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【完結】剣製の魔法少女戦記

作者:炎の剣製
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第三章 聖杯大戦編
  第六十五話    『速き者達の争い』

 
前書き
第四次ランサーファンの皆様、申し訳ございませんm(_ _)m
ディル様も第四次の記憶を持っていまして狂化チックです。でも決して純粋なバーサーカーではないのが肝です。
Fate/ZeroのドラマCD版では確かディルムッドは「アーサー!!」と憎しみを込めて叫んでいたと思うので今回使わせてもらいました。
それと今回は少し短いです…。 

 


Side シホ・E・S・高町


私とネロは新たに現れたサーヴァント…おそらくクラスはランサーで真名はディルムッド・オディナだろう。
その人物を見て、

「アルトリア…彼は本当にディルムッドなの?」
『間違いありません。赤と黄色の二槍に右目の下にある泣き黒子はまさしくランサーです』
「うむ、ならば…。そこのもの。余とセイバーとの戦いに横槍をいれるとは無礼であろう?」
「……………アー、サー………」

…? ランサーの様子がおかしい。

「アーサーーーーー!!」

途端、ディルムッドの体から黒い魔力の瘴気が吹き出す。

『うっ…!? まさか、ランサーのクラスではないのですか…?』
「待って…! 今、サーヴァントのデータを調べてみるわ」

それで私はサーヴァントのステータスを目で見る。
そして表示されたステータスは…。



◆◇―――――――――◇◆


クラス :ランサー/バーサーカー
マスター:???
真名  :ディルムッド・オディナ
性別  :男性
属性  :秩序・狂

筋力  :A
魔力  :D
耐久  :B
幸運  :E
敏捷  :A++
宝具  :A

・クラス別能力

対魔力 :B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、彼を傷つけるのは難しい。

狂化  :D
幸運と魔力を除いたパラメーターをランクアップさせる。
ランサーのクラスと重複しているので多少言語は理解はできるし喋れるがノイズが走っている。


・保有スキル

心眼(真) :D
修行。鍛錬によって培った洞察力。
窮地において、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。
しかし狂化によってそのランクは低下している。

愛の黒子  :E
魔力を帯びた黒子による異性の魅惑。
ディルムッドと対峙した女性は彼に対する強烈な恋愛感情を懐く。
しかし狂化によってそのランクは低下している。対魔力が少しでもあれば回避可能。



・宝具

???


◆◇―――――――――◇◆


確認し終わって私は驚いた。

「これは!? ランサーとバーサーカーのクラスが重複されているわ!」
『なんですって!?』
「ほう…珍しいな。クラスが重複されているとは…」

私達がランサー/バーサーカー…ここはややこしいのでランサーとしておく。ランサーを見る。

「…憎い…聖■が憎い…! ■杯に呪い■れ…! ア■サーには死■…!! ■■■■■ーーーーー!!」

ランサーはまるで狂化したヘラクレスのような雄叫びを上げる。

『ランサー、哀れな姿だ…。おそらく彼は第四次聖杯戦争の記憶をそのまま持っています。それが今のあの言動から判断できました』
「そうなの、アルトリア…?」
『ええ。彼は第四次で切嗣に脅迫されたマスターの手によって自害させられたのです。
そして呪いの言葉を吐きながら消滅したのです』
「そんな事が…」

そしてランサーは今はセイバーの姿をしている私に襲いかかってきた。

「奏者よ。危ない!」

すんでのところでネロがランサーの槍を防いでくれたけどこれじゃセイバーとランサーの二組のサーヴァントと戦うことになってしまう。
と、そんな時に、

「シホッ!!」
「助けに来たぜ!!」

バリアジャケットをまとったフェイトとランサーが助けに来てくれた。
すぐさまランサーはディルムッドの槍をネロの代わりに弾いて、

「おいおい…聖杯戦争の先輩が哀れな姿だな? えぇ? ディルムッド・オディナよ…」
「…■■?……貴様は…誰だ?」
「…どうやら少しは思考があるらしいな。ならば紹介と行こうか。赤枝の騎士団クー・フーリンだ」
「!! まさか、あの光の御■とやりあえ■とは…俺はフィ■ナ騎士団のディ■ムッド・■ディナ。■■■■■ーーーーー!!」
「狂化してんのに喋れんのかよ…紛らわしい奴だぜ! フィオナ騎士団の輝く貌の騎士様の顔が歪んでいるぜ?」
「ランサー! あのランサーをお願い!」
「了解だぜ、マスター!」

ランサーがディルムッドと対峙している一方で、

「それじゃ続きをしようか」
「マスター、指示を…」

ノアとセイバーも動き出してきたようだ。
私も気を引き締めて、

「それじゃネロ! 気を引き締めて私達もいくわよ!!」
「うむ!」

そして私とネロもセイバーへとかけていった。


◆◇―――――――――◇◆


Side フェイト・テスタロッサ


シホとネロさんがセイバーへとかけていくと同時にランサーもあっちのランサーへと戦いを挑んでいった。
私はあの戦いの渦中の中に入っていけるほど強くないから見ていることしかできないのが悔しい。
でも、私でも指示はできるから頑張ろう。

「おら、いくぜ!」
「■■■■■ーーー!!」

そしてランサーのゲイ・ボルクとあちらのランサー…ディルムッドの二槍が交差する。
それによって凄まじい音があたりに響き渡る。
しかもさすがランサーのクラスと言うべきか二体のランサーはとても私の目に追えるものじゃない動きで戦いを行っている。

「ランサー対決となればその優劣はなんだ!?」
「遅いほ■が死ぬ…それだけ■! ■■■■■ーーー!!」
「その通りだ。狂化している割にはわかってんじゃねーか!」

ランサーの槍は一本。それに対してディルムッドの槍は二本。
数はあちらが有利だ。
でも、それを覆すのが英霊という人のチカラでは及ばない偉大な人達。
ランサーは見事それを覆し一本だというのに二本に同等に対応している。

「どうした!? スピードが落ちてきてるぜ!?」
「■……■■■■■ーーー!!」

ディルムッドはランサーの槍を一度弾くと一旦後ろに下がる。
そして無言で黄色い槍を地面に置く。

「ほう…二本では不利と悟ったか。いい心がけだぜ!」
「いざ…! ■■■■■ーーー!!」

ディルムッドが赤い槍だけを持って今度は両手持ちで槍を振るう。
それによって先ほどよりもさらにスピードが上がりお互いにどんどんギアの速度が増していく。
その殺陣には誰ももう侵入できないだろう。
もし邪魔したなら互いの槍で刺されることは明白だ。
だからただ勝ってと願う!
そして槍の突きによる攻防は延々と続きもはや千日手と化してきている。
互いに楽しそうに槍を振るっている。
しかしやはり攻めきれないのは考えものだろうと思ったのだろう。
ランサーも一回その場から下がると、

「埒があかねぇな…。もうちっとこの戦いを楽しみたいがこちとら早くこんな戦争は終わらせなきゃいけないんだよ。だからよ…!」

するとランサーから念話で一言『使うぜ?』という言葉が伝わってきた。
私はそれに『うん!』と答えた。
それでランサーは槍を構えて体勢を整え、

「わりーが貴様のその心臓…貰い受けるぜ!!」

ランサーの槍に濃密なくらいの魔力が一瞬で集まっていくのがわかる。
これが宝具を使う前兆…!

「■■■…!?」

ディルムッドも構えをするがそれよりランサーの速度の方が上回っていた。
ランサーは槍をディルムッドに構えて疾駆し、そして、

「受けな…! 刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)!!」

赤い呪いの槍はその真名を放たれた。
その槍は避けようとするディルムッドのスピードに追尾し、その心の臓へと向かって放たれようとした。
ランサーに聞いた話だけどゲイ・ボルクは一度放たれれば、槍を放つ前に、前提として槍は既に心臓に命中している結果を残してから打ち出されるというものだという。
だから必ずディルムッドの心臓は貫かれる。そのはずだった。
突然、ディルムッドの姿がおぼろげになりランサーが槍を振るった後には姿はなく、ディルムッドの姿は後方へと下がっていた。

「(見えなかった…! なに、今の動き…!?)」

私が動揺しているけどランサーはどうやらそのカラクリをすぐに見破ったらしく、

「ちっ…令呪で逃れやがったな? 俺の必殺の槍を!」

今のが令呪の効果! 回避不可能の攻撃も避けることが可能となる令呪による強制力!
見ればディルムッドのそばには魔導師の杖を持った女性が一人立っていた。

「ディルムッド様! 大丈夫ですか!?」
「■■■■■…」
「大丈夫のようですね。今回は残念ですが一時撤退します。捕まっていてください」

女性が黄色い槍を回収してディルムッドの肩に手を置き転移魔法を発動する。
二人の姿はすぐに消え去った。

「エイミィ! 追える!?」

私はすぐにエイミィに連絡を入れてどこに転移したか割り出してもらう。
でも、

『ごめん、フェイトちゃん…。行き先をロストしちゃった…』
「そう…」
「今回はここまでか…ちっ、逃げるとはつまんねぇな」

ランサーが愚痴を零しているけどこっちとしてはランサーが無事でよかったという感想が持てた。
それで心に余裕ができたのかシホ達の方を見てみると、

「ふん…二人がかりでやっと私と同等か…」
「くっ…!」
「ぐぬぅ…! さすが、やりおる!」

…! シホ達が押されている。
助けに入らないと。
でも、

「セイバー。ミゼさんが引いたみたいだから僕達も撤退しよう。三人がかりだとさすがに無理が出てくるだろうからね」
「了解した。マスター」

それでセイバーがマスターのノアって人を抱えてその場から飛び去っていった。
今回は引いてくれたみたいだ。
エイミィは途中まで追えたっていうけどなにか特殊な力が働いて行方を追えなかったっていう話だ。

「シホ…大丈夫?」
「ユニゾン・アウト…」

アルトリアさんとユニゾンを解除したシホは疲労がたまっている顔をしながら、

「…え、ええ。なんとか…。でも、二人がかりでやっと同等だなんて…やっぱりセイバーは強い」
「ええ…。我が事ですが侮れません」
「だが、次は負けんぞ。奏者よ」
「そうね。ネロ」

そこにリンディ提督から通信が入り、私達は拠点の月村邸に今日は戻ることにした。


 
 

 
後書き
あえて今回はステータスを文面に表示しました。
ウェイバーでもステータスは見れたのですからシホでも見れると思いますし。
ランサーとバーサーカーのクラスが重複しているのをわかりやすく表現したかったので。
今後はしっかりと番外のデータの方に書いていきます。
オルタではなくユニゾンしているシホの方に向かったのは仕様です。
そうでもしないと言峰陣営は常に乱闘騒ぎに発展してしまいますから。 
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