DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章
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四章 モンバーバラの兄弟
4-11やればできる
「まあ、いい。野郎がどうでも、オレらがどうでも。やるこたあ、変わらねえ」
「……そうだね。ありがとう、兄さん。」
「礼を言われる筋合いはねえな」
「私も、何があろうと。お供します。」
「ありがとう、オーリンさん。」
アッテムトへの道中、スライムに遭遇する。
見た目が同じであるために油断したが、通常のスライムより頑丈で、倒し損ねているうちに仲間を呼び集め、合体して巨大化した。
驚愕する一行を後目に巨大スライムは魔力を放ち、紫色の霧に包まれる。
危機を感じたマーニャが、守備力低下の呪文を唱えるが、霧に阻まれ届かない。
「魔法が効かねえ!?」
「兄さんがルカニを!?」
さらに驚愕するマーニャとミネア。
「仕方ねえ。地味だが殴るか」
マーニャが毒蛾のナイフを手に取り、物理攻撃に切り替える。
マーニャの攻撃に、巨大スライムが麻痺したところで、オーリンとミネアがたたみかける。
「うおっ、危ねえ!」
前衛に参加するマーニャを、ミネアのモーニングスターが掠めそうになり、身を躱す。
「おま、気を付けろよ!オーリンなら当たってるぞ!」
「ごめん、兄さん!」
「私なら、多少当たっても」
「そういう問題じゃねえ!」
動かない巨大スライムを的にして、ミネアは徐々にモーニングスターを使いこなし、やっとのことで巨大スライムを打ち倒した。
「ちっと驚いたが。ある意味、運が良かったか。ナイフも早速、役に立ったしな」
「いつの間に、ルカニなんて覚えてたんだ」
「オーリンが入って、殴りが強力になったからな。要ると思って覚えた」
「そんな、昨日の今日で」
「やりゃあできんだろ」
「……まあ、兄さんだからね。」
その後は苦戦することも無く、無事にアッテムトにたどり着く。
かつては金鉱として賑わっていたはずのアッテムトだが、人影はまばらで、重い雰囲気と、異様な臭いに包まれている。
「ここは鉱山の町、アッテムト。と言っても、今ではとても、人の住める場所じゃないわ。」
「確かに、ひどい臭いだな」
「それでも、ここを離れられぬ理由でも」
「うちのおじいちゃんは、火薬作りだけが生き甲斐だったのに。それを禁止されて、すっかり弱ってしまって。置いては行けないわ。」
「そんな事情が……。」
「あんたたちも、ガスにやられたりしないうちに。早く、よそに行ったほうがいいわよ。」
「ありがたいお言葉ですが、私たちも事情がありまして」
女性の家を訪ねる。
「火薬作りはお城から禁止されてしまってのう。手元には、残っておらぬのじゃ。もし火薬が欲しいなら、鉱山の中にまだ残っているはずじゃから、それを持って行くがいい。ゴホゴホ……。」
「お辛いところ、ありがとうございます。」
「養生しろよ、爺さん。」
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