそう、アリシアも今年から四年生で私たちと一緒に聖祥に通うことになった。
それまでの期間、私達は管理局の研修などもあったが、アリシアはない学力を短期間で必死に勉強してなんとか私たちと同じく四年生になれた。
「私達ももう四年生だね~」
「そうだね。なのは」
「私はようやく安心できたかな? 聖祥に入るために勉強三昧だったけどやっとフェイトと一緒に通えるようになったんだから」
「アリシア…」
それでフェイトは少し頬を赤くする。
フェイトも嬉しそうであるのでよかった。
なんかプレシアのアリシアを蘇らせたかった気持ちもわかるかもしれない。
アリシアにはなにか癒しのようなものがあるからだ。
「でも聖杯大戦からの間、なにも事件が起きなくてよかったわね」
「うん。あっという間だったね」
「そうだね。本当に…。小学校と局のお仕事と、技能研修と資格試験…色々と忙しいしね」
「うん! でもなんか楽しいけど」
「…そうだね」
「あーあ…私も魔導師適性があったらフェイト達についていったのにね~」
「アリシアはその代わりに魔術のお勉強があるでしょう?
マリーさんの話ではアンリミテッド・エアの解析も進んでいっているという話。
将来的にはアンリミテッド・エアとマグナ・スピアを元にして魔術回路に反応する魔術師のための魔術式デバイスっていう新機軸のデバイスが生まれていくっていう話ね。
士郎が使うブレイドテミスにも試験的に魔術式システムが埋め込まれているっていう話だし。
ま、魔術式デバイスは魔術とその使う人を選ぶからほとんどのものがワンオフ機の特機タイプになるだろうけど…」
「それじゃすずかちゃんとアリサちゃんもデバイスを持てるってことになるのかな…?」
「二人が望めばね…。それにまだ二人は私たちと違って将来は決まっていないからね」
「すずかちゃんはシホちゃんについて行くと思うけどなー…」
「え? なんで…?」
「シホ、その鈍感は治した方がいいと思うよ…?」
「うんうん! フェイトの言うことには一理あるね!」
「アリシアまで…私って、そんなに鈍感…?」
それになのは、フェイト、アリシアは揃って頷いた。
くっ、悔しくなんかないわよ…?
「それよりこっちでもあっちでもフェイトちゃんやシホちゃんと一緒に入れて私は嬉しいな」
「うん。私もなのはやシホと一緒だと心強くて嬉しい…」
「にゃはは…」
「えへへ…」
それでなにやらなのはとフェイトの間になにか空間が出来上がった。
それによって私とアリシアはいつもの事かという表情になった。
こうなったら二人はどこまでもこの空間を続けていく。
「ランサーが不憫だねー」
「ま、そこはフェイトの将来の一つということで…」
「シホって自分のことは鈍感なのに他人のことだとすぐ反応できるよね…?」
「アリシア、なんかそれちょっと傷つくかも…」
私とアリシアでそんな取り留めもない会話をしているとなのは達が桃色空間から復帰してきた。
「あ、そういえばはやてちゃん…!」
「うん…メール来てた?」
「ええ」
「うんうん。今日の始業式には間に合わないけど明日からだって!」
「七人とも一緒のクラスになれるみたいだし楽しみだな」
「うん!」
なのはもフェイトの言葉に嬉しそうに頷く。
はやてもなんとか退院はできたしまだ車椅子通いだけどそこはかとなく心配はないだろう。
なんせ八神家には屈強な人達が大勢いる。
前衛………シグナム、ヴィータ、ザフィーラ、アルクェイド、志貴。
中衛………士郎、リインフォース。
後衛………はやて、シャマル、キャスター。
と、三種でそれぞれ得意な攻め方で万全に勤められる人員で溢れている。
その気になれば八神家で管理局の一部隊、いや数隊かとも喧嘩も売ることはできるだろう。
いや、これは実力ともに本気なことで。
はやてって今では大勢の家族に支えられていていいわね。
ま、私にも最優の二人のセイバー…アルトリアとネロがいるからなんとも頼りがいはあるけど。
ちなみに二人は今はついてきていない。
そんな緊急事態というわけでもないので翠屋で今はオリヴィエ陛下もついでに一緒に働いている。
余談だがアルトリアとネロとオリヴィエ陛下が時間がある時は翠屋で働きだしてからというもの客足がかなり伸びたらしい。
これがカリスマ持ちの所以か…という感じである。
特にネロは保有スキルに皇帝特権と黄金律もあるしすごいことになるだろう。
閑話休題
それからアリサとすずかとも合流して私達が乗ったバスは学校へと向かった。
◆◇―――――――――◇◆
その頃、はやては病院に通院していた。
『八神さん。八神はやてさんどうぞ』
「はーい!」
はやては診療室に入り石田先生と会っていた。
「うーん、はやてちゃんすごいわよ。どんどん良くなってきているわ」
「ホンマですか?」
「足の感覚もだいぶ戻ってきているんじゃない?」
「はい。戻ってきてますね」
「うん。この調子でいけばすぐに全快しちゃうわね」
「えへへ。石田先生のおかげです」
はやては笑みを浮かべながら石田先生に感謝の言葉を述べる。
「ううん。はやてちゃんが頑張ったからよ」
「えへへ」
「発作もないから明日からは復学もできるし制服とか用具とかもう揃ってる?」
「はい。もうばっちりと! 士郎とかがきっちりと揃えてくれました」
「士郎さんはマメな人だからね~」
「でも、よく志貴と睨み合っている事が多いんで困っているんです。なんかやっぱり反りが合わないみたいで…」
「そうなの?」
「はい。前よりは関係も緩和したとは言っていましたけど…昔は切った貼ったは何回もやったらしいです」
「あはは。おっかない親戚ね」
「でも、いい家族です」
「そう…。と、っととそれより話は戻るわね。しばらくは車椅子の通学だけど」
「あ、教室は一階にしてもらえるそうなので大丈夫です」
「さすが私立…融通が利くんだ」
「そうみたいですね」
「…うん。立って歩けるようになるにはもう少し時間はかかるしリハビリはきっと大変だと思うけど、一緒に頑張ろうね?」
「はい…」
「ああ、そういえば士郎さんと志貴さんの話は聞いたけど他の人達…シグナムさん達とかはお元気?」
「はい。めちゃくちゃ元気です」
…場所は変わって管理局。
そこではレティがシグナム、シャマル、士郎、リインフォース達と会話していた。
「ではレティ。私達はこれで失礼します」
「うん。ごめんね~。結局夜通し勤務になっちゃったけど…色々と助かったわ。お疲れ様」
「いいえ、ありがとうございました」
「では失礼しました」
「あ、待って士郎。あなたのデバイスだけどまだアンリミテッド・エアから引き継ぐ形で試験的に簡易型魔術式システムを積んでいるだけだからまた後で調整するついでに魔術について詳しく知りたいっていう話だからすぐに通ってね?
シホちゃんとキャスターにもその旨は伝えておいて。士郎よりシホちゃんやキャスターの方が魔術の知識は豊富だから」
「了解した。善処する。…しかし、もうすでに管理局でも数名魔術回路を持つ者が出てきているという話だから大変になってきますね」
「そうなのよ…。幸いまだ持つ者が出てきただけで聖杯大戦事件ほど過激な魔術師は生まれていないのが不幸中の中の幸いだけど…」
「そこはやはり言峰綺礼の協力があったからだと思いますが…」
「そうね。魔術師の資格がある子にはちゃんとした知識も学ばせないといけないから、だからシホちゃんやキャスター共々期待しているわよ? 士郎」
「ははは…了解です」
「それと話は戻って、シグナムと士郎、リインフォースはまた明日、ヴィータと一緒に武装隊への出向があるから時間と場所は大丈夫?」
「本日中におって連絡があるそうです」
「はい」
「うん…シャマルは明後日ザフィーラを連れてきてね? 支局の方にいってもらうから」
「はい」
「それじゃ今日はゆっくり休んで。そしてはやてちゃんによろしくね」
『お疲れ様でした』
そう言って四人は部屋から退出していった。
エレベーターに乗りながら、
「ふぅ…局のお仕事って色々と肩が凝ることが多いわね」
「お前は内勤や医療班への出向が多いからな。気苦労も多いだろう…まぁ、色々と重宝されていると聞いたが?」
「そうなのかな? お仕事はちゃんと出来ていると思うけど。シグナムは最近なのはちゃんとシホちゃんとフィアットちゃんと一緒なこと多いんでしょ?」
「ああ。あの三人は武装隊の士官研修生だからな。フィアットはユーノと同じく司書も兼任するから大変だと言っていた」
「シホとなのは嬢も大変だろうに…。私のようにすぐに武装隊に入ることもなく小学校も兼任しているからな」
「そうだな。主はやても小学校に通いながらも管理局に通うらしいからな。これから忙しくなるだろう」
「それとあの子等とはこの間ゆっくり話をした」
「どんなお話…?」
「シュバインオーグと高町とは取り立てて深い話ではなかったが多少なりと人となりは理解できた」
「ヴィータちゃんは相変わらずライバル心むき出しだけどね。なのはちゃんに」
「競いたい相手がいることはいい事だ。色々な意味でな…」
シグナムがフッと笑う。
そこにシャマルが笑いながら、
「シグナムにとってのテスタロッサちゃんみたいに…?」
「私は別にあれと競っているわけではないぞ…? 自力はまだだいぶ私のほうが上だ」
「はいはい。そうでした♪」
「正直になったほうがいいぞ? 将よ」
「お前には言われたくないぞ。リインフォース」
「うっ…それはだな」
「楽しそうだな、シグナム」
「士郎、お前ももっと周りの気遣いに気づけ」
「なにをだ…?」
「はぁー…これだからこいつは…」
シグナムがやれやれとため息をつく。
「でも、どうしてヴィータちゃんはシホちゃんの方にはなのはちゃんのようにそんなに乱暴にならないんだろう…?」
「それはやはりはやてを救ってもらったからではないか?」
「それは士郎にも言えることだな。私をも救ってくれたからな」
「まぁな…」
「そういえばヴィータとザフィーラは主はやてと一緒だったか?」
「うん。一緒に病院に行っているはずよ。志貴さんも一緒についていっているらしいわ」
「アルクェイドとキャスターは…?」
「アルクェイドに関しては根っからの自由人だ。だから街で遊んでいるのではないか?
それとキャスターは家で留守番だ。今は昨日からおこなっている耳と尻尾を隠す変化の特訓をしているらしい。今日中にでも人間の姿で現れるんじゃないか?」
「そうか。いつまでも家の中で過ごさせるわけにはいかないからな」
「そうね。それは不衛生よ」
「キャスターが聞いたら泣くぞ…?」
それで四人は笑顔を出して笑った。
そして場所は戻って志貴とヴィータとザフィーラはと言うと、
「きゃー! 可愛い!」
ザフィーラ(小型犬フォルム)は公園で子供達にいじられていた。
それを見守るヴィータと志貴。
実にのほほんとしている。
ザフィーラが何度かヴィータに思念通話で助けを求めてくるが、
「この子ってなんの犬?」
「えっと、ザフィーラってなんの犬だっけ…?」
ヴィータは志貴に思わず聞くが志貴も分かる訳もなく、
「さぁ…? 雑種じゃないか?」
志貴も無難な答えをしておいた。
「そうだな。まぁ雑種ですね!」
「雑種なんだー!」
「やっぱり…?」
「雑種もいいんだよ? 丈夫だしねー」
「ザフィーラって名前なんだ! かっこいいね!」
「えへへ…愛想のない犬で…」
「(哀れな…)」
志貴は心の中でザフィーラに同情した。
「しかし、なんだかいい陽気だなー」
「それは頷けるな。平和というのはいい事だ」
「ところでお兄さんは働いていないの…?」
「うっ!? い、今は休憩中なんだよ…」
「そっかー」
なんとか流したが志貴は焦りの表情をして、
「(…俺も士郎と同じく管理局に厄介になるかな? サーヴァントとは言えこのまま無職じゃはやてちゃんに申し訳が立たないからな…。アルクェイドにも相談してみよう)」
と、思っていた。
◆◇―――――――――◇◆
そして学校では四年生からフェイトの双子の姉として紹介し人気が出たアリシアがクラスメートに群がられている間。
アリサ達が春の陽気に眠くなるという事態に陥っていた。
「本当にいい陽気…」
「ううん…それはいいけど眠くなって困る~」
「ファイトだよ、アリサ。明日からクラスメートのはやてに居眠りキャラだと思われちゃうから」
「あ、それは嫌…」
「シホちゃんは眠くならない…?」
「そうね…。こういう時は干したお布団で日向で横になって眠りたい気持ちになるわね」
「あ、その気持ちはわかるよ。シホちゃん!」
「…それって気持ちいい?」
「ええ、アリシア。前の時はよくイリヤと一緒に横になっていた事があったんだ。
イリヤはすぐに眠りにつくんだけど眠る前に必ず私に魅了の魔眼で道連れにする事が多かったのよ」
「シホ、それってかなり危なくない…?」
「え? なんで…?」
「だってその間は無防備を晒しちゃうのよ?」
「…まぁそうね。それでよくリンや桜に襲われそうになったっけ…」
シホが普通通りに話すが、
「…シホって実は結構無防備なのかしら?」
「ううん…どうなんだろう?」
「シホの無防備な姿かぁ…あんまり想像つかないね」
「私の時なら嬉しいけど…」
「すずか、あなた結構素直になったわね…」
アリサがすずかの大胆な発言に顔を赤くしていた。
「あ、そうそう。今年ってまだみんなでお花見やっていないよね?」
「ああ…タイミングのいい日に雨が降っちゃったりとかで流れちゃってたね」
「お花見ってあれだよね? 桜を見ながらみんなでお弁当を食べる会…」
「ううん…要約しすぎな気がするけど、まぁ大体あっているかな?」
「お花を見てのんびり楽しく過ごしたりとか…」
「過ぎ行く季節とか咲いて散っていく桜に風流を感じたりするのがメインの目的かな?」
「大人の人達はお酒飲んで騒ぐのがメインな気がするけどね」
「それは、どうだろうね…? ちゃんと桜を楽しみにしている人もいると思うけど…」
「元・大人としてどうなのよ? シホ」
「え? えっと、そうね。実はあんまり経験がなかったり…学生の頃はよく姉替わりの人に無理やりお酒を飲まされていたけど…」
「ほら。やっぱりそんなものじゃない?」
「そうね…」
それでシホも押し黙った。
「ええっと…じゃあ今週末とかみんな予定とかどう? 場所はいつものところを私が抑えられるんだけど…」
「えっと…土曜日なら一日OK!」
「同じく」
「私も大丈夫よ」
「はいはい! 私も大丈夫だよ。一緒にお花見楽しもうね、フェイト」
「あたしは土日OK!」
「じゃあ六人は決定ね! 場所は余裕があるから友達とか、家族とか、後はサーヴァントの人達とか各自でお誘いの上でって事で」
『おー!』
「じゃあさっそく心当たりにお電話を…」
「私も!」
「アルトリア、ちゃんと出るかしら…?」
「電話、つながるかな…?」
「パパにメールしておこう。そうだ、パパには忙しくてまだアサシンの事紹介していなかったんだ! 一緒に紹介しよう!」
それで各自電話をすることになった。
◆◇―――――――――◇◆
最初にすずかははやてに連絡を入れた。
「あ、すずかちゃん。どないしたん?」
『あのね、今週の土曜にお花見をするっていう話があるの』
「お花見? それはええね! 素晴らしいな! そんなら私達家族一同全員予定空けとくわ」
『うん! それじゃはやてちゃんも誰か誘える人がいたら連絡入れて見てね』
「わかったわ。任しとき!」
フェイトはクロノに連絡を取っていた。
「ああ、フェイトか。クロノだ」
『あのね、クロノ。今週の土曜日にお花見をすることになったんだけど…』
「土曜日…。ああ、その日はデスクワークだからちょっとした外出くらいなら付き合えるが…」
『そう。それじゃ大丈夫だね。リンディ提督とエイミィは?』
「ああ、艦長とエイミィもその日は忙しくないな…」
なのはは美由希に連絡を取っていた。
「あ、なのは」
『あ、お姉ちゃん』
「うん、お姉ちゃんですよ。どうしたの?」
『うん。今週末の土曜日にお花見をすることになったの』
「お花見? いいね! いくいく。すっごい行く! あ、エイミィも来るかな?」
『フェイトちゃんが誘っているみたいだよ』
「そっか。わかったよ」
シホはアルトリアに連絡を入れていた。
「どうしたのですか、シホ」
『うん。今週の土曜日にお花見を計画しているからアルトリアも出れるわよね?』
「もちろんです。ぜひお付き合いさせていただきます」
『よし。それじゃネロにも伝えておいて』
「任されました」
…それから色々な人に話が伝播していき、エイミィ、リンディ、レティ、シグナム達、石田先生、アースラスタッフと伝わっていった。
エイミィと美由希が幹事になって計画は進んでいった。
各ご家族全員を合わせると少なくても四十人以上の大所帯。
これは気合が入ってきた! とエイミィは張り切るのだった。
後書き
お花見…かなり大勢になる予定です。人が増えましたから。
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