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DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章

作者:あさつき
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二章 やんちゃ王子の観光
  2-20わかった、こいつが変態だ

 弓使いも、泣きながら会場を出て行く。

「うう。所詮、普通は普通か。それ以下でなくても、以上ではないんだ。」

 なんて言ったら良いんだろう。

 なにも言わないほうが良いな。

「アリーナ王子様、ふたり勝ち抜き!薬草は、使いますか?」

「大丈夫だ」

「次!アリーナ王子の三回戦の相手!ビビアンよ、これへ!」


 次に入ってきたのは、バニースーツを身に(まと)い、杖を持った、女?だった。

 魔法を使うのだろう。
 女では、無いな。
 指摘したら、まずいのだろうな。

 歓声が上がる。

「ビビアンちゃーん!こっち向いて―!」
「王子ー!いじめるなよー!」
「アリーナ様ー!そんな女、さっさと倒してー!」

 やはり女扱いなのか。

 本当に女だったら、こいつが優勝でも良かったのだろうな。
 優勝は無理そうだが。

 しかし、姫と結婚したいのだろうか。

 バニーが客席に愛想を振りまく。

「みんなー!ビビアンを愛してくれて、ありがとー!でもごめんね!ビビアン、女の子が好きなのー!」

 男が女の格好をして女の振りをして、女として女の姫と結婚しようとしているのか。
 もう訳がわからない。

 バニーがこちらを向く。

「あら!王子様って、かっわいー!これなら男の子でも、いっかなー!」

 わかった、こいつが変態だ。
 筋肉ダルマに謝れ。

 野太い声が、嫉妬を叫ぶ。

 色々危険なので、ここは、はっきりさせよう。


「俺は、男には、興味は無い。」



 沈黙。



 混乱。

「ビ、ビビアンちゃんが、男とか!男とか!」
「ははは、そんな。そんなまさか」
「え?男?男なのあれ?それであんな、調子乗ってんの?はは、あはははは!」

 変態が顔を真っ赤にしている。
 変態が般若(はんにゃ)のような顔で叫ぶ。

「こ、このクソガキが!アタシがせっかく、ここまで作り込んで!男どもに貢がせるのに、どんだけ苦労したと!オレだって、野郎に興味なんかねーよ!普通は!」

 普通はって何だ。
 こちらも自分の身がかわいいので、色々やめてほしい。

 怒号(どごう)悲嘆(ひたん)哄笑(こうしょう)

「か、金返せー!」
「嘘だ、嘘だウソだうそだー!」
「あはははは!男だってあれ!あはははは!」

 変態が叫ぶ。

「くそっ!こうなったら、王子も姫も、まとめてモノにしてやる!おとなしくヤラれな!」

 妙な方向に開き直るな。
 ならないし、やられない。

「で、では。試合開始じゃ!」

 変態が氷の(つぶて)を放つ。
 身を(かわ)し、()を詰める。魔法を放つと同時に後退していた変態には、まだ届かない。

 変態の杖先から、炎の帯が広がる。範囲が広い。
 腕で顔を(かば)い、炎に突っ込む。 
 

 
後書き
筆者も王子も、マイノリティの方々への差別的意識は一切ございません。
ただし、こいつは変態です。
あくまで、個人の問題です。

また、原作のキャラクター設定とは一切関係ありません。 
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